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142「オメガちゃんねる第3回配信」



「ん? あれって⋯⋯配信用ドローン?」

「え? ああああっ!?」

「ど、どうしたんですか?!」

「⋯⋯今、配信中だった」

「え? そうなんですか?」

「ああ。これまでの一部始終⋯⋯ていうか現在進行形で配信中なんだが、オメガって配信に映っても大丈夫なんか?」


 クランリーダーの越智さんが心配そうに声をかけながらDビジョンを出して配信を見せてくれた。


——————————————————


:あ! やっと、こっちに気づいてくれた!

:うわぁぁぁ本物のオメガ様だぁぁぁ(歓喜震え)

:マジでオメガ様降臨とか俺得すぎるんだが?

:オメガ様ぁぁ! 越智さんと百合姫を

 助けてくれてありがとうぉぉ!!!!

:二人を助けてくれて感謝ですぅぅっ!!!!

:うおおおお! オメガ様ぁぁ!!!!

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 越智さんの言っていた通り、ずっと配信されていたようでDビジョンに映るコメント欄には「二人を助けてくれてありがとう」といったコメントが多く寄せられていた。


 それにしても、うーむ⋯⋯実際どうなんだろ、これって?


 本来、ここに来たのは『戦乙女(ヴァルキュリー)』たちのレベル上げが目的で〜、でも配信はしないでって櫻子たんが言ってて〜、でも現状すでに他の探索者(シーカー)の配信に映っているわけで〜、だったら自分のチャンネルでも配信したほうが金になるし〜⋯⋯ということで、


「そうだ、配信しよう!」

「「え?」」


 タケルが「そうだ京◯、行こう!」のノリで『ストレージ(最高)』から配信用ドローンを取り出す。


「えっ? いま、どっからドローン出したっ!?」

「ま、まさか⋯⋯『ストレージ』のアイテム持ち⋯⋯?」


——————————————————


:お、おい⋯⋯いま、何もないところから

 配信用ドローンが出てきたように見えたのだが

 ⋯⋯気のせいだよな?

:奇遇だな。俺も同じ光景を見たのだが?

:ちょ⋯⋯! いまのって『ストレージ』アイテムなのでは!?

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯

⋯⋯


——————————————————


 二人や凸り隊視聴者が驚く中、タケルは特に気にせずさっさと配信を始める。


「はい、おまっとさん。オメガちゃんねる、第3回目配信でございます」


——————————————————


:ん? なんかはじまった?

:この時代に『キンキン』の「はい、おまっとさん」の

 使い手なんて⋯⋯一人しかいないだろ?

:あれ? オメガ様?

:ん? そこってどっかのダンジョン?


——————————————————


 いきなり配信が始まった『オメガちゃんねる』に、たまたま配信を見つけた視聴者が戸惑いのコメントとともに反応する。


「え〜と、今ですねぇ⋯⋯沖縄県はうるま市にある『琉球ダンジョン』に来ております〜」


——————————————————


:琉球⋯⋯ダンジョン!?

:また唐突なwww

:唐突にも程があるww

:オメガ様だぞ? 唐突定期

:いや琉球ダンジョンって、たしか喋る魔物の出現が

 多発しているからって探索者(シーカー)

 寄り付かなくなった過疎化ダンジョンだったよな?

:そうそう。なんでも本来出現する70階層以上じゃなく

 低階層でも喋る魔物が出現するって噂があって、それで

 危険度が上がったから探索者(シーカー)が近寄らなくなったという

:うむ。だから、過疎化ダンジョン凸り隊の出番⋯⋯てことだったわけだが

:でも、そんな危険度が上がっている過疎化ダンジョンに何でまた⋯⋯?


——————————————————


「えっと⋯⋯琉球ダンジョンによく喋る魔物が出るので、ちょっくら戦乙女(ヴァルキュリー)さんたちのレベル上げと喋る魔物退治を兼ねてやってきた次第でありますねぇ」


——————————————————


:あー、そういやオメガ様と戦乙女(ヴァルキュリー)って

 櫻子様直属の探索者(シーカー)クランだったな

:喋る魔物退治を兼ねた戦乙女(ヴァルキュリー)らの

 レベル上げとはまた命知らずなww

:いやちょっと待て?

 もしかして、あんたぁ⋯⋯戦乙女(ヴァルキュリー)

 レベル上げに喋る魔物は経験値高いからちょうどいいとか

 ⋯⋯そんな舐めプな話じゃないよねぇ?

:ま、まさかぁ〜! いくらオメガ様でも

 喋る魔物何匹も相手にそんな舐めプできないだろ?

 ⋯⋯え? できないよねぇ?


——————————————————


「おお、すごい! 名推理ですね!」


——————————————————


:当たってた⋯⋯

:当たってて草ぁぁwwwww

:大 正 解

:大正解で草ぁぁぁwwwwww

:いや嘘ぉぉwww

:これだからオメガちゃんねるはやめられない

:舐めプ定期


——————————————————


「あと、ちょっちゅね具志堅さんも一緒です」


——————————————————


:何⋯⋯だと!?

:あの『190センチ色黒筋肉だるまアフロヘアーちょびひげおじさん』か

:二つ名長過ぎぃぃwwww

:クセ盛り盛りで草ぁぁwwww

:また濃いメンツで⋯⋯(遠い目)


——————————————————


「今はいないですが、のちほど合流予定です」


——————————————————


:合流楽しみww

:合流ワクテカww

:オメガ様とちょっちゅね具志堅の絵面⋯⋯

 今から楽しみでしかないwwww


——————————————————


 そんなチャンネル視聴者と呑気に会話をしていると、


「っ?!」


 背後から砕いたはずの(・・・・・・)試作100号改の両腕が突然襲いかかってきたので、俺はそれを飛んで躱す。


『ハハハハハ! 余裕コイテトドメヲ刺サナカッタノハ失敗ダッタナァ!! ワタシノ腕ハ少シノ時間ガアレバ再生スルノダァァッ!!!!』

「⋯⋯」

『チナミニ腕ダケジャナイゾ? ワタシノ体全体モ再生スル』

「⋯⋯」


——————————————————


:えっ?! あの腕ってオメガ様がさっき砕いたんじゃ⋯⋯?

:どうやら時間があれば復活するらしいな

:マジか?! それって実質無敵なのでは?

:吸血鬼の再生ボディみたいなもんか?

:大丈夫⋯⋯だよな?


——————————————————


「へー、そうなんだ。だったら⋯⋯」

『???』

「お前を何度も(・・・)痛めつけられるってことだよなぁ〜?(ニチャァ)」


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