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【加筆修正中】EgoiStars:RⅠ‐Prologue‐  作者: EgoiStars
帝国暦 3357年 復古宣言 [中編]
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第50話『襲撃』

【星間連合帝国 アイゴティヤ星―カルキノス星宙域 ブランドファミリー脱出船】



 重力発生装置のおかげで無重力による筋力低下の心配はない。食料や水の備蓄、燃料もカルキノスまでは充分に予備がある。紆余曲折を経ながらも順調な航宙にイレイナはホッとして通信士の席に腰を下ろすと球体のホログラムであるソナーを確認した。


「(まぁこれも既に安心ですけど……)」


イレイナはそう思いながらソナー越しに操縦席に座るドレッドヘアの少女を眺めた。

 急な案内人として紹介されたカルキノス星人の少女……ジャネット・アクチアブリは優秀だった。彼女は艦内の環境から周囲の索敵、航宙経路の全てを一人で管理し、さらに見事な操縦技術を持っていたのだ。ダンジョウから急に「コイツ、戦皇団(ウチ)に入れるから」と言われた時は呆れたが、その優秀さに文句を言う者はいなかった。


「(いいえ……彼女だけではない……最初からいるビスマルク君やベンジャミン君は単一戦闘に関して言えば帝国でも五指に入る。あちらのカンム君は二人程ではないにしても充分な戦闘力と知力を持っているだろう……そして何よりも……)」


帝国最強である童女の姿がイレイナの頭を過る。そう考えると、ダンジョウには実力者を仲間に引き入れるという上に立つ者が最も必要な力を持っているように思えた。


「イレイナ。休憩してていいぞ」


背後の声にイレイナはハッとして振り返るとダンジョウが水と携帯食を持ちながら微笑んでいた。

 イレイナは慌てて背筋を整えるとダンジョウから携帯食とボトルを受け取った。


「恐れ入ります殿下、ですが休憩までいただけるような疲労困憊という訳ではございません。こう見えて体力には自信がありますので……まぁ他の皆さんに比べられると困りますが」


イレイナはボトルのストローを啜りながら苦笑する。そしてダンジョウ越しに待機スペースへ視線を投げた。刀を研ぐカンム、盤上ゲームを挟んで睨み合うベンジャミンとビスマルクの巨漢二人組、どこか遠い目で窓から宇宙空間を眺めるレオナルド、黙って何かの教本を読むヴァイン……イレイナより年下の少年達は危険な旅だというのに思いの外リラックスしているようだった。

 逞しい少年たちを頼もしく思いながらイレイナはダンジョウの方に視線を戻した。彼はイレイナ同様に頼れる仲間たちを見てニカリと笑っている。その年相応の屈託のないその笑顔からは無邪気さと同時に彼の底知れぬ器の大きさからくる恐ろしさが垣間見えた。


「殿下、カルキノスまであと数時間と言ったところですが……ホーゲン中佐と合流なさったらどうなさるおつもりですか?」


イレイナは恐ろしさの正体を見定めようと尋ねると、ダンジョウは咥えていたストローの上に向け、腕を組みながら「う~ん」と考えた。


「そうだな……一先ず飯でも食いながらババァにみんなの事紹介しねぇと。ほら、カンムとレオとジャネットとヴァインは初対面だしな」


「い、いえそういう話ではなく……」


イレイナは思わずそう口を挟むが、ダンジョウはまたしても屈託のない無邪気な笑顔を浮かべて意気揚々と話し続けた。


「あ! あとカルキノスって言ったら昔からのツレの故郷でよ! ソイツは今他の星の学校行ってるらしいけど、ソイツのお袋さんには挨拶しておきてぇな! ガキの頃俺も良くしてくれたんだよ。それとカルキノスの知事って奴にも会っとかねぇとな。この二人が協力してくれりゃ、まず最初にやんなきゃいけねぇ事が上手くいきそうだし」


