プロローグ ある破滅的な冬の日に
プロローグなのになげぇ!!
何はともあれ『自灯籠 傀儡使いと紅蓮鬼』 はじまりはじまり。
それはいつもと変わらない日だった。
高校受験を終えて、後は受験結果を待つだけだった日々。
その日はしとしとと音もなく雪が降り積もり、自分の部屋の窓辺でそれを見ていた。
発表があるのは六日後。できるのなら今日にでも結果を知りたいくらいだ。
温かいミルクを飲みながら、手でスマホを弄る。
美羽も僕と同じ高校に受験した。どうせなら二人で新しい校門をくぐりたい。
かれこれ十年以上も僕たちは友人として過ごしていることになるが、それがさらに続いても僕は一向に構わない。むしろそうならないと困る。
僕にとって親友と呼べるのは美羽だけで、同じく古くからの幼馴染みと呼べるのも美羽だけだから。
黒い長髪の、笑顔が素敵な女の子。
一緒にいるだけで幸せになれる、大切な人。
彼女と同じ高校で三年間を過ごせるのなら、それはどれだけ幸せなことだろう。
それを思い浮かべるだけで自然と笑みが浮かぶ。
ふと、スマホが震えた。
LINEで連絡がある。美羽からだ。
『蛍、今時間ある?』
そう書いてあった。
もちろん時間はある。やることがなくて暇なくらいだ。
僕がそう返信すると、ものの数秒で返ってきた。
『手伝って欲しいことがあるの。私の家に来ることはできる?』
文面を読み、僕はすぐに了承した。美羽の頼みを断ることなんて出来ない。
コートを着て一階に降りる。
すぐに玄関から出ようとしたが、念のために母に一声かけておこう。
「お母さん、今から美羽の家に行ってくる」
「今から?」
ベランダでくつろいでいた母は窓を見る。
「車で送ってあげる?」
「いいや、大丈夫。ずっと部屋にいたから、たまには歩いていくよ」
「そう、あまり遅くならないようにね」
母の承諾をもらい、僕は靴を履いて外に出る。
外は白。雪が空から落ちて降り積もっている。
そんなに降り積もっていない。靴の半分くらいか。
これなら傘もいらないな。僕は美羽の家に歩いて向かった。
ザクザクと、踏みしめる雪の音が耳心地良い。
吐く息が白く染まり空気中に消えていく。
手をポケットに入れてできるだけ暖をとる。それでもガードできてない顔は寒いけど。
遠くを見ても曇天。街中に雪が降っている。
睫毛の上に雪が止まった。それを手で取って見る。
雪は拡大してみれば六角形になっていることを思い出した。不思議だ。こういうのを自然の神秘と言うのかもしれない。
やがて美羽の家に着く。
僕は頭の上に積もった雪を払い、肩をパンパンと手で払う。
そしてインターホンを鳴らす。
ピンポーンと、おなじみの音が鳴り響く。
数秒して、美羽の声が聞こえた。
『開いてるから、入って』
いつもの美羽とは違う、暗い声だった。
僕はそれを訝しく思いながらも、声に従って玄関のドアを開ける。
そして驚愕した。
「!!?」
荒らされている。正確には部屋中に物が散乱している。
タオル、服、割れた食器、綿、本、お菓子、そのどれもが床に散らばっている。
まさか、空き巣?それとも強盗の仕業か?
