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152「圧倒的火力進軍」

次回から『毎週土日8時頃』投稿となります。

よろしくお願いいたします。

mitsuzo



——40階層『下層』


 現在、俺たちは中層最深部の29階層から30分足らずで一気に40階層まできていた。もちろん魔物も下層に向かうにつれ数も強さも比例して高くなっていったが、それでもこのメンバーは圧倒的火力で魔物を捩じ伏せていく。


「獅子奮迅!」


 ちょっちゅねさんがスキル技っぽいのを叫ぶと、体から赤いオーラが迸った。そして、


「ちょっちゅねぇぇぇ!!!!」


 と、叫びながら手刀を繰り出すとそこから『ソニックウェーブ』となり、魔物との距離が10メートルほどあるにもかかわらず斬撃が次々とヒット。それをさらに周囲に撒き散らし魔物を蹂躙していった。


「すごいな、ちょっちゅねさんの『獅子奮迅』てスキル技。これ、なんのスキルかわかる人〜?」


 などと、呟きながらDビジョンのコメント欄を観た。


——————————————————


:あれは『スキル:獅子神』というスキルの技ですよ

:『スキル:獅子神』だな

:『スキル:獅子神』

:獅子神っす


——————————————————


 すると、皆が俺の疑問にすぐに回答をくれる。


「いやぁ、Dビジョンのコメント欄ってすごいね。俺にわからないことがあっても質問したら誰かが教えてくれるし。ありがとうございます」


 そんなコメント欄に俺は真摯にお礼の挨拶をした。すると、


——————————————————


:仕事しろ

:仕事しろ

:オメガ仕事しろ

:ニートの俺でも言わせてもらう

 オメガ仕事しろ

:子供部屋おじさんの俺でも言わせてもらう

 オメガ仕事しろ

:仕事しろ

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 などと、俺が戦いに参加していないことに「オメガ仕事しろ」などとツッコミを入れる始末。


「やめてください、風評被害です。けっして楽だな〜とか思ってないです」


——————————————————


:そのセリフは思っている定期

:確信犯で草ぁwwwww

:言ってる言ってるww

:むしろ暇を持て余しているとさえ言える

 が、その結果が視聴者とのやり取りであ〜る

:あ〜るw

:いや、でも個人的にはオメガ様が俺らとこうして

 直接やり取りしてくれるのは嬉しいけどね

:ああああ、良いと思います!

 オメガ様は出なくて大丈夫です!

 ずっとここで私たちとやり取りしましょう!!!!

:オメガ様このままでいいんじゃないかな

 ソフィお姉様もそう言ってるし

:↑ ソフィア・ナイトレイ様とエレにゃんなんだよなぁ

:わかりすぎワロチwwww

:なんならエレにゃん、「ソフィ⋯⋯」て溢れてるしww


——————————————————


 さて、そんな視聴者とのやり取りの中、前面では皆が敵をバッタバッタと倒している。前進は続く。



********************



——49階層『下層最深部』


「あ、喋る魔物かな?」


 ここで下層の階層ボスである『ラッシュマングース』という人型のマングースが出現した⋯⋯が、


『ココハ通サナイ』


 などと言葉を発してきた。喋る魔物である。


「あい、あのラッシュマングース⋯⋯喋る魔物に取り込まれているみたいだねー。ラッシュマングースはあんな腕4つも持ってないさー」


 とは、ちょっちゅねさんの弁。


——————————————————


:在来の魔物が取り込まれているのか

:喋る魔物って魔物とは協力関係なの?

:さあわからんな

:むしろ利用されてるんじゃね?


——————————————————


 うむ。確かに喋る魔物はダンジョンの在来魔物とどういう関係なのだろう?


 喋る魔物はそもそも女帝マーレたちが作り出したものと櫻子たんは言っていた。ということは、現代(ここ)の魔物を利用して作ったと考えれば『喋る魔物』からすると『在来魔物』は仲間というよりかは『道具』という感覚なのかもしれない。


 そんなことを考えていると、


——————————————————


:そうですわね。今わかっていることは

 喋る魔物と在来魔物の関係性は『協力関係』というよりも

 喋る魔物のための『道具』という線が濃厚ですわ

:ソフィア様、キターーーー!

:こんなめちゃめちゃ信憑性の高い言葉がかつてあっただろうか、いやない


——————————————————


「へ〜そうなんですね」


 喋る魔物と在来魔物との関係性が自分の考えていたことと同じだった。ちょっと嬉しい。


 さて、そんな目の前の魔物は喋る魔物⋯⋯ではあるが、しかし『カタコト』の喋りということは、バロンほどの強さはないだろう。おそらくさっきの試作100号改って奴程度かそれより強い⋯⋯てことかと思われる。


 というわけで、早速参戦しようと思ったら、


「「「「「どりゃぁぁあああぁぁあああぁぁあ!!!!」」」」」


『ガ⋯⋯ガァァァッ!?』


 過疎化ダンジョン凸り隊全員で一気に喋る魔物を倒した。登場して間もないスピードで倒すって⋯⋯あ、もしかして、


「へへーん! 実はここにきてレベルが3つも上がりましたからね〜」

「俺は2上がったな」

「レベルが4つ⋯⋯上がった」

「うん。私もレベル⋯⋯3つ上がった」


 脅威の報告だった。おそらく在来魔物の魔物活性(スタンピード)が彼らのレベルアップに貢献しているのだろう。


「ワンも2つ上がったさー。ずいぶん久しぶりさ〜」


 なんとちょっちゅねさんもレベルが2つ上がったとのこと。たしかちょっちゅねさんはS級探索者(シーカー)って言っていたけど、そんな人が2つもレベルが上がったって⋯⋯。


 あ、喋る魔物倒してたっけ? やはり喋る魔物を倒したら経験値が豊富なんだな。S級のレベルってどのくらいなんだろ?


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