「あ、殿下。私がお聞きしたいのはそれです。そのまず最初にやんなきゃいけない事とは何ですか?」


「ヒミツ」


イレイナが問うとダンジョウは悪戯っぽく笑った。

 ダンジョウの微笑みは年相応の幼さがあり、その笑顔がイレイナにダンジョウはまだ十七歳だということを思い出させる。しかし、彼は帝国最高権力を持つ宰相に対抗しようというしているのだ。それを微塵も感じさせない純粋な直向きさ……それこそがイレイナが先程感じた恐怖心の正体だった。

 だからこそ、イレイナは確かめなければならなかった。それは()()()()()()()()()()にとって必要不可欠なことだったからだ。


「殿下、私は殿下の仰る国境を無くし帝国民が皆、平穏に暮らせるという目的に大きく賛同しています。これは貴方が皇子であるという事実を抜きにしてのお話です」


「何だ急に? 面と向かって褒められると少し照れんな」


ダンジョウは小さく笑いながら頭をポリポリと掻く。しかしイレイナは神妙な面持ちのまま続けた。


「そこで殿下。仮に宰相派を討ち滅ぼし……殿下の思い描く平穏な世界を作り終えたら、殿下はどうなさるおつもりですか?」


イレイナの問にダンジョウは持っていたストローを手にしてゴミ箱に投げ捨てる。そして携帯食を噛りながら視線を上げた。


「そうだなぁー……まぁ世の中がそう簡単に変わるとも思えねぇしな。何よりどうあっても理不尽な野郎は出てくるもんだろ? そういう連中を取り締まるってのも悪くねぇかもな。……ありゃ? これじゃ今までやってた事と変わんねぇな」


ダンジョウは再び無邪気に笑う。前振りを終えたイレイナは小さく息を呑むと本命の質問を彼にぶつけた。


「ではもし……もしも思い通りの世界にならない時……殿下はどうなさるおつもりですか?」


その瞬間――ダンジョウは初めて年相応に「え?」と純粋な疑問符を浮かべた。そこには見えない未来への不安と同時に()()()()()()()()()()()()()()という一般人なら誰しもが抱く普遍的な不満を彼が初めて感じ取った瞬間だったのかもしれない。ダンジョウは自分の正義を信じている。そしてその正義が世界に浸透しない可能性を一切感じていないのだ。自らの願望が叶うことを疑わない……それは信念があると同時にEgoist(傲慢)とも言えるのだ。

 初めての表情を見せるダンジョウの視線がイレイナから外れた瞬間――船が急加速し大きく傾きだした! 思いがけない操縦に船内にはそれぞれの声が入り乱れる。それとほぼ同時に船内の重力発生装置の電源が切られて各々が宙に浮かび上がった!


「何じゃい!? あ! キサン駒動かしたじゃろ!」


「……無重力状態であれば……不可抗力だ……殿下……お怪我は?」


鼻息を荒げながら詰め寄ろうとするビスマルクに背を向けて、ベンジャミンは無重力の中を移動してダンジョウの方に飛んできた。


「あ、ああ! 大丈夫だ! ジャネット! どうした!?」


我に返ったダンジョウがイレイナを差し置いて操縦席の方に走り寄ると、ジャネットは落ち着いた様子でペッとガムを吐き捨てる。そして額に乗せていたゴーグルを装着して彼女は冷静に説明した。


「私が乱暴な運転すんのは急ぎの時か戦闘宙域に入った時だけッス」


恐らくゴーグル内で様々な情報を確認しているジャネットだが、それでも操縦桿を離すことなく巧みに船を操っている。彼女が舵を切るたびに船内は傾くが、即座に重力発生装置を切ったおかげでイレイナたちはその衝撃を緩和することが出来た。恐らくそれもジャネットの咄嗟の判断だったのだろう。