目の前の光景に同様していると、二階から物音が聞こえた。
一瞬ビクッと身構える。
だが姿を現したのは親友の美羽だった。
「来てくれてありがとう。蛍」
先ほど聞いた時と同じ、暗い声。
どこを見ているか分からない、虚ろな瞳をしていた。
その姿を見て、なんだか美羽が別の存在になってしまったかのような、不気味な悪寒が背筋を襲った。
「み、美羽?これは、一体、何が・・・・・」
震える声で、荒らされている部屋の惨状を問う。
美羽は部屋を見下ろして口を開く。
「これ?これは私がやったの」
「え、美羽が?」
「うん。捜してるから」
そう言って、美羽は階段を降りてくる。
僕は玄関で立ち止まったまま、美羽の到来を待つ。
「上がって」
目前まで来た美羽は僕を手招きする。
言葉の通りに僕は散乱している物を避け、部屋に上がる。
ここで僕は気になったことを聞く。
「美羽。捜してるって、一体何を捜しているの?」
美羽は無表情に僕を見て、そして言った。
「家族。お父さんとお母さんと妹の美明。いなくなっちゃったの。一緒に捜して」
最初、何が何だか分からなかった。
美羽から家族を捜していると聞いて10秒は硬直していた。情報整理が上手く出来なかった。
家族がいなくなった。それは家族が美羽を残して失踪したということか?
それならもはや警察の領分だ。けれど美羽は違うと言う。
家族が美羽を残してどこかに出かけているのか?
けれど美羽は違うと言う。現に車は車庫にあるし、持ち出した形跡はない。
家族総出で僕を騙しているのかと思った。
というかその可能性が一番ありえそうだ。けど今日ってなんかあったかな?僕の誕生日というわけではないし、エイプリルフールはまだ先だ。
だけど、美羽の深淵のような目が遊びではないことを物語っていた。
じゃあ美羽の家族は一体どこに?
美羽は、「だから捜している」と言う。
「私は二階を捜してるから、蛍は一階をお願い」
「う、うん。わかった」
朧げな美羽の言葉に僕は頷くしかなかった。
そのまま階段を上って二階に消える美羽。
僕はそれを見送った後、一階での捜索を開始した。
といっても、既に美羽によって調べられる所は大抵調べられている。
戸棚やロッカーは開けられたまま。中に収まっていたであろう物は全部床に落ちている。
この惨状。赤の他人に大地震が起きた後と言っても信じてもらえるだろう。
とりあえず捜せるところを捜そう。
僕はキッチンに向かい、閉めてある冷蔵庫を開けた。
人の家の冷蔵庫を勝手に開けるなど、普段の僕には信じられない蛮行だが、事が事だ。早急に見て閉めよう。
空だ。食材が下に散らばっている時点で察することはできた。
もしもこの中に美羽の家族がいたらなんて思うと、ゾッとする。それはきっと原形を留めていないだろう。
冷凍庫を閉めて次に目星をつけたのはゴミ箱。
学校にありそうな、人が膝を曲げればなんとか入れそうな縦長のゴミ箱。
だけど望み薄そうだ。ゴミ箱の中身が外に出ている。
一応見よう。うん、やっぱり中は空だ。
となると、後はどこだろう。とりあえずキッチンで捜せる所はここまでだ。
リビングを見る。
テレビと机、ソファーがある。だけどソファーは包丁か何かで引き裂かれ、中の綿が外にあふれかえっている。
ソファーの下を見る。何もいない。
なら、次はどこだろうか。
目に映ったのは奥にあるお風呂場。そして近くのトイレ。
僕はそこに足を進ませ、お風呂場を調べる。
シャワーとバスタブ。洗面器と各種シャンプー。今までと同じく物は下に散らばっている。バスタブの中にも誰もいない。
洗濯機の中には、もちろん誰もいない。
近くにあるトイレ。念のためコンコンとノックし、誰もいないことを確認して扉を開ける。
無人。洋式トイレの蓋を開けても誰もいない。むしろいたら怖い。
僕はトイレを出て、一階をぐるりと見渡す。
調べられる所は調べた。一応外も見ようか。
僕は靴を再び履いてドアを開く。
まず調べるのは車庫。車の中にいないかどうか。
運転席、助手席、後部座席。誰もいない。いる様子はない。車の下も同様。
「・・・・・・・・・」
ここに来て、僕は自分が一体何をしているのか疑問に思った。
既に美羽があんなに入念に捜しているのに、それでも見つからないとはどういうことだ?
