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016「壊して治して壊して治して⋯⋯以下略」



「うぅぅううぅぅううう⋯⋯」

「痛ぇ⋯⋯痛ぇ〜よ〜」

「あ⋯⋯ぐぅ⋯⋯ひっくひっく⋯⋯」


 あの後、残りの腕や足をポキポキ折ってあげた。すると取り巻きビッグ3は嗚咽をあげたり、痛みを訴えたり、ただずっとすすり泣いたりと、見るからに肉体と精神に大きなショックを受け震え怯えていた——完全な戦意喪失である。あと、三人目の奴もちゃんとお漏らしていた。


 しかし、ボスの佐川は、


「て、てめぇ、何でこんなことすんだよっ!?」


 一人、戦意喪失することなく、俺を見ながら悪態を()いていた。


「う〜ん、まーいろいろあった(・・・・・・・)じゃない?」

「ふ、ふざけんじゃねぇぇ!」


 佐川が酷い形相でこちらを睨みまくり、しかも、


「て、てめぇ、絶対にタダじゃおかねーぞ!」


 何とこの状況でもさらに凄んできた。さすがは、腐っても『高校生探索者(シーカー)』だなと俺は感心する。



——しかし



「タダじゃおかない? おい⋯⋯それ、こっちのセリフなんだけど?」

「何⋯⋯うっ!?」


 俺は今朝取り巻きたちに放った『威圧』よりだいぶ強いやつを佐川に放つ。すると、


 ガクガクガクガクガクガクガクガク⋯⋯!!!!!


 佐川が体を激しく揺れ震え出す。


「な、ななな、何だよ、これ⋯⋯? 何だよ、これぇぇぇ!!!!!」


 どうやら佐川は、自分が俺に怯え震えている現実に直視できず混乱しているようだ。


「いやいやいや、この程度の『威圧』で何震え上がってんの? そんなんだと、これからやることやったら佐川お前⋯⋯壊れるよ?」


 俺はさらに強い『威圧』を放ち、佐川に恐怖を与える。


「ひぃぃぃぃぃっ?!」

「ひぃぃぃぃぃっ?!⋯⋯じゃねーから? お前やお前の取り巻きが俺にやったこと覚えてねーの? ずいぶん酷いことしたこと覚えてねーの?」

「い、いいい、いや、その⋯⋯」

「い、いいい、いや、その⋯⋯じゃねーんだよ? お前らは俺に無慈悲にリンチしたよな? 何度も何度も何時間も何日も。俺が毎回泣いて命乞いしても『ぎゃははは』って笑いながらリンチ続けたよな? 酷い時は1週間毎日1時間俺をリンチし続けたこともあったっけ? 1時間だぞ? それを1週間ずっとだぞ? そんなリンチお前受けたことある? どうなんだ、コラ?」

「ひぃぃぃ!? ご、ごごご、ごめんなさい、ごめんなさい! 助けて⋯⋯助けてぇぇぇ!!!!!」


 佐川は二度の強烈な『威圧』で完全に戦意喪失したようで(本当に大した『威圧』じゃないけどね?)、今ではすっかり顔は怯えまくり、必死に命乞いしてきた。


 しかしだ。当然この程度(・・・・)で許すわけはない。


 当たり前だ。俺は自殺するところまで追い込まれたんだよ?


 これまで何度も何度も泣いて喚いて命乞いしたんだよ?


 それでも、こいつらは俺のそんな姿を見てニヤニヤしながらずっと暴力を振い続けたんだよ?


 これで終わるわけ⋯⋯ないよねぇ?


「ダメで〜す。許しませ〜ん。お前やお前の取り巻きには俺のやられた分の『報い』をちゃんと受けてもらいま〜す。なので、そこんとこ⋯⋯よろしく!」


 ゴキ⋯⋯リ⋯⋯!


