表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自灯籠  作者: 葦原爽楽
自灯籠 千紫万紅の夏休み
172/211

第六話 甘い恋の行方・後編

前回、ドロ甘



時刻は、十二時ちょうどくらい。

ホットケーキとクレープを全て胃の中に治め、ああ美味しかったと小休憩。

お皿を片付けながら、私はどうしようかと頭を悩ませていた。


これで午前は過ぎてしまった。残るは午後の時間のみ。

告白しようとすれば、できたタイミングはいくつかあった。

それでもできなかったのは、私の躊躇によるものが多い。

いざ言葉にしようとしても、喉でその言葉が止まってしまう。

それで戸惑っていると、タイミングを逃してしまって、会話が流れてしまうんだ。


告白がこんなに、こんなにも勇気が必要な行為だとは思わなかった。

これなら咎人と戦ってる時の方がまだ平常でいられる。

窒息するほどの殺意を浴びている方が、まだ自分らしくあれる。


蛍はどんな告白の仕方が嬉しいのかな?

雰囲気を作って、いかにも仰々しい感じがいいのか。

それとも簡潔に、「ねえ、私たち付き合わない?」って言った方がいいのか。


悩む。大いに悩む。

ググっても色んな告白の仕方や考えがあって、分かったことは結局人それぞれってこと。

だから蛍に適した告白を探す必要があるんだけど、それが何なのかは検討がつかない。

本人に聞くなんて論外。だから今までの経験から――私が思う蛍の人物像から推測する。


蛍はいつも優しくて、私を庇ってくれて、守ってくれて、笑顔にしてくれて、

気にかけてくれて、本心から心配してくれて、側にいてくれて、私のことを思ってくれる。

病で伏した時は看病してくれて、最近では料理も作ってくれて。

・・・・・・こうして並べるだけでもかなり素晴らしい人物だ。

奏が言った通り、他の女性に好まれても不思議ではない人柄であることは確か。

だからその前に、蛍が他の誰かの手に渡ってしまう前に。私が告白するんだ。



「蛍、次はゲームしよ」


ゲーム機を取り出し、2人分のコントローラーを取り出す。

2人でゲームを進める。それに乗じて、良いタイミングで告白するというプラン。

だからゲームも選ぶ必要があった。


所々で休憩し、会話ができて、なおかつ2人で遊べるゲーム。

だけどそんなゲームがあるのだろうか。



あった。



タイトルは『比翼連理のクワルナフ』という、まあ探せばありそうな名前。

ジャンルはドラマチックアクション。適度な文章とアクションで物語が進む。

この前アラディアさんの特訓でゲームをしたけど、あれと似たようなゲームだ。


善と悪という、相容れぬ二つの陣営に分かれた少年と少女が、対立を交えながらも、交流を重ねていく。

そして、最後には・・・・


パッケージに書いてある内容を略すと上のようになる。

最初は対立していた男女が、交流を重ねるうちに互いのことを知って、そしてついに結びつく内容。

王道だ。レビューも星4.4となかなかだった。

まず最初にプレイヤーは、善と悪のどちらかの陣営に属するか決める。

そこからストーリーが進行するというわけだ。


このゲームの特徴は、2人でプレイすると、ストーリーがそれぞれ進行するという点。

つまり私は私のストーリーをプレイしながら、蛍は蛍のストーリーを遊べるというもの。

すごい画期的なシステムだ。一つの画面で二つのストーリーが同時進行するなんて、今まで見たこともない。


さっそくコントローラーを手に取った私と蛍は、アバターの外見を設定し、いざゲームの世界へ。