しかし車はここにある。靴も玄関にあった。まさかこんな冬の日に裸足で外に出たわけではないだろう。
電話はしたのだろうか?その事が気になって、僕は再度美羽の家に入る。
二階に上がり、物音のする部屋に。
美羽は妹である美明ちゃんの部屋で、片っ端から調べている最中だった。
ベッドは倒され、布団もカバーも剥がされている。
本棚に収まっていた本は全てぶちまけられ、服や下着も床にばらまかれている。
美羽は机を調べている。引き出しを開けて、中身を確認している。
「美羽、あのさ」
僕はその背中に話しかける。
手は止まらない。無言で僕に、先を続けてと促している。
「その、ご家族の方に、電話はしたの?」
「うん。けど電話に出なかった」
調べ尽くした美羽は、ポケットからスマホを取り出し、どこかに電話する。
数秒たって、数十秒たっても繋がらない。
無機質な目は僕に向けられた。
「一階は調べ終わったの?」
「うん。調べられるところは、調べたよ」
「そっか。じゃあ下か」
独り言のように呟いて、美羽は下を見る。
下?下ってどういうこと?
美羽は僕の隣をすり抜けて階段を降りていく。
僕もその後を追う。
なんだか美羽をそのままにしておいたら、とんでもないことをしでかしそうだったから。
そして予感は的中した。
一階に降り立った美羽は、どこからともなく小型のハンマーを取り出し、それを思いっきり床にたたきつけた。
ダン!!!!! と、大きな音を出して、ハンマーは床にめり込んだ。
床はそこだけ窪む。美羽は続けて何度もハンマーを振り下ろした。
そのたびにダン!! と大きな音が鳴り響く。
思わず唖然としていたが、僕は我に返った。
美羽が下と言っていたのは床下のことだ。そんな場所に人がいるはずがない。
僕は美羽に近づき、ハンマーを持つその手を止めた。
連続的に鳴り響いた音が止まる。
美羽は底なしの暗い目で僕を見つめる。
「どうしたの蛍?なんで止めるの?」
「美羽、そんなところに、誰もいないと思う」
美羽は小首をかしげて、僕が何を言っているのか確かめている。
やがて、答えをだして立ち上がった。
「じゃあ、壁の中ね」
美羽は近くにあった壁。白塗りのそれにハンマーを叩きつけた。
ドン!!と振動が響く。解体現場の工事でしか聞いたことがない音だ。
間違いない。美羽は何かがおかしい。普段ならこんなことは絶対にしない。
断続的に壁を打ち据える美羽。僕は困惑しながらその背中に聞いた。
「美羽。一体どうしたの?何があったの?」
「・・・・・・・・・」
返事はない。ただ無表情で壁を叩き続けている。
やがて穴があいた。だけど、思ったとおり誰もいない。いるはずがない。
暗い穴があるだけだ。
それを確認して、美羽は違う壁を叩き始めた。
変わり果てた美羽に絶句して、僕はその様子をただ見ていた。
「・・・・・たの」
「え?」
聞こえるか聞こえないか、ともすれば消えそうな美羽の声が聞こえた。
「みんな、いないの。どこ捜しても、いない。あれから、あの赤い世界から、帰ってきたのに。
お母さんも、お父さんも、美明も、いない。夢じゃ、なかった」
だんだんハッキリ聞こえてきた声。
それに伴い、美羽の目から涙が溢れ流れる。
穴があく。暗いそこには、やはり誰もいない。
それを確認して、美羽は手にしたハンマーを思いっきり床に投げつけた。
その所作にはどうしようもない怒りと、どうしようもない不安が込められていた。
「夢じゃなかった。現実だった。だって、誰もいない。何度電話しても!何度同じ場所を捜しても!!!みんないない!!!
だって、あの化け物が、私が、ころ――」
言葉を続ける前に、美羽は膝から崩れ落ちた。
「美羽っ!!」
慌てて駆け寄る。美羽は顔を手で押さえ、溢れる涙を隠そうとする。
「違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う!!!
