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自灯籠  作者: 葦原爽楽
自灯籠 千紫万紅の夏休み
182/211

第十六話 怪物の仕事

前回、デートその3



ニライカナイ レディエラ 第255層。


近未来的。あるいは異次元的と形容した方が適切な階層だった。

ありとあらゆる色が渦巻く、放つは異彩の光。

時空がランダムに歪むのはいつものことで、それを超えた存在でなければとてもこの空間を闊歩することは不可能。

見る角度によって絵柄が変わる図像や絵画は数あれど、ニライカナイの特異性は本当に現実が変わる点だろう。

全体的に研究室然としたこのフロアも、少し視点をずらせば和風の内装や自然に溢れた緑の庭園が現れる。


同じ階層内に、全く作りも構造も違う空間が同時に重なり存在している。

まず既存の科学では到達しえない域にある超技術。



二つの影が、そんな階層の休憩所にあった。

一人は白衣を着た梟。隣の人物に付き添い、彼に説明をしている。

もう一人の人物は、七大天使・ウリエル。


黄土色のボサボサした髪。生気を感じられない瞳の闇。

地味な服装に反して、超然とした、泥のようにへばりつく粘性の気配を纏っている不気味な男。

虚ろな瞳は、この世の全てを軽んじるようにも、この世の全てを喝采しているようにも見える。



「それでは、我々が進めている三つの実験。その経過を発表させていただきます」


白衣を着た梟が、目の前に展開された電子的な画面を操作し、ウリエルに実験の経過を伝える。


「まず、『天然物』に同じ思想の魂を喰わせ続けた実験についてです。

これは主に、狙った顕現を発現させることを目的としました。

例えば、恋の思想――以下、色と呼びましょうか。恋の色が大部分を占める魂を喰い続ければ、喰らった者は恋の色に染まるのではと思い至りましたので。

食べたものが身体を構成するものですから、それは魂も同じだと思いました。フラミンゴがわかりやすいですかね。あれはプランクトンを食べて身体が赤く染まりますから」

「フラミンゴか、あれは綺麗だね」


梟の話に対して、ウリエルは気怠げとも言える様子で、ともすれば話を関係のない方向に持っていこうとする。

話を全く聞いていないようにも思える棒読み。

しかしこれがウリエルの常態なので、研究者も気にせず続ける。


「はい。全く自然とは美しく調和されているものです。

話を戻しましょう。もちろん餌は『生産物』を使いました。ベースは人型。喰いやすいように四肢や頭部をもいだものを用意しました。

100人単位で喰わせ適宜データを取りましたが・・・・・・正直言って芳しくないですね」

「というと?」

「被験者は計10000名。堅洲国1~3層にいる鼠に協力してもらいました。

その後、思考――色の変化を量ったところ、前後で変化があったのは35名程度。

効果があるのかないのか、微妙な結果となっています」

「10000人で35か。確かに微妙だね。

けど研究は続けてね。一年やって数値に変化がなければ凍結するんだ」

「わかりました。

では次の経過についてお話させていただきます」


電子的な画面が変化。質量を供えた情報が、空間に立体的にデータを写す。

梟の研究者は触れてもいない。空間に偏在するシステムがその思念をキャッチし、0秒で望む情報を検索しただけなのだから。


「『餌場』についてです。

念のため説明させていただきますが、餌場とは堅洲国の各層に設置した、いわば鼠たちの補給ポイントのようなものです。

ニライカナイで生産し、魂喰いをさせそれなりの霊格を供えた餌を、無力化した上で堅洲国の一定区画に数千単位で設置する。

後はそれを嗅ぎつけた住人たちがそれを喰らい、自らの霊格を増大させるというものです。

それゆえ、餌場を占領しようと縄張りの内に取り込む者も出ていますが、まあもっともな考えです。

餌場の奪い合いにより、競争も促進できたかと思われます」

「それは良いことだ。次の階層に降りる者も増えるね」

「ええ。これに関しては経過は良好でございます。住人達の反応も上々。我々としても彼らが強くなるのは戦力の増加を意味します。

ウリエル様さえ良ければ、この実験は引き続き継続させていただきたいのですが」


その言葉に対して、ウリエルは寛容とも無関心ともとれる視線を向ける。


「僕の許可なんていらないさ。好きなことを好きなようにすればいい。それがここのルールだろう。

ましてや僕たちに利することならなおさらにね」

「ありがたきお言葉でございます」

「ああ、そうそう。気になったんだけど、生産プラントは今のままで足りてるかな?

