表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/70

第64話:ジンクスを打ち破る


そう、そのジンクスとは、真理寮にまつわるものだ。


当時、真理寮にはこんなジンクスがあった。


それは、



【真理寮に入寮したら彼女ができない】



というものだ。



ちなみに、今現在の寮はそんな事はなく、彼女がいる寮の方が多いようで・・・うらやましい限りです。




僕が在寮していた当時は、事実12人の血気多感なヤローどもがいるにも関わらず、誰一人として彼女がいなかった。



しかし別段、寮生全員、容姿に問題があるわけでもなく、逆に中より上の奴らが集まっているはずなのにこれまた彼女ができない。



じゃあ内面が悪いのかというと、そういうわけでもない。



なのになぜか彼女ができないのだ。



今振り返ってみて思う事は、このジンクス・・・人為的なものも絶対あったんだと思う。



というのは、


彼女がいない事を後押ししていた学舎の1グループの存在があった。



その名は、


通称:SMD


これは寮の有志で作られたグループ



この意味は、



【真理モテない同盟】




これをローマ字で書くと



Shinri Motenai Domei




そしてこのローマ字から頭文字をとって



SMD



このSMDの代表は、後藤田さん。



彼女のいない僕は、当然のことながら後藤田さんに勧誘された


「お前もSMDに入らない?」



「なんですか?SMDって」




「真理モテない同盟」



「嫌です。絶対、嫌です」


僕は即答だった。



「でもお前彼女いないんだろ?


それに・・・・(僕をじろっと見ながら)



できそうもないし」


とポツリ。



『大きなお世話だ!』と思いつつ



「絶対嫌ですよ。そんなのに入ったら逆に、彼女ができるものもできなくなっちゃうじゃないですか~」



「まあまあ!彼女がいなかったら必然的にSMDに入っていることになるんだし・・・あはははは」



「ええええ~!なんですかそれ!?」


なんとなく僕は馬鹿にされたようで、



『絶対彼女を作ってやる!SMDなんて』


とその時は彼女を作ってやる!と気合い十分だったのですが・・・





十分後、





ゼルダの伝説ゲームに熱中していた。




けれども、人間とは面白いもので、一度気にしてしまうと、全く本質でないものでも自分にとって本質のように思えてくるものだ。




僕もなんとなくこのSMDの存在が気になっていた。



しかし、SMDを気にしたら最後、その魔の手にかかってしまうというのに。



そして僕は、


六本木パーティ事件も手伝って



いつの頃かSMDに



ちゃっかり



・・・・入っていた。




そしてショッカー(仮面ライダーに出てくる雑魚キャラ)の大幹部への宣誓のように


『いいんです!彼女いなくたって生きていけるんです!』


と、僕も心で誓いを立て、この四ヶ月間、【彼女を作る】という大事な事を完璧に忘れていたのだった。



しかし、四ヶ月目にして初めて知らされたキャンパスライフの実情。


否応にも大学構内を歩くとカップルの姿が目につく。



講義中も肩を寄せ合うカップル。



食堂でも寄り添って座るカップル。



ベンチに座りながら見つめうカップル。



図書館でも仲良く一緒に座り勉強に取り組むカップル。



トイレでも電話をしながら愛を確かめ合うカップル。



どこもかしこもカップルだらけ。


一方の僕はというと、


講義中、うたた寝をして隣の見知らぬ男性に寄り添う僕。



食堂で給食のおばちゃんを見ながら、そばを食う僕。



ベンチに座りながら牛乳をストローで飲み干す僕。



図書館でウォークマンで音楽をガンガンに聴きながら1人勉強に取り組む僕。



トイレで電話をしながら愛を確かめ合うカップルに、


『チッうるせいな~』と舌打ちしながら、目を細める僕。




暗い・・・cry



暗い・・・cry



暗すぎる・・・cry ,cry, cry



僕のキャンパスライフは実に暗すぎる!



僕は危機感を覚えた。



このままでは、4年間ズルズルとSMDに入ってしまい、遂にはその長になっている自分の姿が簡単に想像できる。



『ダメだ。ダメだ。ダメなんだ。そんなんじゃダメなんだ。』



そこで、僕はある決心をすることに。



『僕が高校時代に描いていたキャンパスライフはこんなものではなかったはずだ!


もっとこう、僕が運動系サークルに入って日の光をあびながら練習に取り組む。


そしてその汗が太陽のひかりでキラッと光る。


そしてそこにひとりの女性がやってきてそっと持ってきてくれたタオルで僕の汗をぬぐってくれる・・・・


これが青春のはず・・・なのに現実はどうだ!


カップルを見ると目を細めてしまう始末。


あーーーー!こんなの俺の理想のキャンパスライフじゃないよ。じゃないんだよ!!


SMDなんてどうでもいいじゃないか!六本木のパーティ事件なんてどうでもいいじゃないか!


僕は、今!そして!このとき!彼女がほしいんだ!!!!』



と心機一転、SMDのショッカーから脱却し健全なキャンパスライフを送ることを誓ったのである。



そしてあの出来事はそんな矢先に起ったんだ。


つづく



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