違うの、私じゃない。私はやってない、殺してない!あの化け物が、皆を化け物にしたあいつが、あいつがやれって、どうしようもなくて、怖くて、それで!それで!!」
「美羽!落ち着いて美羽!!大丈夫、大丈夫だから!!!」
一体何が大丈夫なのか、全く分からないまま僕は美羽の肩を掴む。
悲痛な叫びは続く。違う、違うと喉を引き裂く声がする。
「なんで夢じゃ無いの、おかしいよ、あんなのあっていいはずがない。
お父さんが、お母さんが、あんな化け物になって、美明が、よくわからない魚みたいになって、、、
それで化け物が食べようとして、なんか腕が黒くなって、それで、それで、殺してって、言って・・・・・・・・
っもういない!誰もいない!!私には誰も――!!!」
「大丈夫だよ美羽!僕が、僕がいるから!!」
その言葉を聞いて、美羽が僕に振り向く。
今日初めてちゃんと目があった気がする。深淵のような瞳から涙が溢れて止まらない。
「蛍。蛍は、蛍だけは、、」
縋るような声。自らに残った全ての希望を託したような声。
もう他にどうしようもないような目で、美羽は泣きじゃくりながら僕を見る。
「いなくなったり、しないよね?」
「・・・・・・・・・」
「壊れたりしないよね?」
「・・・・・・・・・」
「蛍だけは、ずっと一緒にいてくれるよね?」
「美羽・・・・・・・・・」
弱々しい視線は、同時に射貫くような目だった。
一切の逃げを許さない、そんな目。
もしここで僕が答えを誤れば、その瞬間に包丁を手に取り首をかっ切ってしまう、間違いなくそんな気がした。
答え。答え、答えは。
僕は深く息を吸う。緊張で乱れた心を落ち着かせて、精一杯の笑顔で僕は答えた。
「うん。僕は美羽が望むなら、いつまでだって側にいるよ」
僕は美羽を抱きしめる。
服越しに伝わる美羽の体温。重なり合って、心臓の鼓動が聞こえてくる。
本心だ。嘘偽り無い僕の本心。
だって君は僕にとって光だから。君が側にいてくれるだけで僕は幸せだから。
僕が少しでも役に立つのなら、いつまでも君の側にいる。
そう、誓える。
「ほ、たる」
美羽は僕の胸のなかに顔を埋めて、わんわん泣き出した。
僕は彼女を抱きしめ続ける。
美羽が落ち着くまで、僕たちはずっとそうしていた。
やがて美羽は泣き止み始めた。
ぐすっ、ひくっ、と今もしゃくり上げる声はするが、じきに落ち着くだろう。
だけど、どうしようか。
落ち着かせるように美羽の頭を撫でながら、これからの事を思案する。
美羽の話から察するに、美羽の家族はいない。化け物が、って言っていた。
考えたくはないが、この錯乱した様子から察するに、殺されてしまったのだろう。
それを考えて僕も泣きそうになる。美羽のご家族は優しい人だったのに、それがなんで・・・・・・。
この後、美羽はどうなるのか。
家族がいないこれからを、美羽はどう過ごすのか。
いっそのこと、僕の想造で生き返らせ──。
いや、駄目だ。そんなことできない。死人の完全な蘇生なんて、今まで出来た試しがないだろう。
それともあれか?姿は似ているが中身がすっからかんの動く人形を作って、これを両親だと美羽に差し出せばいいのか?ふざけるな。
死者と美羽に対する冒涜も甚だしい。一瞬でもそんなことを考えた僕を殴りたい。
ならどうするか。どうすればいいのか。
考えに明け暮れそうになったその時、インターホンが鳴った。
ピンポーンと、場違いな音が家に鳴り響く。
僕と美羽は玄関方向を見る。
「美羽、どうする?」
「・・・・・・・出なくていい」
美羽は数秒迷って、顔を横に振る。
確かにその通りだ。この惨状。目撃されたらどうなるか。
それを考えたら帰って貰うことが一番いい。
――はずだった。
「いやいや、それは困りますよ」
