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第41話:寮旅行って?


今日の寮懇もいつものように大掃除で始まり、午後10時からは会議が始まった。




「皆さん、大掃除お疲れ様でした。」





寮長である後藤田さんが第一声をあげる。





それからもう一人の寮長アリさんが




「それでは今月の日直の反省から





・・・・・了解しました。」






「次に係りの反省を。




・・・・・・係りの人に質問はありませんか?」





と、様々な議題をこなしていく。






この中に、以前問題となったあの敬語の使いかたについても議題となったのだが、



すんなり【公の場では敬語をちゃんと使う】という決議がなされた。





『えっ!こんなにすんなり?・・・・あのときの俺の苦痛はなんだったんだろう~』



と、僕は自暴自棄に陥りそうになったのだが、




それをさえぎるかのように





「それでは次に寮旅行についてです」



とアリさんは啖呵(たんか)を切った。






『えっ旅行??』


僕は一瞬、何の事かわからなかった。







『旅行、旅行・・・・旅・・あっそういえば・・・見学に来たとき・・・』




僕が寮を見学しに来たとき、金さんがひと言それらしき事を言っていた事を思い出した。



<寮見学のとき>


「・・・・あっそれからクンッ!寮では一年に1回旅行にクンッ!行くから」

と金さん。




「へえ~旅行ですか~」


と僕は関心をもって反応した。





これ対して金さんは




「ハイ」


・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・


・・・・・・・・・・・・



はいっ!会話終了~ッ!




旅行の話題を通して、金さんと言葉のキャッチボールをしようと金さんにボールを投げたのに、


完璧にスルーされた瞬間であった。



<現実に戻って>




『そうだ。あのときこれ以上の旅行の会話は不可能だと思って話題を変えたんだったっけ』




そうまさにあの金さんと言葉のキャッチボールができなかったあの旅行の話題が、


今まさに寮懇の議題としてだされているのだ。



『また金さんかよ!』

と僕は思いながら真向かいにいる金さんを直視した。



すると金さんは








目をつぶってうつむいていた。







『えっもしかして寝てる?』


僕は一瞬目を丸くした。






しかし、金さんをよくよく見てみると、ときおり意識的にうなずいているようにも見え、寝ているか全く判別がつかない。






『ウトウト寝ているようにも見えるんだよな~。




でもうなずいているようにも見えるんだよな~。





う~んわからん。



・・・・・・・・・・・・・



やっぱり金さんは侮れん』





ある意味、関心していると





「えっと今年の寮旅行は五十嵐さんの紹介もあり、みんなで群馬の●●山の山小屋にいきます。」




と、この旅行の企画を担当している鈴木さんが発言。



五十嵐さんとは、真理寮の寮監で車の座席もスポーツタイプにするほどのアウトドア系。



旅行のプランを詳しく説明してくれた。





そのプランによれば、




車はレンタカーを2台借りて分乗。




運転手は五十嵐さんと鈴木さんが務める。





目的地の山小屋の近くには川があるので川遊びをし、その後みんなでピザ作り。





夕食はバーベキューで盛り上がり、夜はカードゲームなどをして楽しんで帰ってくるというプランらしい。





またこの旅行は土日を挟んだ一泊二日の旅行であり、


寮生同士・1年生と上級生との親睦を深める事が目的であるので、これまであまり交流のなかった者同士もこれを機会に親睦を深めるようにという事であった。






これはなかなか面白そうな企画ではないか。






僕は旅行というものが大好きなのでこの寮旅行は僕にとってもピッタリの企画であった。





またこれまであまり他の寮生と密に接する事がなかった僕の事を考えると、


この寮旅行はなんとも良い機会になりそうな気がした。






しかし、一点だけ気になる事が、、、





それはこの寮旅行の企画である鈴木さんの最後の発言の部分だ。





「・・・・と言うことで以上がこのプランの説明です。僕も五十嵐さんと一度この場所には下見に行きました。



非常に良いところだと思います。



ただ・・・五十嵐さんが下見だけではなくこの旅行自体に参加するという事に表明しています。


なので僕がフォローできないところもあると思います。以上」




・・・・・・





・・・・・・・・・





・・・・・・・・・・・・・




『五十嵐さんが・・・・参加する事になってしまった?




・・・・フォローできない?




・・・一体これはどういうことだろう?』


と僕。









姉さん! またまた何か事件が起こりそうな予感です。



つづく。



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