 そんな不安定な船内で平然としていたカンムは副操縦席の背もたれからフロントモニタを覗き込んできた。


「ブランドファミリーの追手か」


「いや、追手については父が手を打っているはず、となると別勢力という線が濃厚だね」


カンムの言葉にジャネットではなく待機スペースの椅子に腰を下ろしてベルトを締めるヴァインが返答する。その回答にダンジョウは舌打ちをしながら声を上げた。


「んじゃどこのどいつだ? こんなボロ船襲うなんてのはよっぽど物好きな野郎だぞ?」


「兄貴! CSじゃ!」


ビスマルクがフロントモニターを指差しながら叫ぶと、その姿を確認したイレイナは息を呑んだ。そのCSに刻まれた紋章には見覚えがあったからだ。


「……宇宙海賊……ガンフォールファミリー……」


イレイナより先に背後の少年の口が動く。

 呆然としながら総口にしたレオナルドにダンジョウは「あぁ?」と声を上げてから叫んだ。


「何だそりゃ? 何で別のマフィアが襲ってくんだ?」


「分かりません……ですがあの紋章は海賊連合の紋章です! そしてあの紋章を携える時は一家層での意味を持ちます! 連中は海賊としてでなく、ガンフォールファミリーとして襲ってきている!」


飄々と尋ねるダンジョウとは対象的にレオナルドの慌てた口調から、それが如何に緊急事態であるかが伺い知れた。するとダンジョウは操縦席の背もたれに手をかけながらジャネットに顔を近づけた。


「ジャネット、振り切れるか?」


「いやー機体の性能差がありすぎッス。一流操縦士でも撃墜されるまで二分てとこッスね」


落ち着いた様子で平然とそう告げるジャネットにイレイナは憤りを感じたが、ダンジョウは切り替えたように全員の方へ体を向けた。


「黙ってやられる訳にはいかねぇ。確かCSが積んであったな。何着あった?」


「二着ッス」


ジャネットが答えるとダンジョウは頷いてベンジャミンとビスマルクに視線を投げた。


「ビス! ベン! オメェ等二人はCS着て外に出ろ! 船守りながら俺らに喧嘩売ったことを後悔させてやれ!」


ダンジョウの言葉にビスマルクとベンジャミンは「おっしゃ!」「御意に」と告げてハッチの方へ走っていく。ダンジョウは続け様にジャネットに問いただした。


「この船に武器はあんのか?」


「胴体の上下左右にレーザー砲台が付いてるッス。一応下部にもあるんスけど、こっちはぶっ壊れてるッス」


「よし俺は上部の砲台に行く。カンムは右、レオは左だ。イレイナとヴァインはここでジャネットの補佐、あと被弾箇所の修理にあたってくれ」


新たな指示に「承知」「分かりました」「OKです」とカンム、レオナルド、ヴァインが返答すると、ダンジョウは「おっしゃ! 行くぞ!」と声を上げてそれぞれが持ち場に向かって走り出した。

 イレイナは呆気にとられながらも我に返り、副操縦席に腰を下ろしてベルトを装着した。


「団長さん。すげえッスね」


「え?」


ジャンネットの声にイレイナはハッとして振り返ると、彼女の後ろの通信席に移動してきたヴァインは手首の端末を眺めながら口を開いた。


「指示を出すのに数秒、実行するまでの時間を考えても二分以内。君が言ったタイムリミットまで一分以上の余裕があるよ」


「時間を測っていたんですか?」


イレイナが尋ねるとヴァインは肩を竦めた。


「時間を確認するのは業務遂行の上で優先事項だよ。いいものが出来ても残業がかさんじゃ意味ないし、かといって作業時間を減らして出来損ないを作り上げても意味がない。その点、ダンジョウさんは制限時間内で出来うる最良の判断を下しただろうね。お、ジャネットさん、三人が砲台についたようだ。そこの箇所のバリアを解除しようと思うけどいいかな?」


