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149「合流〜そこはカオスと化した〜(1)」



「はーっさ。やっとオメガに追いついたさー」

「ちょっちゅねさん!」


 ここでついに全員集合となると、俺たちや『過疎化ダンジョン凸り隊』の皆さんは各々がこれまでの経緯を説明。


「す、すごい⋯⋯りんなの腕が完全に復活してる⋯⋯」

「うん。オメガ様が直してくれた。オメガ様尊い⋯⋯」

「すごいよ! だってりんなにあの伝説上のエリクサーを惜しげもなく使ってくれたんだよ。もうビックリだよ!」

「こ、こっちでも、オメガ様が私と越智君のためにエリクサーを使ったの」

「オメガって⋯⋯一体何者だよ」


 などと、過疎化ダンジョン凸り隊ではオメガの『惜しげもなくエリクサー登用』の話で持ちきりだった。そして、タケルたちの方はというと、


「はっしぇびよい! 自己回復する喋る魔物がいたわけ!? そんな個体初めて聞いたさー!」

「オメガ様ー! カルロスさん以外の私たちはここに来るまでに魔物との交戦が何回かあったんですけど、それでレベルが1つ上がりましたー!」

「カルロスさんがいっぱいスキル持っててビックリしたよねー!」

「うん⋯⋯強力なスキル使って無双してた」


 と、ここに来るまでに『戦乙女(ヴァルキュリー)』たちがレベルが上がったことや、ちょっちゅね具志堅が魔物との戦闘で『スキルマニア』と呼ばれるだけのことはあるといった話で盛り上がっていた。


 そして、タケルはというとカルロス具志堅と、


「えー、そうなんですかー。俺もちょっちゅねさんのいろんなスキル見たかったなー」

「あい、大丈夫よー。これからはワンが先頭で戦っていくからその時に見ればいいさー」

「マジっすか!? それはありがたいです。いやー楽しみだなぁ」


 と、お互いが軽口でやり取りしていた。すると、


「カ、カルロス具志堅さんっ!!」

「ん?」


 ここで越智が二人の前に現れると、少し緊張した面持ちでカルロスに挨拶をしてきた。


「は、初めまして! お、俺、『過疎化ダンジョン凸り隊』というクランのリーダーをやってます、越智大輔といいます!」

「あい、おつかれさー。オメガが来るまでよく二人だけで喋る魔物相手に踏ん張ったねー。すごいさー」

「い、いえ、そんな⋯⋯。俺たち二人ではあの喋る魔物には⋯⋯いや、仮に全員がいたとしても勝てなかったです。正直オメガがいなかったら、俺たちは命を落としてたと⋯⋯思います⋯⋯」


 と、越智が悔しさを滲ませた表情でカルロスに返答する。


「そうねー。それにしても君たち『過疎化ダンジョン凸り隊』でも勝てないとはその喋る魔物は強い相手だったんだねー」

「えっ?! お、俺たちのこと、知ってるんすか!」

「もちろん知ってるさー。琉球ダンジョンも過疎化してたからもしかしてもうそろそろ来るかもと思っていたよー。なんせ、君たちは有名だからねー」

「す、すげぇ、俺たちのこと知ってたなんて⋯⋯嬉しいっす! 握手いいっすか?!」

「あい、全然いいよー」


 カルロスがそういうと越智が嬉しそうにガッチリと固い握手をした。


「へー、やっぱちょっちゅねさんはすごいんだなー」


 タケルがそんな二人のやり取りを横目で見て呟くと、


「ふふふ⋯⋯オメガ、私も少しは有名人やんどー」


 ドヤ顔でタケルに返答するカルロス。そんな各々が言葉を交わしていると、


「す、すみません、オメガ様! 今、こっちのDビジョンのほうで櫻子様やソフィア様たちから『こっちを無視するな』というコメントが上がっていますので、そっちのDビジョンで対応をお願いしますー!」


 と、百合姫こと及川があわあわと慌てふためきながらタケルにDビジョンの対応を懇願してきた。


「あ、はいはい」


 ということで、タケルが自分のDビジョンに目を向けると、


——————————————————


:おい、オメガ! さっきの配信の前に一体何が起こっていたのじゃ!

 ていうか、配信していないところで何をやらかしたのじゃ! 説明するのじゃ!

:あああああ、本物のオメガ様だぁぁぁ!!

 わたしくソフィア・ナイトレイというしがない探索者(シーカー)やっておりますー!

 画面越しでコメントだけとはいえ、きちんと挨拶できたこと恐悦至極にございますー!

:ソ、ソフィア様! 地が漏れてます!! 落ち着いてくださいませ!!! 


——————————————————


 と、及川の言ってたとおり櫻子たんの脅迫コメントが入っていた。あと、探索者(シーカー)の世界ランカーの凄い人たちが最初のときよりだいぶ雰囲気が変わっていた。


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