「!?」
音源は横から。いつの間にか誰かが立っている。
初老の男性。サングラスをかけ、柔和な笑みを携えている。
僕は美羽を庇うように前に立つ。美羽もその老人を睨んでいた。
そんな僕たちを見て、困ったように目の前の老人は頭を下げる。
「無断の侵入、どうかお許しください。しかし事は急を要します。
お二人とも、この老人の話を聞いてくれませんかね?」
これが、僕たちと店長との出会いだった。
その後警戒する僕たちに向かって、店長は懇切丁寧に説明してくれた。
顕現のこと。咎人のこと。堅洲国のこと。そして喫茶店・桃花のこと。
僕たちは桃花に招かれ、僕たち以外の顕現者と会った。
集先輩。天都さん。アラディアさん。霞さん。
店長は何かあればここに来るようにと言い、僕たちに多大な資金援助を行うと言い、可能な限りの望みを叶えると言ってくれた。
それが粛正機関の役目だと。
その後僕たちは別れた。僕は自分の家に、美羽は店長たちが話を聞きたいという事で桃花に泊まった。
美羽の家は直った。というよりかは、知らぬ間に改築されていた。
本人に聞いたところ、咎人がもう侵入できないように店長が改造ついでに美羽の意向に合うように色々してくれたらしい。
美羽の家族は、公には車に轢かれて亡くなったことにされた。
僕の家族にもそう知らせた。父も母も大いに不安げにしていた。
そして僕は、美羽との約束を守るべくそれから毎日美羽の下へ向かった。
朝には美羽の家を訪ね、夜は美羽が眠りにつくまで一緒に過ごした。
晴れた日も、雨の日も、降雪が激しい日も関係無しに。
そうしないと、美羽が消えてしまいそうだったから。
美羽は僕をいつも玄関前で待っていた。
寒いだろうに、そうしていた。
インターホンが鳴ると美羽は飛び出してきた。
溢れんばかりの笑顔を僕にだけ向けた。
それからすることは大体決まっていた。
買ってきたデザートを二人で食べたり、テレビを見たり、勉強したり。
幸せなんて人によるが、あの時の僕らはそれはそれで幸せだったと思う。
ほとんど家の中だったけど、二人でいられるだけでよかった。
それから、美羽に僕の顕現を打ち明けた。
実を言うと、僕は美羽が顕現者になるずっと前から顕現者だった。
発現したのは四、五才の時。気づいたらそうなっていた。
家族はもちろん美羽にも隠していた。口にしたところで気味悪がられるんじゃないかと思っていたから。
けど同じ立場になったからか、美羽は特に何も言わなかった。
それどころか友人が自分と同じ存在だと気づいて嬉しそうでもあった。
家には時々店長や霞さん、そして集先輩も来訪した。
店長は様子を見るため。霞さんと集先輩は人の良さから。
それゆえかこの三人とは比較的早くに仲良くなれた。
今に思えば互いが互いに依存していたのかもしれない。僕には美羽が必要だったし、美羽も僕が必要だった。
今は違う。高校に入ってからも美羽の家を訪ねたが、二年生になり、カナという素敵な友人が出来てから、それも終わった。
もう僕の役割は終わったのだと、カナの出現で分かった。
全てはゆるやかに戻っていった。
美羽は僕がいなくても笑うようになった。
店長への恩返しのため、裏の仕事もするようになった。
桃花の皆とも仲良くなって、表も裏も上手くこなせるようになって。
それなのに・・・・・・・・・。
咎人の、ファルファレナの出現でなだらかな日々は終わりを告げた。
彼女が咎人の強大化の原因。そして僕たちに呪いを告げた張本人。
『いっそ私が何もかも壊してあげようか?』
その言葉が、僕の頭からずっと離れない。
殺し合いの輪舞。悲劇の輪廻。
溜息が出る。つくづくうんざりだ。
頼むから、もう美羽から何一つ奪わないでくれ。
次回、LESSON1




