表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

123/197

123「カルロス具志堅(ちょっちゅね具志堅)登場!(2)」



「いや〜、めーぬオメガの配信見たけど、あの『喋る魔物』相手にあそこまで圧倒するんでぃ、ありえんどー!(いや〜、前のオメガのは配信見たけど、あの『喋る魔物』相手にあそこまで圧倒するなんて、ありえないよー!)」


「ていうか、『喋る魔物』とおーらせーするめーぬ、下層の魔物も相手にならない感じだったし⋯⋯あと、下層最深部にいく速さも、ゆくしやさにってレベルで尋常じゃなかったんどー!(ていうか、『喋る魔物』と戦闘する前の、下層の魔物もまるで相手にならない感じだったし⋯⋯あと、下層最深部にいく速さも、嘘だろってレベルで尋常じゃなかったなー!)」


「あとよー⋯⋯」


 その後、しばらく⋯⋯3分くらい『いかにオメガが凄いか』を熱量マシマシで説明してくれた。ていうか、ぐいぐい来るな。


 あ、もしかして、この押しのつよさ⋯⋯というか距離感が軽くバグってる感じが『戦乙女(ヴァルキュリー)』が言っていた『ある意味やばい人』てことか。


 それにしても⋯⋯おかしい。このクセつよおじさんことちょっちゅね具志堅さん⋯⋯俺が下層で魔物と戦っていたとき手を抜いていたことや喋る魔物を圧倒したと話しているが、俺は前回配信時『何とか頑張って魔物を倒した感』を見事に演じ切った⋯⋯はず!


 なのに、このちょっちゅね具志堅さんは、そんな俺の迫真の演技を見抜いた⋯⋯だと?!


 この人、ただのクセつよおじさんじゃないってことか。


 すげえよ⋯⋯あんたすげーよ! ちょっちゅね具志堅!


 俺の演技を見事見破ったクセつよおじさんに感動した俺は気がつくと、


 スッ⋯⋯。


「ん? なんねー?」


 思わず、手を差し出していた。


「あんた⋯⋯やるな」

「な、なんねぇ⋯⋯?!(な、なに⋯⋯?!)」

「皆まで言うなし! とにかく、あんたすげえよ! だから、そんなあんたが沖縄でガイドをしてくれるなんて頼もしいし心強いよ! ありがとう、ちょっちゅね具志堅さん!」

「な、なんか、わからんけど⋯⋯、でも、オメガにそうやって言われるとワンもうれしーさ! ガイドはワンにまかちょーけー!(な、なんか、わからないけど⋯⋯、でも、オメガにそうやって言われると俺もうれしーよ! ガイドは俺にまかせとけー!)」


 そう言って、ちょっちゅね具志堅さんと俺はガッチリ固い握手を交わした。


 ああ、素敵な出会いをありがとう⋯⋯沖縄。


「素敵です⋯⋯オメガポッ

「そ〜お? 私にはなんかひどい勘違いが横行してるように見えるんだけど⋯⋯」

「あはははは! いや〜オメガ様、相変わらず面白いわぁ〜!」

「あああああ⋯⋯オメガさんがカルロスさんと意気投合しちゃったぁぁ〜!!!!」



********************



「あんしぇ〜、出発や〜!(それじゃあ、出発しますよ〜!)」


 ということで、『探索者(シーカー)ギルド沖縄支部』が用意してくれた高級ワゴンに乗り込んだ俺たちは、これまたギルドが用意してくれた運転手さんの運転で一路、『琉球ダンジョン』へと向かった。


「『琉球ダンジョン』は中部のうるま市にあるから、那覇空港からだとだいたい1時間半くらいはかかるさー」


 とのこと。


「あ、だったら『琉球ダンジョン』のこと、いろいろ教えてもらっていいですか?」

「もちろんさー。あと、ワンからもオメガにお願いしたいことがあるさー」

「え? 何ですか?」

「オメガのスキルとかスキルとかスキルの話、聞きたいさー!」


 おっとなんだ? ずいぶん『スキル』の話を押してくるな⋯⋯。


「あ、カルロスさんは『スキルマニア』といわれるくらい、スキルが好きですし詳しいんですよー!」


 俺がちょっちゅね具志堅さんの『スキル』の反応に戸惑っていると、横から亜由美さんがその理由を説明してくれた。痒い所に手が届く美少女⋯⋯それが『戦乙女(ヴァルキュリー)』のリーダー、亜由美さんだ。


「へ〜、そうなんですね!」

「まー趣味みたいなもんさ〜。スキルとか興味ある?」

「あります、あります! むしろ、いろいろ教えて欲しいです!」


 これは、ちょうどいい。この世界の『スキル』についていろいろと話を聞きたかったんだよな〜。ということで、俺はちょっちゅね具志堅さんにスキルのことをいろいろ教えて欲しいと懇願する。


「あい! オメガ、あんたやっぱいいね〜! それを言ったらワンもオメガのあの『喋る魔物』に使ったあの『大きな火の玉』⋯⋯、あれのスキルがどういうものか教えて欲しいさ〜!」


 すると、今度はちょっちゅね具志堅さんからも要望が入った。


 しかし⋯⋯『大きな火の玉』か。つまり、『魔法』のことだよなぁ〜?


 どうしよ?⋯⋯「あれ、魔法なんですよね〜」とは言えないからな〜。とりあえず、スキルとして説明しないといけないな〜。


 あれ? そうなると、いずれ「ステータス見せて」って話にならないか、これ?


 そうなったら『偽装(極)』でステータスのスキル欄に『大きな火の玉』に関するスキルを準備しなきゃ⋯⋯か。


「も、もちろん、いいですよ! あ、でも先に『琉球ダンジョン』の話を教えてもらってもいいですか? スキルの話は『琉球ダンジョン』から帰ったあとに、じっくりお話ししますので⋯⋯」

「おお! まかちょーけー! じゃあ『琉球ダンジョン』行ってダンジョン探索終わったあとは食事だから、その時に教えてやー!」

「は、はい⋯⋯!」


 よっしゃ! とりあえず、ステータス偽装する時間ゲット〜!


 まぁ、なんとかなるだろ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