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第43話:寮旅行出発のその日に


「ああの~鈴木さん!」






「なにっ、なにっなに!今話しかけんな!」






「ででも、そんな事いっても・・・・・やばすぎますよ。






こんなに早く・・・」








「そんな事言ったって、しょうがないだろうが~だって前の車が・・・」






「そうりゃあそうなんですが、、、、、って鈴木さん、前、マエ、まえ~~~っっ」







「えっ??おっおっおおおお~」






「ハンドル、ハンドル、ハンドルっ!!」





僕らは叫んだ。






そして




「やばい。




やばいっ。



やばいっっ。




これやばいっって!!」





「おおおおおお~~~だああ死ぬーーー」





僕らは恐怖で青ざめた。





キキキーーーーーーーーーー






山道にブレーキ音がこだまする。





-数時間前-




「さあ今日は寮旅行だ~!みんな起きろ~!」


後藤田さんの号令が寮中に響き渡る。


すると、



ガチャ。



ガチャ。



ガチャ。



それぞれの部屋のドアが開き、寮生達が寝ぼけた顔でゾロゾロでてきた。



その中で僕は、睡眠を充分にとり、いつでも出発できるようばっちり準備を整え部屋を出たのだった。





そう今日は、僕の待ちに待った寮旅行の日なのだ。




「おう、タケオ!準備が早いな~」

と、ニッコリ笑顔に後藤田さん。



「はい!寮で初めての旅行ですし、宿泊先で寝不足になって遊べなくなったら嫌ですしね。」

と、僕。




「そうか。そうか。それじゃあ、宿泊先で大いに遊ぼうぜ!」




「ハイッ!」


僕はテンション高めにそして、張り切って答えた。






「あっそうそう。それから、談話室のソファーで寝ている奴、全く起きる気配がないから起しといてくれ」




「えっ?まだ寝ているやつがいるんですか?」










僕は後藤田さんに言われたとおり談話室に行くと、案の定、ソファーで寝ている奴がいた。





しかも奴は毛布を体全体に巻きつけ、【モゾモゾ】とイモムシのように動いていた。





『今日は旅行だっつうのに、まだ、寝てんのかよ!』



と、僕は思いつつも




「ほら起きてっ!もうすぐ出発する時間ですよ~」


と、優しく声をかけ、そして毛布の端をつかみ、ゆっくりと毛布をひっぱった。





グッ



「あれっ!?」




毛布がひっぱれない。





『クソッ、もう一回』




僕はもう一度、毛布をひっぱった。




ググッ



びくともしない。




そう毛布は完全に彼の体にへばりつき、なかなか離れないのだ。




しかも、イモムシ化した毛布は、僕をあざ笑うかのように僕の目の前で、


ソファーの端から端まで地面に落ちることなく、【モゾモゾ】と器用に動いてみせたのである。





プチッ




僕は完全に切れた。





「このイモムシ野郎!!!さっさと起きろ!」





僕は懇親の力を込め、力いっぱい毛布を引っ張った。




クルクルクルクルーーー




すると、イモムシ化していた毛布は見事にドラム式乾燥機のごとく回り続け、彼の体から離れたのだった。




そしてそこからでてきたのは、









「田端、お前かよ!」






そうイモムシ化していたのは田端だったのだ。









しかもまだ寝てる。







『なんて奴だ。この状況でまだ寝てるなんて・・』



僕はそんな田端を見て呆れ果てながらも





「おい田端、時間だぞ。早く起きろ!」


と、田端をやっとの事で起こしたのだった。







そして、





「さあ時間だ。みんなレンタカーのある下の駐車場に集合!」

と、後藤田さんが号令をかけた。





僕はその指示通り、下の駐車場に降りていく。



わくわく。



わくわく。



僕は心を躍らせた。





わくわく。



わくわく。



僕は、はやる気持ちを抑えながら、駐車場についた。







と、そのときだ。



どこからともなくあの轟音が聞こえきたのは。



つづき

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