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146「オメガ様を怒らせてはいけない⋯⋯いいね?」



——30分後


『殺シテクダサイ、殺シテクダサイ、殺シテクダサイ、殺シテクダサイ、殺シテクダサイ、殺シテクダサイ⋯⋯』


 タケルや越智、百合姫こと及川ら3人の目の前で試作100号改が体を震わせながら「殺シテクダサイ」を連呼・懇願していた。


 また、これまでの30分間ずっと『両腕・両足が生えると切り飛ばす』という鬼畜ムーブを繰り返したタケルを観続けていた視聴者たちからも、


——————————————————


:も、もう、いいんじゃないですかね、オメガ様⋯⋯

:ほ、ほら、試作100号改くんもこう言ってることですし

 ここは一つ穏便に⋯⋯

:そ、そうそう⋯⋯! それにほら、彼の腕と足も

 いよいよ生えるスピード落ちましたし、だからもう⋯⋯ね?

:え〜〜〜〜⋯⋯もっとやっていいよ〜!

:うん。エレにゃんは少し黙ってよーね

:エレーナたん、ハウス!

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 と、タケルにどうにかやめてもらおうと訴えていた。⋯⋯一人の『男の娘神』を除いて。


「オ、オメガ⋯⋯もういい、もういいよ! お、俺たちのために⋯⋯そこまでしなくていいから⋯⋯!」

「そ、そうです、オメガ様! も、もう十分⋯⋯私たちのためにやってくれたことは伝わってますから!」


 そして、すぐ後ろでオメガの一方的な制裁を見せられていた越智と及川も、タケルを何とか止めようと言葉をかけた。すると、


「え? あ、ああ⋯⋯そうでしたね。これって『二人のため』っていう名目(・・)でしたね」


 タケルは、いま試作100号改に制裁を加えている理由を『二人に言われて』思い出すと、そのまま感想を口にする。


——————————————————


:名目ww

:め い も く wwww

:ここまでやっておいて『制裁理由』忘れていたの草⋯⋯と言いたいところだが

 忘れていたということはこれまでの制裁中のほとんどはオメガ様のただの

 怒りの吐け口だっただけという事実にガクブルで草

:↑ 俺たちの気持ちを代弁してくれてサンクス

:まさにその通りなんだよなぁ

:もちろん「二人のため」もあるとは思うがそれ以上に

 試作100号改の所業があまりに理不尽でムカついたってことだろ?

 ぶっちゃけ『過疎化ダンジョン凸り隊』大ファンな俺としては

 ヨユーで共感できるわ

:うむ。「いいぞもっとやれ」さえある

:いいぞ〜、もっとやれ〜!!!!

:うん、もう少し黙ってよーね。エレにゃん

:エレーナたん、ふせっ!

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯



——————————————————


「あ、すいません。でも⋯⋯個人的にまだ終わらせる気はないかなぁ」

「「⋯⋯え?」」

「だって、わからせなくちゃ。⋯⋯たかが魔物のくせに人間を『虫ケラ』のように考えるような奴らには(ニコ)」

「「ひぃぃっ!?」」


 タケルがそう言って二人にニコッと嗤う。しかし、そんなタケルの満面の笑みの裏に『大きな憤り』を感じた二人は思わず息を呑む。


——————————————————


:守りたくないその笑顔

:こっっわ

:ひぇ

:ひぇ

:オメガ様にとって喋る魔物の試作100号改が

 越智さんと百合姫を弄んだ光景は相当ブチギレ

 案件だったということか

:正直俺はそんなオメガ様はかっこいいと思うしマトモだと思う

 だってもしオメガ様がいなかったら今頃俺たちは試作100号改による

 越智さんと百合姫の虐殺シーンを観せられていたんだからな

:たしかに

:たしかに

:そうだよ! 俺は最初のあのりんなちゃんの腕を試作100号改が

 無慈悲に斬り飛ばした光景が今でも脳裏に焼きついている!

 だからオメガ様の試作100号改への制裁ははっきりいって

 メシうまの何物でもないわ!

:そうだよ。元々オメガ様がここに来る前は試作100号改が

 舐めプしながら越智さんと百合姫を弄んでたんだぞ!

:なんかこいつが越智さんと百合姫にしたこと思い出したら

 たしかに試作100号改に慈悲なんていらねーな

:やれー! オメガ様やったれー!

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 配信のコメント欄がいつの間にかタケルの凄惨ムーブを賞賛する流れに変わっていく。⋯⋯そんな時だった。


——————————————————


:それまでじゃ、オメガ

:え? 誰?

:は? オメガ様にタメ口とか? は?

:ふ〜ん? 随分上からじゃん? 何様よ?

:何様? ワシは櫻子()じゃ

:っ!!!!!!!

:っ!!!!!!!

:っ!!!!!!!

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 突然『櫻子』が降臨したことで配信のコメント欄が一気に『!』で埋まった。


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