Episode 1
ちなみにですが、世界線的には現代の地球にファンタジーを加えた感じです。ジャンルを異世界にするか現代にするか迷ったのですが魔法があるということで異世界にしました。
月日は流れ、彼女、今大路桜希は2歳になった。
彼女は最初こそ前世の出来事を鮮明に覚えていたが現在では物語の中の話のように客観的に見ていた。前世の自分の名前すら覚えていない。唯一鮮明に覚えているのは自分が魔女であったことだった。
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「桜希ちゃん〜」
「かあさま〜」
ゆっくりではあるが桜希は歩けるようになった。まだ幼い桜希は両親の溢れんばかりの愛を注がれすくすくと育っている。
彼女の家は俗に言うお金持ちであった。前世とは違い貴族制度など無い世界だ。彼女自身好奇心旺盛でこの世界の事を理解していた。彼女の家が名家でお金持ちであること、そして父親がグループ会社の社長であるということを十分過ぎるほど理解した。そんな中驚異の理解力を両親に見せつけたにも関わらず、両親は娘が天才であると、可愛いだけでなく天才なのかとあまり気にしていなかった。
大きなお屋敷で桜希は両親や住み込みの家事使用人たちから甘やかされまくっていた。けれど魂に刻み込まれたものなのか我が儘になることもなく、とても素直な子であった。
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桜希視点
「かあさま〜」
母様は可愛い。私の母様だけど女神さまのようにキラキラしている。それに毎日大好きだと言ってくれる。
前世のことはあまり覚えていないけれどこの気持ちは初めてな気がする。
「かあさま、ぎゅー」
「ぎゅー」
私が母様を抱きしめると、もともと可愛い母様がもっと可愛くなる。
「さきね、かあさま、だいすきなの」
「お母様も桜希ちゃんが大好きよー」
「じゃあさきたち、りょうおもいだね〜」
「う”っ」
(?)
「まぁ!なんて可愛いの〜」
「ねぇねぇ、かあさま、とうさまが」
私は気づかぬうちに同じ部屋の中にいた人影に目をむけた。すると、胸を押さえている父様が居た。どこか悪いのかと心配で涙目になる。
「ん?父様は桜希が可愛くてああなっているのよ」
「?とうさまどこもわるくないの?」
「(娘が天使)」
父様は時々蚊のなくような声を出す。私はなんて言っていたか分からなかった。だけどなんとなく心配だったので少し歩いて父様の頭をなでなでした。
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父(健一)視点
「?とうさまどこもわるくないの?」
「娘が天使」
ビデオカメラ片手に妻と娘の様子を見ていたが、娘の可愛らしい言動の攻撃力の高さに心がやられた。
娘は天使の生まれ変わりなのではないかと思うほどの可愛さだ。
今現在娘の小さくて温かい手が髪を梳いている。
「桜希、父様には母様にしたように抱きしめてくれないのかい?」
「とうさまもさきとぎゅーしたいの?」
「うん」
「じゃあ、とうさまにもぎゅー」
「ぎゅー」
「ねぇとうさま、とうさまはさきのことすき?」
「さきはとうさま、だいすきなの」
「父様も桜希が大好きだし、愛してるぞー」
娘が可愛すぎて死にそう。天使か?
「ねえ、かあさまもいっしょにぎゅーしよ?」
娘よ、本当に、なぜそんなに可愛いのだ。妻のサラも頬を染めて抱きしめてくるものだから幸せすぎて。
そんな可愛い妻と娘の癒しもあって午後の仕事が捗ったのは言うまでもない。
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桜希は両親が大好きではあるが甘やかされると恥ずかしい。
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