餌場もあればあるほど住人にとって嬉しいものだ。

それに、ただ喰わせるだけが加工物の良点じゃないだろう。無限に産み出せるんだ。

労働に使うなり観賞用にするなり、需要はそれなりにあるからね」

「生産プラントですか。現在ニライカナイに500以上はありますが、確かに多いとは言えませんね。

ウリエル様がお望みならば、1000でも2000でも増やしますが」

「だから、僕の言葉を待つ必要なんてないよ」

「これは失礼いたしました。新たに建築したプラントにつきましては、後ほど報告させていただきます。

では、最後の報告に移ります」


生産プラントに関する報告書に『OK』の文字が追加され、次の資料へスクロールする。


「最後は、魂喰いによる生物濃縮の研究についてです」


生物濃縮。蓄積性のある物質を生物が取り込み、その生物を餌とする捕食者が食べ続けることで、体内にその物質が溜まり続けること。

食物連鎖の仕組みで、上位の捕食者になればなるほど物質の濃度が高まる。それを生物濃縮という。

有名な例は水俣病(みなまたびょう)。工場から排出されたメチル水銀を、環境の生物が取り込み最終的に人間が食べる。それにより多数の水銀中毒を起こした事件。


「これは主に粛正者への攻撃方法の一種として構想しました。

魂喰いを防ぐことはできない。輪廻に返す方法もありますが、物好き以外はしませんからね。

咎人に対抗するためにも、粛正者は魂喰いを利用せざるを得ない。

そこにつけ込むことが出来ればと思いまして」

「まあ、自然な発想だね。

それで、結果はどうだった?」


問われた梟は眉根を寄せた。


「これも、あまり期待はできません。

消化する力とでも言いましょうか。

毒や不要な想念を、取り込んだとしても消化し排除する能力が顕現者は強いのです。

最初に報告させていただいた実験内容とも関連しますね。喰われた魂は自我が消え、意思も消え、ただ巨大な霊格のみを捕食者に提供する。だから捕食した内容物は、霊質への影響は少ないのでしょう。

たとえ喰われた他者に自我を潜入させ、内側から乗っ取ろうとしても、強力な消化能力の前には無意味。

どちらにせよ、生物濃縮の発想を元にした魂食いの利用は凍結した方がよさそうです。

報告は以上でございます」

「ふぅん、そうか」


全ての報告を聞いたウリエルは、濁った瞳はそのままに微笑む。


「たびたび言っているけど、僕たちは()()()()()()()()()