「ああ、じゃあその分を下方に廻してくださいッス」


「了解したよ」


ヴァインはそう告げると、そのままモニターを眺めながら手だけを動かし始めた。

 イレイナは船の状況を確認しながらジャネットに問いかけてみることにした。出会って間も無いにも関わらず、彼女は自分以上にダンジョウの本質を理解しているように思えたからだ。


「ジャネットさん」


「何スか?」


「貴女の目には……殿下はどのように写っているのですか?」


ジャネットは舵を操りながらまるで世間話をするように返答してきた。


「中々のイケメン、天性のリーダー、母性本能をくすぐるヤンチャ感、魅力的な人だと思うッスよ」


そう告げると彼女は再び舵を切り、取り付いていたCSを小惑星にぶつけて引き剥がす。そんな離れ業を見せながら更に淡々と話し続けた。


「私としては、ああいう人間の下で働くのは大変だけどやりがいがあるように思えるッスね」


「短期間の付き合いでよく理解しているんですね」


イレイナは感心しながらも少し棘のある口調でそう告げる。するとジャネットは小さく鼻を鳴らしてから呟いた。


「ただどんな最後を迎えるのか……それが全く予測できない人でもあるッスね」


その言葉の真意をイレイナは自分なりに理解しようと試みる。しかしダンジョウはおろか彼女の事さえまだ理解できていないイレイナにその胸の内を知るは無理だった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 初めての宇宙空間……それはいつの時代でも緊張するものである。それはビスマルクも例外ではない。しかもその初体験が戦場となれば緊張するなという方が無理である。


「(腹括りゃ大概のことはどうにでもなるもんじゃ……兄貴がそう教えてくれたからのぉ)」


幼い頃の自分を打ち負かすだけでなく、マスドライバーに突入したダンジョウの姿を思い出す。ビスマルクは懐かしい思い出に小さく微笑むと装着したCSの腕部分に両腕にナックル付の盾を装備した。そして大きく深呼吸をしたところで急に後頭部に鈍痛が走った。


「ガッ! キ、キサン!!」


金色の目を血走らせて背後に立つベンジャミンの方に振り返る。方天戟の柄で後頭部を小突いてきたベンジャミンはいつもと変わらない無表情でビスマルクを横切った。


「待たんかコラァッ!! 外行く前にキサンを絞めとかにゃいかんみたいじゃのぉッ!!」


「……後にしろ……貴様の緊張を……解いてやったまで……今は……船を守るのが……先決だ……」


「オラ一人で充分じゃ! キサンは隅っこで膝でも抱えちょれ!」


ビスマルクはそう言ってベンジャミンを押し退けてハッチの前に立とうとするが、ベンジャミンも両足を踏ん張ってその場に踏み止まった。


「……予想以上に……敵が多い……殿下の為……今は貴様を……見逃してやる……」


「ほぉ? 弱気なもんじゃ? そんなもんで兄貴を守ろうなんぞ笑かすな!」


「……全てにおいて……殿下のお命と……御命令を……優先する……そして……任の遂行率が……高い方を……選択するまで……」


ベンジャミンは不愉快そうに言葉を絞り出す。

 主の為に嫌悪する人物を容認する。その忠誠心だけはビスマルクも渋々認めざる得なかった。


「ケッ! せいぜい足ば引っ張るなや!」


「……こちらの……台詞だ……」


 赤鬼と青鬼が並び立つとスピーカーからイレイナの声が響き渡った。


『お二人共、ハッチを開きます。宜しいですか?』


「……問題ない」


「任せぇっ!」


二人はそう叫び首元のスイッチを押すと収納されていたヘルメットが現れてその顔を包み込んだ。

 室内の空気が抜けていき真空状態になるとハッチが開いていく。すると眼前には紫色の光線が飛び交う宇宙空間が広がった。しかしその光景を落ち着いて眺める余裕はなく、一本の光線はハッチに目掛けて一直線に飛んできた!


