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第28話:聖域にメス


僕の人生初体験となる冷蔵庫掃除が今始まった。



冷蔵庫掃除という言葉が存在することも知らなかった僕。



冷蔵庫掃除とは何ぞや?





僕の周りで否、この日本で、いや世界で、冷蔵庫掃除とやらを月一度ペースでやっている人がどれだけいるだろうか。


というより冷蔵庫って掃除するものなのか?



こんな疑問ももった僕だが先輩の言葉は絶対なので、とりあえず冷蔵庫掃除にかかってみた。



まず初めに冷蔵庫を開け、次々各タナアミを出していく。



寮には2台の冷蔵庫が存在する。



これら2台はすべて共有であるのだが、タナアミ毎に一人ひとりのテリトリーが割り当てられてもいる。



これは何を意味するのか?



各タナアミには、舎生がこの競争の厳しい世の中で、風当たりの厳しい東京で、日々を生きていかなくてはならないために絶対に必要なエネルギー源がここには、このタナアミには詰まっているのである。



つまり、そんな大事なエネルギー源が詰まっているタナアミを掃除するという事は、各舎生のテリトリーを犯しながら掃除するということでもあるのだ。



各タナアミにある絶対必要なエネルギー源を談話室のテーブルを置いていく。



この時、特に神経を使う事は【どのタナアミに何があったのか】を談話室班は覚えておかなくてはならないということだ。



掃除が終わってから各タナアミにあるはずの絶対必要なエネルギー源がなくなったとしたらどうだろう。



言わずと知れた恐ろしい修羅場が待っているのは想像に難くない。



しかし、僕から見たらこれが食料かよと思えるほど、化石燃料化したものが多かったのも事実である。



ジュース、人参、大根の化石化は当たり前。



福神漬けだけが、山盛りになった茶碗。




紅しょうがの液体だけが入ったビン。





バレンタインでもらったと思われるチョコレートケースをチョコが入っていないのに冷蔵庫で保存しているのには僕も驚いた。



これは絶対捨てた方がいいだろうと思っているものでも、持ち主にとっては大切なものがあるようで、世の中は広いなと感じた瞬間であった。



こんな身近で、それも冷蔵庫掃除で知るとは思わなかったが・・・・・。




「それじゃあ、冷蔵庫ジャンケンするぞ~」


談話室班のリーダーである鈴木さんが突然号令をかけた。



「冷蔵庫ジャンケン??なんですかそれは?」


そんな質問が飛んだが、鈴木さんは


「いいから、いいから、出さなきゃ負けよ。ジャン・ケン・ポンっ!」



つい僕も体が条件反射し、パーを出してしまった。



「よっしゃー俺の勝ちだ~!」




「勝てた~!やっと3連敗から脱出!」





「やった!良かった。やりたくないからな。あれだけは」



「それじゃあよろしくな!」





「タケオっ!」





『俺かよ!』



『なんで談話室班が六人もいて、俺だけパーでみんなチョキなんだよ』



最悪です・・・・・。



つづく。

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