2人プレイを選択し、名前を入力。

すると、画面に斜め線が入った。

何のことかと眉をひそめると、斜め線の中央に可愛らしいキャラクターが現われ、説明を始めた。


『分かたれた右と左。どっちがいいか選んでね』


つまり、この斜め線の右と左がプレイヤーの視点となる。

選んだ結果、私が左で蛍が右を選んだ。

中央の顔はなくなり、しばし黒い画面が続く。




『世界には、決して交わらないものがある』


黒い画面に、音声と共に現われた白い文字。


『水と油。氷と炭。そして善と悪。

互いに不倶戴天の敵で、滅ぼさなければ自分が滅ぶ』


声音は高い。まるで幼い少女の朗読のよう。


『だからこそ、和解の道を探ろうなどとすることは、非常に愚かしい行為なのです』


黒い画面が白に変わり、次に現われたのは戦火。

倒壊する建物。立ち上がる土煙。潰される人。振動するコントローラー。

そして、崩壊した街を走る二つの影。

武器を構え、立ち塞がる相手を、微塵の容赦もなく切り裂く。

舞い散る鮮血。それを浴びた顔を拭い、少女と少年は呟く。


『善は皆殺しよ』

『悪は皆殺しだ』


そして前方に、新たに出てくる敵。

それに向かって、少女と少年は駆けだした。




「・・・・・けっこう殺伐としてるね」

「う、うん」


あれ、ゲーム選びしくったか?

予想の3倍くらいドメスティックなんだけど。

皆殺しからどうやって告白に繋げればいいんだろう。


と、ともかくチュートリアル開始。

画面の斜め線で区切られた視界で、私と蛍のアバターは襲い来る敵をバッサバッサとなぎ倒す。

しかも、血の表現がけっこうエグい。

攻撃するたびにアバターの服が血で染まっていく。地面が血で染まっていく。見辛くならない程度に、画面も血で染まる。


ひとしきりチュートリアルが終わると、フェードアウトする戦場。

斜め線で分かたれた左右で、それぞれストーリーが進行し始めた。



蛍のアバター。善を選んだ者は絢爛豪華な城下街に住まい、悪との戦闘に向けて日々鍛錬と修行を重ねている。

私のアバター。悪を選んだ者は定まった住居を持たず、仲間を持たず、ただ己一人の力を以て殺戮を繰り返す。


誰かに話しかけたり、戦場で戦ったりすることで物語が進むようだ。


いわゆるNPCから話を聞くことで、この世界の一般常識が私たちにも理解出来る。

善と悪に決まった定義は存在せず、どこか漠然とした理由で両陣営は殺し合っている。

相手が善であるか悪であるかは本能で分かるとのこと。これによりスパイやだまし討ちは通じない。

善は結束を売りにして、悪は一騎当千を誇る。

だから善を選んだ蛍のアバターは、他者との協調により効果を発揮するゲームシステムが存在する。

反面、私のアバターは一人なので、基本性能が高く一対一ではそうそう負けることはない。

だからといって無双できるかといわれればそうでもなく、攻撃を受ければそれ相応に体力は減る。


二人とも大体の世界観を掴んだところで、物語を進めるために次の戦場へ。

先ほどチュートリアルをしたことで、ボタンがどのアクションに対応しているのかは理解した。


敵をバッサバッサと切り倒し、ストーリーが進行する場所まで進む。

そして、ムービーが流れると、そこにいたのは――


「え、蛍?」

「どうやら、そのようだね」


ムービーに現われた、いかにもこれから殺し合いますよっていうキャラクター。

それは、見間違いもなく、お互いのアバターだった。

武器を構え、一触即発の空気が流れ出す。


え、殺し合うの? 蛍と? 蛍のアバターと?

これから告白する予定の相手と? うそでしょ?