たとえ予測した結果に至らなくても、その失敗したという結果はそれだけで重要な記録だ。

だから好きなだけ失敗してくれ。そしてそれに悲観する必要はない」


なんたって資材や資金などいくらでも生み出せる。

全能者であるウリエルに干渉できないものは、同格の顕現者くらいのものだ。


「君たちも、僕にできることがあれば言ってくれ。

出来る範囲でなんとかするから」

「ああ、ウリエル様。

ではさっそくなのですが、少々よろしいでしょうか?」


梟は、近くにいた女性を一人手招きし、自分の横に並ばせる。


「こちら、先日こちらに配属された顕現者の(ちょう)と言います。

位階は力天使(ヴァーチュース)。プラントの作業を担当させたいのですが、我々はこれから会議があり手が離せないのです。

雑用を押しつけるようで心苦しいのですが、どうかこの娘に色々と教えてさしあげてはもらえないでしょうか?」

「全然いいよ。僕も予定ないから。

ええと、弔さん? 口下手だけど、僕でよければ案内するよ」

「はい。ご指導よろしくお願いします。ウリエル様」


きっちり90度の角度で丁寧に頭を下げる弔。

ウリエルも彼女に頭を下げる。


「よろしく、弔さん。自己紹介はする意味あるかな?」

「いえ。ウリエル様は大変有名な熾天使であらせられます。

七大天使であるウリエル様の事を知らない鼠はいません。

必要な情報は頭に叩き込んであります」

「そうか、ならよかった。

説明の手間が省ける」


実際、ウリエルは七大天使の中でも、ミカエルやアズラーイールと並んで有名な咎人だ。

前者はその武勇が、後者はその暴虐性が世に伝わっている。

そしてウリエルは、主に実験・調査の領域で名を残している天使だ。


膨大な調査結果から、顕現の種類を『具現型』『無形型』『展開型』の三種類に大別し、その枠内でさらに『派生型』『触発型』など46種へ小別したのも彼。

その論文が高天原や粛正機関でも使われていることが、彼の正当性や普遍性を際立たせている。

無論、その栄光の影には血の海と呼ぶことすら生温い程の命が失われているわけだが。

そのほかにも『分御霊(わけみたま)』という術式を使った魂・自我分割法の究明など、形而上学の分野にも足を突っ込み、ニライカナイや堅洲国の援助に力を入れている。

『塔』の実質的支配者であり、ここに入り浸る研究者達とも顔なじみの存在だ。


それゆえ彼のことを知らない者の方が少ない。

今回ここに配属された弔も、それは周知のこと。


「じゃあ、さっそくプラントに向かおうか。

実際に僕が操作するから、それを見て覚えてくれ」

「はい」


了承の声と同時に、その階層から消える二人の姿。

思考と同速でワープ機能が発動し、二人をここではないどこかへ移送した。



■ ■ ■



「へえ、それじゃあ弔さんの近くにはバーガーショップがあるんだ」

「はい。そのせいでほぼ毎日そこに通ってるんです」

「確かに、あのグリーンバーガーは美味しいからね。

まずパティにアカサクロガエルを使ってる時点で目の付け所が違う。独創的で素晴らしいよ。

何より味が良い」


プラントに着くまでの道中、弔とウリエルの二人は話しながら歩いていた。

話題は食べ物。話は弾み、すっかり打ち解けている二人の姿がそこにはあった。


周囲を歩くのは人――ではない何かが多数存在していた。


服を着た異形の群れ。豚や牛や鳥や猫や犬や茸や花や木や・・・・・・・。人面犬が歩いていたって、なんら驚くに値しない。

地面を這う獣と小人は器用に巨人の足を避ける。

空を舞う鳥類は烏や鳩などではない。鶏に孔雀に不死鳥に、今飛び立った巨大な影は50メートルはあろう竜。

空気中を微細に見れば、一㎜程の空間に、数(がい)から数(じょ)に及ぶ程の微生物や細菌、ウイルスが漂っている。

幻獣と呼ばれる高位生物が、その高い霊格を隠すことなくさらけだす。


生活環境も何もかもがバラバラ。

超多文化社会。それは人だけでなく、様々な生物に適用されるもの。

他者の不理解による血みどろな風景は珍しくない。外出し、一㎞も歩けば、何者かの死骸に遭遇することなど日常茶飯事。

好きに生きろ。好きに成せ。好きに死ね。ニライカナイの主が放任主義者である以上、その支配下は実力主義的な傾向が強まる。

しかし決してそれだけではない。今のニライカナイは初期の混沌に比べるとだいぶ平和になった方であり、塔の研究者による努力がある程度実を結んでいるのは確かだ。


そんな歩道を歩きながら、弔はウリエルに話す。


「それにしても驚きました。

ウリエル様ってなんというか、もっとこう、近寄りがたい方だと勝手に思っていました」

「近寄りがたい? なんで?」

「そりゃあもう、七大天使といえば堅洲国中で名を轟かす大咎人ですから。

美の化身であるカマエル様しかり、暴虐の嵐を巻き起こすアズラーイール様しかり、堅洲国を代表する存在であることは間違いありません。

私の周りにも、七大天使に憧れている者もけっこう存在します。

その一人であるウリエル様も、なかなかにぶっ飛んだ方なんじゃないかって、配属される今日までちょっと心配でした。

でもそんなこと全然ないですね。目下の私にも優しくしてくれるんですから」


嬉々として話す弔。事実、彼女もまた七大天使という存在に憧れている1人だった。

詳細不明。されど実在はしている。

強大な力を持ち、思うがままに振る舞う高嶺の花。

その罪状は知られている。恐れられているし、出来れば遭遇したくない災害としても認知されている。

されど、そういう存在にこそ人は憧憬の念を抱くものかもしれない。


さながらスーパースター。あるいは庶民に人気のヴィラン。

ましてや一度でも七大天使に命を救われた者がいるならば、その崇拝は極限まで高まるだろう。


それをウリエルは、特に印象操作もしていないんだけどな、と一人思い耽っていた。


「それは職業柄だよ。普段の僕はこんな流暢に喋れないし、休日はほとんど家に引きこもってる。

スイッチが切れると駄目人間になっちゃうから」

「そうなんですか?