「ウラァッ!!」


ビスマルクはバックハンドブローを繰り出して光線を弾き飛ばす。それと同時にベンジャミンは敵CSの集団に突っ込むと方天戟で薙ぎ払った! 一振りで五人のCSが粉々に飛び散る。宇宙に舞った鮮血はすぐざま結晶化して辺りに散らばった。


『……某は左舷を死守する……貴様は右舷に向かえ……』


「キサンの指図は受けん!! オラが右! キサンが左じゃ!!」


ビスマルクはそう吐き捨てると左舷に向かって荒っぽく背部スラスターを起動させる。敵船から放たれる光線を弾き飛ばしながらビスマルクは咆哮した。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 砲台から見える宇宙空間には光の雨が飛び交っている。その光源の発射先にCSが突貫するごとに小さな光が一瞬浮かび上がり消えていった。宇宙空間での活動経験がないと語っていたビスマルクだが、カンムの眼にはそれを微塵も感じさせない獅子奮迅の働きを見せる彼の姿が写っていた。


「(見事なものだな……)」


縦横無尽に宇宙を駆るビスマルクのCSを見てカンムはどこか呆れたように小さく苦笑する。

 ダンジョウが命じた指示は的確だった。それぞれに役割を与える際、彼は真っ先にベンジャミンとビスマルクをCSでの戦闘員に指名した。宇宙での戦闘経験のあるベンジャミンはともかく、全く経験のないビスマルクを宛がうのは無謀のように見える。しかしそれは彼に対してこの上ない信頼を持っている証だろう。そして難なくその期待に答えるビスマルクの実力にカンムは感嘆するしか無かった。本来ならば屈辱的に感じることもあまりの実力の差を見せつけられれば笑うしかないのだ。

 カンムは自らの役目を果たすために砲手席に腰を下ろすとインカムを装着した。旧式の船のため本来なら可能なホログラムでの通信はできず、カンムはインカム越しにダンジョウの声を聞き取った。


『カンム! オメェこいつの使い方分かるか?』


先程とは売って変わり、少し焦りを見せるダンジョウをよそにカンムはいつものように冷静に備わっているレーザ銃のタイプを確認した。近接戦闘である古武術の訓練ばかりをしてきた彼は射撃について詳しくはない。だがカンムはそれほど心配はしていなかった。


「私はあまり飛び道具に明るくありません。ですが、もう一人の方がよく理解しているかと」


カンムは繋がっているもう一つの通信先に向けてそう告げる。その言葉に込められたカンムの疑心を汲み取ったのだろう。レオナルドは一瞬の沈黙を見せるが、すぐにこれまで同様の柔らかい口調で答えてきた。


『ええ。僕から説明します。旧式ですが操作方法は現在のものとそう変わりません。まず、お二人のレーザーにも外で戦闘しているお二人のCSを登録しておきました。これで射線上に味方CSが入った場合はトリガーにロックが掛かります。ダンジョウさんとカンムさんは目の前のハンドルをしっかりと両手で握ってください。中央のモニターに映る赤い円がレーザーの射線です。威嚇の意味も込めてトリガーは常に握っていてください。あとは連射もロックオンも機械が勝手にやってくれます。そのためにも中央モニター内になるべく敵を多く入れて銃口を振ってください』


レオナルドの回答を聞いてカンムは確信した。不自然な時間帯の合流、アイゴティヤ星からの脱出時に見せた戦闘力、今回の襲撃時に見せたあの動揺、そして戦闘に関する知識……レオナルドは間違いなく何かを自分たちに隠している。カンムの推察をよそにダンジョウは意気揚々と声を上げた。


『おし! 簡単だな! いいか二人共。基本的に敵をぶっ潰すのは外の二人に任せとけ。俺達は船を守ることだけ考えんだ』


ダンジョウの言葉にカンムは「はっ」と答える。

 こうして戦皇団の初陣は始まった。

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