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147「俺たちの櫻子たん降臨」



「お、おい、オメガ⋯⋯!」

「ん?」


 俺が試作100号改をまた『だるま状態』にしようとしたその時、越智さんに声をかけられた。


「い、今、配信のコメント欄に櫻子様から『オメガを呼べ』てコメント出てるぞ!」

「え!? 櫻子たんが?」


 ということで、Dビジョンに目を向けると、


——————————————————


:おい、オメガ! 早よ気づけ!


——————————————————


「あ、櫻子たん。チーッス」


——————————————————


:チーッスじゃないわい! あれほど配信は控えろと言ったじゃろが!


——————————————————


「い、いやぁ、だってね? 俺が来た時にはすでに『過疎化ダンジョン凸り隊』の配信カメラが回っていたからさぁ⋯⋯。で、じゃあせっかくだから俺も配信しようかなぁと⋯⋯。不可抗力です」


——————————————————


:不可抗力じゃないわい!


——————————————————


「あう⋯⋯」


 なんかめっちゃ怒られた。


 ちなみに、櫻子たん以外の他の視聴者さんは空気を読んでコメントをしないでくれていた。民度高いな。


——————————————————


:とはいえ、今回は仕方ないのもわかるから特にお咎めはしないがの


——————————————————


「あざーーっす!」


 やった、許してもらえたん。⋯⋯と、俺が安堵していると、


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:ちょっと櫻子様! 一言物申したいのですが!


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 突然、櫻子たんに喧嘩腰のコメントが入ってきた。


——————————————————


:ん? 誰じゃ?

:僕はイギリス総本部のエレーナ・ツヴァイコフです


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 エレーナ・ツヴァイコフ? 誰?⋯⋯と一人首を傾げていると、


「え、ええええっ!? エレーナ・ツヴァイコフだと!」


 突然、越智さんが驚きの声を上げる。


「⋯⋯知ってるんですか?」

「いやあんた、知らないのかよ!!」


 うむ。だから聞いているのだよ?


「エ、エレーナ・ツヴァイコフは⋯⋯イギリス総本部所属の探索者(シーカー)で、探索者(シーカー)世界ランキング第6位⋯⋯ナンバーズの一人です!」


 ここで、及川さん⋯⋯えーと『百合姫』と呼ばれている『キレイなお姉様』が色々と教えてくれた。


「え? すごい人じゃないですか?」

「そ、そうです! すごい人です!」


 ふ〜ん。でも、そんな有名人がなぜ俺の配信に? そして、なぜ、櫻子たんと一触即発な感じになってるのん?


「い、いやいやいやいや⋯⋯! エレーナ・ツヴァイコフはお前のファン⋯⋯『オメガ様ガチつよ勢』のトップの人だぞ?! なんで、その張本人のあんたが知らねーんだよ!!」

「え? い、いや⋯⋯そんなこと言われても⋯⋯⋯⋯あーーー!」


 思い⋯⋯だした!


 あれか! 俺のファンを名乗る『非公式組織』の⋯⋯電波ジャックした⋯⋯。


 そうだ! この子⋯⋯あの時の可愛い美少女(・・)『エレにゃん』じゃないかぁぁ!!!!


 そんな、『美少女(・・)エレにゃん』を完全に思い出し驚いていると、


「ちょ、ちょっと待って! コメント欄で櫻子様とエレーナ・ツヴァイコフが激しくぶつかってるんですけどぉ!!」

「「え?」」


 及川さんの言葉を聞いて、俺と越智さんがコメント欄を覗くと⋯⋯、


——————————————————


:だから〜! 僕はただオメガ様の配信をですね!

 毎日配信にして欲しいって言ってるだけなんです!

 それくらい日本のトップである、のじゃロ⋯⋯櫻子様なら

 造作もないことでしょう!

:おい? お主いま『のじゃロリ』と言おうとしなかったか?

:そんなこと今は重要ではありません!

 それよりもオメガ様の毎日配信を認めてください!

 これは我ら『オメガ様ガチつよ勢」全員の総意です!!


——————————————————


 と、エレにゃん櫻子たん相手に一歩も引かずに応酬していた。しかも、さっき『のじゃロリ』って言おうとしてたのを⋯⋯普通にしらばっくれやがった!


 この子⋯⋯エレにゃんメンタルつよつよだな、おい。


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:それに櫻子様⋯⋯お忘れですか?

:何をじゃ?

:オメガ様の記者会見前にいろいろと⋯⋯

 イギリス総本部(こちら)に『貸し』がありますよねぇ?

:うっ!?


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 お〜と、エレにゃんの言葉に櫻子たんが初めて怯んだぁ!


 ちなみに、その『貸し』てのはおそらくあの⋯⋯『動画非公開の件』だろうな(※68話参照)。


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:し、しかし⋯⋯しかしじゃな⋯⋯

:ふふ⋯⋯形勢逆転です。僕の勝ちですよ、櫻子様ぁぁ!!!!


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 と、ここでエレにゃんが勝利宣言をあげた⋯⋯その時だった。


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:ちょ?! 待っ⋯⋯ぁじゅえいあがげあげ!


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「ん? な、なんだ?」


——————————————————


:あてげあ;lふぁpーpてぱえあ#


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「おーい、櫻子たーん」


 何やら櫻子たんの入力がうまくいってない様子だったので何度か声をかけてみた。すると、


——————————————————


:オメガ様、初めまして

 わたくし、ソフィア・ナイトレイと申します

:ヨウ・リンファと申します


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