本格的にゲームのチョイスを間違ったと頭を抱えながら、それでもコントローラーを握る手は移動と攻撃ボタンの上にある。

現実でも手合わせは何回もしてるし、それがゲームに変っただけだとポジティブな考えにシフト。

私は不安を押し殺して、横にいる蛍に言う。


「私が勝っても恨まないでね」

「それは僕の台詞だよ。サンドバッグになるつもりはないからね」


冗談を交えながら二人で笑い合い、なんとかその場の空気の上方修正に成功する。

ムービーを終え、開いた視界の先にいる相手に向かって、突撃。


蛍は一部隊に所属している。数の優位を利用するのに適切な編成だ。

基本5人1組。必然的に私は5人の敵を倒すことになる。

こういう時は一人を集中的に狙って、徐々に壊滅に追い込もう。


蛍からすれば、なんとか隊の連携を保ち、一人も欠けないように配慮しながら立ち回る必要がある。

一体のモンスター相手に、数人で立ち向かう編成。

この場合、私がモンスターなのだろう・・・・・なんか悲しいな。



そして、激戦の結果。


「負けた・・・・・」


ポツリと呟いたのは私。

あと一歩、あと一撃、といったところで、私は蛍のアバターに破れた。

しかし実際にゲームオーバーになるわけではない。手傷を負った私のアバターは、一時撤退することに。

それを善側は追撃しようとするも、彼らもまた予想以上のダメージを負い、追撃は叶わない。

殺意が激しいファーストコンタクトとなったわけだ。第一印象最悪だね。



物語が進むごとに、徐々に解き明かされていく二人の過去。

それぞれに善を選んだ、悪を選んだ理由があって、並大抵のことでは和解などできそうにもない。


けど、中盤から様相は変わる。


物語が進み、なぜ善と悪が存在するのか、その真相を探るべく各自で行動する。

そして、突如現われた謎の敵。

善も悪も、その敵が生み出した価値基準に過ぎず、皆踊らされただけだと。


私のアバターも蛍のアバターも、ボロボロになりなんとか生きながらえた状況で、再会を果たす。

二人にとって共通の敵を確認し、そして、一時的に二人は共闘することになる。


アラディアさんも言ってたな。結束したいのなら敵を作れって。

共通の目的を持って、そのために協力せざるを得ない状況を作る。

そうすればあとはなし崩し的に事が進む、と。



ぶつかり、仲違いし、反発し、喧嘩して、

けど手を取り合い、庇って、守って、笑顔も増えて、

段々、彼/彼女の姿に惹かれていく。


やがてそれは最高潮にまで達する。

敵の軍勢に囲まれ、背水の陣をとる二人。

このままでは二人とも死んでしまう。だからこそ私のアバターは、逃げてと蛍のアバターに言うが、

彼は、頭を横に振る。


「逃げない。逃げたら、君を置いていくことになる。

それは嫌だ。断じて嫌だ。

君を守る。それこそが僕の善だから」


私が何を言っても、彼は聞かない。その言葉通り、刃の群れから私を守る。近づけさせない。

ついに折れたのは私の方。怒りと呆れを覚えて、だけど薄く笑って、


「なら、私は貴方の敵を倒す。それこそが私の悪だ」


互いの間で結ばれたその感情は、愛と呼べるものであることは一目瞭然。

その愛は奇跡を生み、絶望的な状況を覆す一手となる。


終盤。私のアバターを筆頭にした悪と、蛍のアバターを筆頭にした善が手を組み、強大な敵に立ち向かう。

呉越同舟(ごえつどうしゅう)。完全な和解にはほど遠く、利用してやろうという魂胆が見え見えの両軍。

だけど、肩を合わせて協力する。それを成し遂げられたことは、重大な一歩となる。

そして、ついに手を合わせた二人の力が、黒幕を穿ちその計画を頓挫させた。

見事なまでの大団円。やっぱり物語はハッピーエンドじゃなくちゃ。


私も蛍も、はぁーと感嘆のため息をつく。

いやすごいなこれ。レビューで星4.4は嘘じゃなかった。

胸がすっとする。心が高鳴る。

やっぱり良作というものは、見る者の心を揺さぶり、時には感激の涙を流させるもののことを言うのだろう。

素晴らしく有意義な時間を過ごした。勇気を貰えた。今から咎人を粛正しろと言われても「バッチ来いです!」と言えるくらいには。



けど、私何か忘れてるような・・・・・・





あ・・・・・・・・・



あああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!



