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8)少女の説明1

リゼだった少女の怒涛の説明

朝食後のお茶の時間、約束通り、少女に説明の時間を与えてやった。


「それでは、町の中をどうするかというということですが」

食後の紅茶を楽しむ気は、少女にはないらしかった。


「必要なことは大きく分けて二つ、感染源の特定と、感染者の隔離です」

少女は、大人びた口調で話し、スコーンを一つ手に取った。


「まず、感染者の隔離ですが、区域分けが必要です」

スコーンは二つに分けられ、少し距離をあけてテーブルの上に置かれた。


 ティースプーンでスコーンが乗るテーブルクロスの上に仕切りができた。少女は、一つ一つ説明しながら、テーブルの上で、スコーンとティースプーンとソーサ―とティーカップが、それぞれに役割を与えられ、並べられていった。足りなくなった分は、周辺にあるものが動員されていった。


「区域ごとに分け、使うもの、衣類や靴も含めて完全に分けることで、感染区域から外の清潔区域への感染症の持ち出しを防ぐことが出来るはずです」


 淡々と話をした少女は、まだ何かつぶやきながら、テーブルの上に出来上がった一風変わった町の模型を眺めていた。

「なるほどな」

テーブルの上に出来上がった、珍妙な町に、アレキサンダーは感心した。

「これなら、街を封鎖しても、町の中の秩序を保つことができそうだ」


 机の上を見ていた少女が首を傾げた。

「手袋?あら、ごめんなさい、私、あなたの手袋とっちゃった?」

慌てた少女に、ロバートがほほ笑んでいた。


「いえ、お気になさらず。並べるものが無くなりそうだったので、私がお渡ししただけです」


実際、テーブル上に町を作りながら、何か使えるものがないかと、探していた少女の右手に手袋を渡したのはロバートだ。


慌てて返そうとした少女をアレキサンダーは止めた。

「待て。これを記録する」

用意させた紙に、テーブルの上の奇妙な町をみながら、書きとめ始めた。

「なるほどな」

立ち上がって全体を見ながら、書き進めていった。


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