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第68話:男戦隊ガクシャレンジャー誕生


「もう遅いですよ」


みんなが一斉につっこむ。



「ごめんごめん。」



そこにいたのは見るからに中年の男性。




『この人、誰?』




入寮して4ヶ月以上経つがこの人を見るのは初めてだ。




僕の右隣りの人が



「吉田さん遅いですよ~。」


とひと言。




『吉田さん?


吉田さんってあの五十嵐さんがこの前いっていた人かな?』




「いや~。会議が長引いちゃってね~。いいから、そのまま続けてくれる?」




『会議ということは、ZANDの関係者。・・・・・そうだ。やっぱりそうだ。』




この前、五十嵐さんがキャンプの説明会の話を僕にした時、そう言えばこんな事を僕に言っていたことを思い出した。




「そうそうタケオ。


今度のキャンプの責任者ってのが、吉田さんという人だから覚えときな!」



「よ・し・ださん、ですか?」




「そう吉田さん。えっ知らない?」



「はい」



「そっか。まだ会ったことないんだ。ふむふむふむ。


まあ一度は会ってみた方がいいな。


吉田さんってのは、今はまだ表舞台に出てこないんだけど、


もうあと数年したらトップの座に着くだろうと言われてるZANDの影の実力者だからな」




「へえ、そんな人がいるんだ~」




「あっ!そう言えば、お前と同じく牧師の息子だったはず。お前も牧師の息子だし気が合うんじゃないのか?」




「えっそうなんですか?」




そう、僕はこう見えてもキリスト教、教科書で1度は出てくるプロテスタント教会の牧師の息子なのだ。



ちなみに同期の田端はというと、


仏教、浄土真宗のお寺の息子さん。



ひとつ屋根の下で、教会とお寺の子が一緒に暮らしているのは


たぶん他ではお目にかかれない現象だと思う。




しかも、ただ一緒に住むだけならまだしも、


これが信頼し合える親友として、


また共に戦う同志として、


これからを共に歩んでいくのだから摩訶不思議。




それから・・・・・もう1人忘れてはならない重要人物がいる。



それは、今のところあまり登場しないせいか、影の薄い存在になりつつある留学生の白力勲。




僕が牧師の子で、




田端はお寺の子、




白はというと・・・・・




特に思い当たるものはない。




それではなんとなく歯切れが悪いという事で、


田端がじきじきに命名した名前がのちにつけられることに。




その名称は、



ズバリ!



大地の子。





なぜ「大地の子?」と思うかもしれないが、



それは、白が【中国のあの広大な大地ですくすくと育ったことだろう】


ということからこの名前がつけられた。





しかし、白は


「そんな大地で育ったことねし、見たことねーよ」



と、この名を嫌がっていたものの



そんな事はもちろんお構いなく、いつの間にか三人の名前が特撮【戦隊シリーズ】のように出来上がった。



タケオ!牧師の子







田端!お寺の子








そして





白!大地の子







3人そろって、



【 牧・寺・大地の子!!!!!! 】



てな感じで。




ちなみに、4年後の最終決戦の際、3人の結束の表れとしてこの名前が本当にインターネット上で公開されることとなる。




ともあれ五十嵐さんにそう言われたときは、



「あっそうなんですか!」



と、牧師の子という共通点であることも手伝って、


まだ吉田という人物に会ってはいなかったものの、なんとなく親近感がわいた。




そして、実際にこうして夏キャン説明会で会ってみると、


五十嵐さんから聞いたときは、影の実力者と言うからゴツイ人物かなと思ったりもしたのだが、、、、



・・・・とても笑顔の絶えない、いい人だった。





しかしこの2年後、吉田&ZAND組織と


真理寮存続をかけ相対する事になってしまい、法曹界・霞ヶ関・マスコミを巻き込む壮絶な戦いとなっていく・・・本当は戦いなんか望んでいなかったのに



まさに牧師の子&世界的組織ZAND vs  ちっぽけな寮の牧師・お寺・大地の子&寮メンバーの戦い。



―望まなくても戦わなければならない時があったんだ―



けれども、そんな事が起るなどと到底、この時の僕は知る由もない。






まあまだちょっと先のお話なので当たり前なのだが・・・・。




時に、このときの僕の旬の話題は、説明会に合流した女の子達とどう仲良くしようかということだった。



はああ、どうしようもない僕でした。。。。



つづく。



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