しまった!! すっかりゲームに夢中になって、告白のタイミング完全に逃したぁぁぁぁああああああ!!!


あったじゃん!! 中盤の終わりらへんで最高の告白場面が!!

あれ以上に盛り上がったシーンはなかったよ!? 乱戦のさなか二人が告白して、「もうお前ら結婚しろよ」とニヤニヤする顔を止められなかったあのシーンが!!!


あ、ああ、ああああ。

ど、どどどどどうしよう。どうすればいい私。

横目でチラリと蛍を見る。

蛍は感極まった顔でゲームのエンディングを見て、その余韻に浸っている。

蛍が嬉しそうで何より、って違う!


え、何? 時間的にもこれで終わり?

蛍と一緒に甘い物作って食べて、一緒に感動できるゲームして、

肝心の告白が出来ずに終わり!?


なにそれ、一番最悪じゃん。後で後悔しか残らないじゃん。

かといってここからどうやって告白に繋げよう。

既にエンディングに入っている。その後の二人や善と悪の動向について、一人一人詳細に綴られている。


しょうがない。無理に押し切ってもあれだし、今回は告白なしにしよう。

生涯に一度の体験なのだから、最高の瞬間を記憶に残したいと想うのは当然のこと。

今回は私がリサーチ不足だった。次は入念にググって、観覧車とかで告白でも検討してみよう。


諦めて一区切りついたおかげで、私はゲームの方に意識を戻した。

それにしても、懐かしい。昔もこうして蛍とゲームしたな。

私か蛍の家で、二人で笑いながらも真剣に、面白かったねとか言いながら。


・・・・・・あ、そうだ。

回顧(かいこ)の念を忘れないうちに、私は行動に移した。




「蛍、その姿勢キープしてて」

「え?」


横に座っていた美羽が、突然立ち上がる。

僕がどういうことかと問う前に、

美羽が、あぐらをかいていた僕の足に、すぽりと収まるように座った。


「え、ちょ――」


近い。とても近い。美羽の黒髪が至近距離で見える。

それと同時に微かに香る良い匂い。

僕にもたれかかる美羽の背中。服ごしに感じる彼女の体温。

目に映る美羽の肌と、柔らかな産毛。

結果として僕の心臓が跳ね上がり、頬が紅潮したのは言うまでもない。

こんな不意打ち、さすがに想定していない。


「美羽、どうしたの、いきなり」

「昔の事思い出したの。

小さい頃、私たちこうしてなかった?

