第六話:ユーモアな街
トウルルルルーートウルルルルーー。ガチャ
「もしもし、あー姉ちゃん。・・・・」
姉にこれまでの事情を話し、とりあえず夕方なら空いているということだったので会うことにした。
そして一通りの電話は終わったので、僕は管理人室に戻った。
しかし、『管理人さんになんて言えばいいんだろう??今の今までやさしく部屋を案内してくれた管理人さんを傷つけてしまうのではないだろうか』
とても言いづらかったが、、、、、、しかし勇気を出して
「あの~本当に申し訳ないんですが、両親とも相談したんですが、違うところを探すことにします。本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした!!」
深々と頭を下げた僕。
『管理人さん!本当にごめんなさい』と心で叫んだ!!
それを聞いた管理人さんは
「そっか~残念だね。いい大学生活が送れるよう祈っているよ。」
『うっ!あっさりしすぎーー!』
次の言葉がでなかった。
『社会の風って冷たいんだな~!!』
ちょっと社会がわかった気がした。
そんな沈黙もありながら、
あっさりフランス人風日本人の管理人さんと別れた後、ちょっとだけこの物件の事を後悔しながら、姉と待ち合わせることになっている高田馬場駅にむかった。
「高田馬場」・・・それは、パソコンで「たかたのばば」と打つと必ず「高田の馬場」となり、「たかたばば」と打つと「高田馬場」となるちょっと不思議な駅。
誰もが初めてそこを通ったとしたら、耳を疑う駅。
「次は、たかたのばばあ~たかたのばばです」と車内アナウンス。
『えっ!高田の婆あ??ばああ。
なんでこんな都会にばばあだなんて・・・ヤマンバみてー。都会はやっぱり違うな~』
でもおっかしいなと思い路線図に目を凝らすと・・・・字が違っていた。
高田婆あではなく、高田馬場だったのだ。
『なーんだ、ばばあは、ばばあでも馬場かよ!』
『うんっ??? 高田馬場。高田の馬場。馬バ。ばば・・・ジャ・・ジャイアント・・馬場にどことなしか・・・』
「高田馬場」なんともユーモア溢れる駅だろう!
ただの駅名なのに、1度ではなく2度も。いや何度もおいしい!!。
こんな駅、東京中探しても絶対にない。
実は、この高田馬場駅の名前だけでも東京を知らない田舎では結構いいネタになる。
そんなこんなで僕は、不思議スポット高田馬場に着いた。
そこで姉に会い、少し緊張しながら真理寮という寮に向うのであった。