 俺は佐川のまだ無事な左腕の肘を取ると、取り巻きの一人と同じよう逆方向に折ってあげた。


「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」


 佐川が声にならない叫びを上げる。そして、痛みのあまり失神した。しかし、


「あ、大丈夫だよ、佐川君。失神してもすぐに目覚ましてあげるから。⋯⋯『上級回復(ハイヒール)』!」


 俺は上級魔法『上級回復(ハイヒール)』を佐川にかける。


 ファァァ⋯⋯。


「え、あれ? 俺、今、一体何を⋯⋯?」


 失神から目覚めた佐川。上級回復(ハイヒール)をかけたので佐川は失神から目覚めただけでなく、俺が潰した右手首やさっき折ってあげた左肘もすべて何事もなかったように回復している。


「やぁ、佐川くん。おはよう」

「え? ひ、ひぃぃぃぃっ!! タ、タケル⋯⋯」

「お? もしかして、さっき俺がやったこと覚えてんの?」


 そう聞くと、佐川が『こくこくこく⋯⋯!』と上下に激しくシャウトした。どうやらさっきの俺の行為をしっかりと覚えているようだ。


 うんうん、これなら手間が省けるね。


「いや〜そっか〜。覚えているか〜。よかった、よかった。それじゃあ⋯⋯第二ラウンドね?」

「え?」



********************



——2時間後


「いや、すごいな。本当に誰も来なかったよ」


 俺はポキポキグシャポキを繰り返し、佐川たちが瀕死になったタイミングでその都度『上級回復(ハイヒール)』をかける⋯⋯といったループを2時間ほど行った。


 おかげで四人は戦意喪失をだいぶ通り越して、体育座りしながら指をくわえ小刻みに震えている。


「どうだ〜? 痛いだろ〜? 精神的にキツイだろ〜? だけど、お前らはたった(・・・)2時間程度だぞ? 俺はそれ以上の何十時間もずっとお前らにやられ続けたんだからな? そこんとこわかってる?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


 3人が俺の言葉に高速にうなづく。


「じゃあ、これでお前らのこと許してやるよ。でも、だからといって明日から変に俺に怯えるなよ? あと、俺のことは絶対に誰にも言うな? この力のこともだぞ? わかったな?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


「もし、誰かに怪しまれでもしたら、もう一回(・・・・)⋯⋯だからな?」


 コクコクコクコクコクコクコクコクコク⋯⋯っ!!!!!


 どうやら、ちゃんとわかってくれたようだ。何よりである。


「じゃ、そういうことで! 明日な〜」


 そう言って、俺はその場を後にした。



 はい、ざまぁ完了。



********************



——後日談


 次の日、正直3人とも休むかと思われたがちゃんと登校していた。正直、心が壊れてしばらくは学校を休むと思ったのだが⋯⋯。もしかすると、俺が「明日から⋯⋯」と言ったのを真に受けて勇気を振り絞って登校してきたのかもしれないな。なんか悪いことしたなぁ〜(テヘペロ)。


 というわけで、俺はそんな佐川たちに申し訳ないなと思ったので気を遣って挨拶をする。


「おはよう!」


 俺が佐川たちに元気に声を掛ける。


「「「「っ!? お、おはよう⋯⋯ございます!」」」」


 すると、4人が俺を見て思いっきりビクついて冷や汗ダラダラで挨拶をする。


「⋯⋯おい、そうじゃないだろ?」

「「「「ひぃぃぃぃ!」」」」


 彼らに『アドバイス』すると、その後は大根役者のようなバレバレの演技ではあったが、しかし必死になっていつもどおりの接し方に戻してくれたので俺はとりあえず彼らの努力に免じて許してやった。


 俺って優しい男だから。うん。


 こうして、俺を取り巻くいじめ問題は解決した。



 いや。



 そういや⋯⋯あと一人(・・・・)いたな?


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― 新着の感想 ―
[一言] この小説稚拙すぎる
[一言] ざまぁが足りないと思います。 やられた分はやり返さないと。
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