二人でゲームする時も、ただ会話しているだけの時も、ずっとこうしてたって思い出があるの」

「・・・・・ああ、確かにそうだったね」


言われて、僕も幼い頃を思い出す。

学校から帰っては、美羽か僕の家に行って、二人でずっと遊んでいた。

美羽の体温が感じられて、この姿勢はとても心地よかった。

振り返って僕の顔を覗き込む美羽の笑顔に、僕は何度心をときめかせただろう。


例え目に映る全てが暗く沈もうと、美羽がそこにいるだけで光が射して、様々な色の花が咲き誇る楽園に変わったんだ。

それは、今も変わっていない。むしろさらに輝いて、まともに直視もできないくらいだけど。


僕の直感が告げている。

告白のタイミングは、今この時を除いて他にないと。

緊張で唾を飲む。それを察せられないように、僕は言葉を吐き出した。


「ねえ、美羽」

「ん?」

「実は、今日どうしても君に伝えたいことがあるんだ」

「あ、実は私もそうなの」

「このまま、言っていい?」

「うん」


ついに訪れるその瞬間。

一言一言に、万感の想いを込めて。


「美羽。僕は君が好きだ。

今までは友人としての好きだったけど、いつの間にか君を異性として認識してたみたいだ。

君のことが世界で一番大事だって思う。君ともっと一緒にいたいんだ」


ついに吐き出した僕の本音。

言葉は意外とスラスラ出てきた。まるで、今までこの瞬間をずっと待ってたと言わんばかりに。

それを受けて、美羽は綻んだ笑みを浮かべる。


「ありがとう。私も蛍が好き。大好き。世界で一番好き。

蛍と一緒にいるとそれだけで幸せを感じるの。

私の全部をあげたいって思えるし、蛍の全部が欲しいって思う」


美羽の口から紡がれるその言葉。その一字一句を、全思考と精神を集中させて聞き届ける。

熱烈な感情表現。耳まで真っ赤にした僕は、過去最高に変な表情をしている顔を手で隠す。

思わず、続けようとした言葉を飲込んでしまいそうになる。


けど、この言葉だけは、絶対に僕が言う。

三人で海に行ったあの日から、それだけは心に誓っていた。

万感の覚悟で、そのセリフを口にする。



「「僕たち/私たち、付き合わない?」」



奇しくも、言葉は重なった。

僕も美羽も、唖然として真顔でお互いの顔を見つめ合う。

沈黙は数秒続いて、



「ふ、ふふ」

「あはは、」



次いで、漏れ出たのは笑み。

それは、徐々に大きくなって。


「「あはははは、はははははははははははははは!!!」」


呵呵大笑。笑顔の大輪が咲いた。

おかしくて、嬉しくて、不安が消えて、救われて。

色んな理由が混ざり合い、それが残らず幸福の元に祝福されて。

ひとしきり笑って、再び顔を合わせる。


「ありがとう。よろしくお願いします、蛍」

「こちらこそ。ふつつか者ですが、どうかよろしく。美羽」


やけに礼儀正しくなったのはご愛敬だ。ここから新しい僕たちが始まるのだから、その初めは慇懃なくらいが丁度いい。


「なんだか恥ずかしいね」

「うん、心臓がバクバクして爆発しそうになっちゃったよ」


僕の言葉に、美羽はとびきりの笑顔と、赤くなった頬を見せる。


「もしかしてだけど、カナに催促されたの?」

「うん、いい加減付き合えってね」

「実は私も。ふふっ、カナって恋のキューピッドだったんだね」

「ははは。そうだね、後で連絡しないと」


冗談を交しながら、目尻に溜まった涙を拭う。


「告白ついでにさ、蛍。

一つお願い聞いてくれる?」

「なに?」

「これも小さい頃にしてたことだけど。

後ろから、私を抱きしめて」

「うん、分かった」


絹のような黒髪に触れて、両腕を回し輪を作るように美羽を抱きしめる。

さらに重なる二人の肌。バクバクと震える僕の心臓の音が聞こえないか心配だ。

美羽が今どんな表情をしているのか、気になって仕方が無い。

でも、同時にとても嬉しい。

それが幼い頃に戻れたゆえのものなのか、初めて恋人っぽいことができたからなのかは分からない。

美羽がこちらを振り向かないのは逆に助かった。

緊張と喜色の入り交じったカオスなこの顔は、とても見せられたものじゃないから。



優しい、骨董品に触れるかのような抱擁に、美羽も至福の笑みを止めることはできなかった。

天国に昇るかのような幸福と共に、恋人の愛を感じる。

この世に、これほど幸せなことがあるのだろうか。

きっと、あとでこの時のことを何度も思い返すだろう。

蛍の体温と共に。



比翼の鳥、連理の枝。月が綺麗、時よ止まれ。

色んな言葉が思いついては消えていく。

これから先、どんな未来が待ち受けているかは分からない。

けど、必ず君/貴方は幸せにしてみせる。

そう、二人は無言の内に誓い合った。



次回、お姉ちゃんの悩み

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