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第34話:これが恐ろしい授業だ!


「あなたの携帯電話を今すぐここに出しなさい」



先生は完全にいきり立っていた。





カタッ




『アレッ??』



僕の後ろから音がした。




「すいませんでした。」



僕の席のひとつ後ろの男が携帯電話を机の上の置いたのだ。




『お前かよ!



もっと早く白状しろよ。



バカヤロー』


僕はホッとしたのと同時に、これまでのドキドキ感をどうしてくれるんだと思い、



後ろの彼に対して怒りがこみ上げてきた。




がしかし、次の瞬間、




「あっあなたが携帯電話鳴らしたことでどうなったかわかってるの?


全体が迷惑しているのよ。



ほら見て見なさい、あなた!


今の自分の顔を見て見なさい。



醜い!



なんて醜いの!



人に迷惑をかけることをするとそんな醜い顔になるのよ。



ギリシャの彫刻を見て見なさい。



あの美しさからいったら、今のあなたの顔は醜い。醜すぎるわ」



・・・・・・・・


・・・・・・・・


・・・・・・・・


なんと言えばいいのだろう。。。。



僕の怒りは、笑いをこらえる事に変わっていった。




『醜い・・・



みにくいってなに?



フフフ』


僕は思い出し笑いをしそうになった。




『これって笑っちゃいけないんだよね。』



僕は今にも吹き出しそうな笑いをこらえながら、周囲を見渡した。




他の学生達も顔を伏せたり、うつむいたりしている。




『絶対、こいつらこらえてる』



僕は直感した。




けれども、先生は真剣そのもの。




僕の後ろで叱られている学生はなんと哀れな事だろう。




僕のさっきまで怒りはどこえやら、僕は後ろの彼に同情するようになった。




普通に「携帯電話はやめなさい」などと叱られていれば、すぐにその場をしのげるはずなのに


「あなたの顔はなんて醜いの!」


と言われた日にゃ、どうだろう。



十九・二十歳のそこらの学生で、友人や知人から「あなたの顔はなんて醜いの!」と言われたことのある人はまずいないだろう。




だからまず第一に言われたときのリアクションほど、難しいものはない。



リアクションが取れない。



またあまりにも奇抜なフレーズ故に、言われた本人はめちゃくちゃ恥ずかしい。



注意される事が恥ずかしいのではない。



奇抜なフレーズと自分とをマッチングさせられる事が恥ずかしいのである。



そしてなんと言っても、可哀相なのは後ろの彼は、これからしばらくの間、


きっと


「あれって××先生に醜いと言われた●●君だよね~」


と不名誉な枕詞をつけられ呼ばれ、女の子にも不名誉な枕詞付の名前で覚えられるに違いない。



なんと恐ろしい叱り方だろうか。



僕はこの叱り方は最凶最悪な死の宣告だと思う。




案の定、後ろの彼はそれ以来この授業には来なかった。




『ああ僕じゃなくてよかった。』


僕は安堵の胸をなでおろす。




なんと恐ろしい授業だろうか。




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