こんなこと言うと怒られるかもしれませんが、ウリエル様って庶民的だったりしますか?」

「まあ、他が色々おかしいだけで、僕はまあまあ正常だって自覚はあるよ。

最近は料理にハマってるからね」

「料理ですか」

「うん。カレーは飽きたから今はシチューを研究してるんだ。

お肉や野菜の具材を変えながら、どうすればもっと美味しい味が作れるか試す。とっても面白くて奥深いよ」

「へえ~、ウリエル様お手製のシチューですか。

私も食べてみたいです」

「ふぅん、そう。

機会があれば食べさせてあげるよ」

「ほんとですか!? ぜひお願いします!」

「うん。一人で食べるより大勢で食べた方が楽しいしね」


平和な会話。仮にも七大天使と呼ばれるウリエルがそのようなことをするのか疑問に思うが、しかしこれも当然のこと。

友好的な関係を築くことは仕事に欠かせない。

ウリエルがそんなことを気に掛けているのかどうかはともかく、良質な人間関係は仕事の質を上げる。


「ウリエル様って顕現だけでなく、料理の研究家でもあるんですね」

「研究家ってほどでもないさ。あくまで趣味の範囲で――」


唐突に、ウリエルの言葉が中断する。

それまで微睡んでいた彼の眼が、覚めたように開かれる。

横にいる弔はその変化を怪訝に思うが、数瞬後、その理由が分かった。



二人が歩く歩道の向こう側。

黒く、異質な、そこにあるだけで風景が歪む程の何かが、空間を突き破り現れた。

暴風。超大な力が死を孕み、その街道に吹き荒れる。


圧倒的なプレッシャーを、他者の存在など知ったことかと発しているのは、巨躯の黒馬だった。

歩道を行く全ての存在が、突如現れたその存在に驚愕し、大別して二通りの行動に出た。

知恵ある者は即座にその場を離れ、そうでない者は黒馬が放つ気によって大地に押し潰され消滅する。

結果、数万人はいたその街道は無人と化した。

その中には智天使や座天使クラスの咎人さえ存在していたのに、皆尻尾を巻いて逃げだしたのだ。

当然の反応だ。その黒馬の通った跡、例外なく骸しか残らないのだから。


重力が数万倍にも増したような、馬鹿げた超圧力。

死に絶える空気と音と気配と色。

弔が無事なのは、ひとえに超常存在たるウリエルの側にいるからに他ならない。


「なんだ、彼か」


血と死の色に染まった視界。ウリエルは普段と変わりなく、歩みを止めることなくその黒馬に近づいた。


「やあ、アズラーイール。相変わらず君は容赦がないね」

「・・・・・・ウリエル。いつ見ても貴様は湿った男だ。

鼻が曲がりそうになる」


嫌悪、愚弄。それを隠すことなくウリエルに浴びせる、アズラーイールと呼ばれた黒馬。

その目はどうしようもない愚か者として同僚を映し、その口はただ魂を傷つける刃の言葉しか垂れ流さない。

平常運転のようでなによりだと、ウリエルは肩をすくめる。


五メートルはあろう体高。開けば人間など一口で飲込み噛み砕く大口。

一歩ごとに沈み込む蹄は、大地を殺して草も生えない不毛の土地を作り出す。

全身に纏う濃密な死の気配は、顕現者であってもそれに触れれば死滅は不可避。

おそらく、七大天使の中で最も殺戮を犯している存在。


漆黒の龍馬。死の使い。『災禍』の天使。

それが、七大天使・アズラーイール。

その本質は、尊大で、傲慢で、他者を侮蔑し嘲る、俗に言う性格の悪い奴だ。


「ああ、臭い。臭いぞ。

貴様が歩くだけで外が穢れるとは思わんのかゴミ袋が。

掃除屋は何をしている。最大級の汚物がここにいるだろうに」

「君がいるから怖くて近寄れないんだよアズラーイール。

それに、君だって分かっていてやってるんだろ?

だから皆に嫌われるんだよ」


見下し、気品の欠片もない罵詈雑言を吐くアズラーイールに、ウリエルは友人に対する口調を変えずに接する。

それをアズラーイールは鼻で笑う。


「はっ、恨み辛みを吐くことしかできん雑魚の戯言など耳に届かんなぁ。馬に念仏というものだ。

それよりも貴様、どこに行く気だ。『塔』に引きこもるが貴様の仕事だろう」

「たまには外に出たくてね。これからこの子を連れてプラントに行く。そういう君は?」

「仕事だ。『塔』に用がある」


そのついでに、ニライカナイの住人を片っ端から殺しているというわけだ。

別段、ウリエルはそれを咎めているつもりはない。

殺し殺されが当然の世界がニライカナイ。

むしろ殺すたびにアズラーイールが強大化するのだから、同僚としてはこのまま邁進して欲しいまである。


横を通り過ぎる時アズラーイールは、じろりと、傍らにいる弔を一瞥し、


「女にばかり現を抜かすなよウリエル。

その腐った脳髄、いつ撃ち抜かれても不思議ではないぞ」

「ハニートラップには気をつけろってことかな。

ありがとうアズラーイール。精々気をつけるよ」


言いたいことを言い終えたアズラーイールは、そのまま一瞥もせずに、ウリエルたちの横を通り抜けていく。

その姿が見えなくり、ウリエルは再び歩き出す。

弔もそれに続くが、数十秒してウリエルに問う。


「・・・・・・ウリエル様、良かったんですか?

言われっぱなしでしたよ。反論の一つでも言った方が良かったんじゃ」

「大丈夫だよ、どうでもいいから。

産まれた時から自我というものが希薄で、他人から何を言われても反応が薄いんだ。

それに荒事は嫌いなんだ。穏便に済むならそれに越したことはない」


淡々と話すウリエル。その口調からは、確かに憤りなど一片たりとも感じられなかった。


「彼の行動には全て意味があるんだよ。

それよりも、着いたね」


ウリエルが立ち止まる。

その目の先にはドーム状の建物があった。



次回、プラントの中

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