第14話:金さんつよし!
この真理寮に入ってから早2週間が過ぎようとしていた。
東京での生活はまだまだ慣れなかった。
一番大変だと感じたのは、人の歩くスピードだ。
東京の人々の歩く早さはハンパじゃなく早い。
ちょっと目をそらすと、肩と肩がぶつかってしまう。
その度に、
「あっすいません。」
あっちでも
「すいません。」
こっちでも
「すいません」
と平謝りの連続。
あ~疲れる。
それに寮に帰っても、楽しみにしてたゲームができず。。。。
プレステができるということだったのでFF8を初めて買ったのに(泣)
案の定、後藤田さんの言っていたことが当たってしまった。
あの金さんがテレビを独占。
好きなビデオをひっきりなしにみていたのだ。
でも、一緒にビデオを楽しむという方法もあるじゃないかと思うのが普通であろう。
しかし、金さんのビデオは、
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・・・・・・・・・
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字幕が
韓国語
中国語
英語
全部、外国語かよ!!
字幕の意味がない
全然楽しめなかった。
しかも、金さんが借りてくる映画は日本でまだ公開がされていない映画で、結構話題作になるような映画ばっかりなのだ。
しかし、
「金さん!そのビデオはどこから借りているんですか?」
と金さんに質問する勇気は僕にはなかった。
また、金さんはメシ時にビデオをみる。 焼酎片手に。
そのおかげ?で、しかもテレビが寮に一台しかないために嫌でも、映像と音が目と耳に入ってくるのだ。
内容がわからないのに、映像だけが目に焼きついてしまうからこれまた、たちが悪い。
アクションならなお更である。
内容の細かい設定を読み取ることはできないが、なんとなく、意味がわかってしまうで、映画館で見ようと思わなくなってしまうのだ。
あーー金さんよ!
お願いだから日本語字幕を借りてきてーーー。
そんな事を僕は願っていた。
そんなとき、金さんは決まってこちらをみてこう言い放つ!
「これ、面白いでしょう!!」
・・・・・・・・・・。
苦笑いしかでなかった。