第32話:受けたい授業
「あ~もうこんな時間か」
ベッドの傍らにある時計はすでに12時を回っていた。
「はああ、だるい。」
「ふうう~」
なんだか体がだるい。それに肩も重い。
起きたばっかりなのに、8時間寝たのにだるい、だるすぎる。
『学校行きたくねーな』
僕の心も湿度も、すでに不快指数が80を越えていた。
今日は特に嫌な授業が午後からあるのだ。
「行く気がしない」
「行きたくない」
「絶対やだ」
「今日はさぼろっかな~」
・・・・・
・・・・・・・
「えー哲学者プラトンが提唱した世界観。個別の事物の背後には、その本質であるイデア が実在すると主張す・・・・」
・・・・・・・
『・・・来てしまった
しょうがない。
しょうがない。
しょうがないんだ。
すでにすでに欠席枠を全て使ってしまったんだから・・・』
そうこの授業は出席を取るのだ。
日本全国の大学生にとって、履修するときの最大の要素なんなのか。
それは簡単な事。
出席をとる授業か、とらない授業かの違いである。
大学は高校とは違い、ある程度自分で受けたい授業を選択できる。
その時、多くの学生は単位の取り易い授業を選択する傾向にある。(勿論、頑張っている学生もいるが)
単位の取り易い授業とはなんぞや。
それは出席があるかないかである。
その理由は、ある学生はアルバイトを重視するためかもしれないし、ある学生にとってはサークルを重視するためかもしれない。
あるいは資格をとるために授業を犠牲にするのかも。
まあ理由は様々なのだが、このような理由から出席のとる授業は敬遠されがちとなる。
しかし、幸運?にも僕のJ大学は出席には厳しい。
しかも僕の学部にいたっては99%の授業は出席をとるのだ。
大学へ進学したものならわかるであろう。
この99%=出席の意味を。
どうか僕の思いを察してほしい。
「同情するなら単位をくれ!」
そんな心境であろうか。
僕の大学では前期の授業のうち3回欠席するとアウトとなる。
そう僕は、すでにこの授業で2回欠席をしてしまっているのだ。
しかもこの授業は『時間厳守』・『携帯禁止』・『私語禁止』を三か条にしており、1分遅刻しても欠席扱いとなってしまう非常に冷酷極まりない授業だったのだ。
また一番許せないのは、ここの先生の今にも耳鳴りが起こりそうな高いキーキー声。
頭痛がする。
ロッテンマイヤーさんの眼鏡(クララの女執事-アルプスの少女ハイジ-)に類似したメガネをかけながら、私語をしている学生・携帯をしている学生がいないか、いつもキョロキョロしている。
『おめーが、一番うるせいし、うぜーよ』
しかも、あのキーキー声での哲学の授業。
動物園のサル山で授業をうけているようだった。
「ウキキキキ、ウキョキョキョキョキョー!」
・・・・
・・・・・・
絶えられない。
しかもこの先生、自分が生まれ変われるとしたら本気でギリシャの彫刻になりたいと言い切っている男なのである。
そんなとき、携帯が鳴った。
タリラリラー タリラリラー タリラリラリラリラー
トルコ行進曲だった・・・。




