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自灯籠  作者: 葦原爽楽
自灯籠 天蝶乱舞
166/211

第六回 QandAコーナー

前回、決着



霞「QandAだああああああああああああああああ!!!

今回もやってきましたぜこの時がよおおおおおおおおおお!!!」


美羽「か、霞さん。落ち着いてください」

蛍「というより、いつもこんな感じじゃないかな?」

霞「ああ~、ようやく面倒事ぜんぶ片付いたって感じ~。

よくよく考えたら私、堅洲国から帰ってきた後すぐファルファレナへの対処に回されて、まともな休暇とってねぇぞこんちくしょう~」


蛍「まあ、粛正機関は超法的ですから」

美羽「家に帰って充分に休んでください」

霞「もちろんそうするよ美羽ちゃん~。

これから家に帰って酒飲みまくって泥酔するもんね~。

朝昼晩毎時毎分毎秒酒を取り込み続けるのよ。

一週間くらいそうしてよ」


蛍「霞さん、死なないでくださいね」

霞「さあて、んじゃそろそろゲスト呼ぶとしますか。

本日のゲストは、こいつらだ!!!」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド




パンパカパンパンパーン



巨人&アレグラ&キラナ&リヤーフ&ファルファレナ「「「「「どうも」」」」」



美羽「多っ!」

蛍「今回犠牲者多かったからね」


美羽「ま、まさかこれ全員紹介するんですか!?」

霞「するよ~。吐血覚悟でするよ~」 


巨人「・・・・・・・」

アレグラ「ガハハハハ!!これが舞台裏というものか、登場するのは初めてだ!!!」

キラナ「オーム・ヴァイシュヴァーナラーヤ・ヴィッドゥマヘー・ラーリーラーヤ・ディーマヒ・タンノー・アグニヒ・プラチョーダヤートゥ」

リヤーフ「  、  。(上手く発声できてない)」


ファルファレナ「やれやれ、宣言通りこのコーナーに連れてこられるとはね」

美羽「ざまあみろです」

蛍「貴方は封印されたんですから暇でしょう。ですから解説の一つでもお願いします」

ファルファレナ「おや? 何を言う。封印なんていずれ破れるのがお約束だろう」

蛍「えぇ・・・・・」



Q、全員の顕現について



巨人「・・・・・俺か・・・。

顕現の名は『彼方に輝く自由を(リベラスラボ)

一言で言えば・・・・・押しつける能力だ。

自分が負ったダメージや他者からの干渉・・・・・・どころか自分に関係ない森羅万象に影響を及ぼす・・・・・・

例を上げるなら・・・・・・自分が大地に向かって殴れば・・・・・・・・その威力を全く関係ない第三者に押しつける」

霞「うっへぇ、とんでもない顕現だね~。

単純な物理的威力なんてもちろんだけど、眼に見えない無形型も対象になるんだろうね。

好きな事象を、好きな対象に押しつける。

分かりやすくいうならダメージとか回復とかバフとかデバフとか、それを好きな相手に押しつけるって顕現だね」


否笠「本編では聞きそびれましたが、この顕現が開花した経緯を聞いても?」

巨人「・・・・・俺は見ての通り奴隷だ。

元いた世界で・・・・・自由を手にするために・・・闘技場で殺し合いの日々に明け暮れていた」

否笠「ふむ。我々の歴史でいえば、ローマのコロッセオが一番近いでしょうか」


巨人「首・・・・腕・・・・脚についた鎖。

自由を束縛され・・・・・殺し合いが終われば再び牢獄に繋がれる毎日。

そんな日々が苦しかった・・・・・自由が欲しかった・・・・」

否笠「だから、他者に自分の肩代わりをさせることで自由の身となった」


巨人「人に聞けば・・・・・・俺の顕現は醜いものだと言う。

・・・・自分一人が自由になるなら分かるが、そのために他者に押しつけるとは何事かと、な・・・・・。

だが俺にとってそれは当然のことだ・・・・・・。

生きるとは殺すこと・・・・・。自分が生きるには他者を殺すしかない・・・・。

俺が傷つく代わりに他者を傷つける・・・・・・俺が血を流す代わりに他者が血を流す・・・・・。

いわば等価交換・・・・・・。

そうやって生きてきた・・・・・今も昔も・・・・・。

自由を求めるならば・・・・他者の自由を奪うしかないだろう・・・・」

否笠「当然のことですが、違う環境に生まれ育てば、また違う想いになっていたでしょうね」




アレグラ「ふははははっ!!次は我だな」

天都(テンション高ぇ・・・・・)


アレグラ「我が顕現は『暴走機関(デュミナス)』。

能力は単純明快、自己強化よ。

刹那ごとに強度、防御、速度・・・・それらが爆発的に増加する。

加えて永久機関のように無尽蔵のスタミナを発生させる。これによって疲れや摩耗など知らず、永遠に動き続けることが可能だ」


天都(そりゃ暴走機関って顕現名だからな・・・・)


アレグラ「そしてあくまでおまけだが、我が理解できない現象は生じないらしいな。

まあ、我は馬鹿だから当然だがなアハハハハハハハ!!!」

天都「いや、それが一番とんでもねぇだろ」


天都(こいつは確かに馬鹿だ。考え方が突飛という意味ではなく、必要な知識がないという意味で。

知識がないことは堅洲国では致命的なことだ。最低限の戦闘知識がなければ生き残ることは不可能。

それでもこいつが今まで生き残った理由はこれか。

理屈を潰すのではなく、知らぬのだから、理解できぬのだから自分とは無関係だという話。

アレグラにとって理解外の事象や概念は世界から消滅し、存在することを許さない。

必ずしも賢い奴だけが有利というわけではない、ということか)


天都「それで、この顕現が開花した理由は・・・・・聞くまでもないか」


アレグラ「聞くといい!!!

一対一(タイマン)における、拳と拳をぶつけあう戦い。

これこそ男の本懐よ! 矛を持たず、盾を持たず、自分の体全てを武器として殴り殴られあう。

あれこそ至福! あれこそ天国!!

相手を打ち倒し、勝利の福音に酔い痴れるその瞬間こそ、何よりも価値がある!

自分と渡り合う相手の強さに惚れ惚れし、敬意を表し、だからこそ勝つために力の全てを振り絞り限界を超えるのだ!!

舞い散るは汗と血! 踊るは互いの筋肉!! 語るは拳よ!!!」


天都「・・・・・・・・」




キラナ「アグニよ、われらにとり近づき易きものなれかし、父の子におけるがごとく。幸あらんためわれらと共なれ」

集「おーい、いい加減詠唱してないで紹介してくれよ」


キラナ「仕方あるまい。

俺の顕現は一切(アグニ・)人火(ヴァイシュヴァーナラ)

能力は炎熱操作。熱を与え、熱を奪い、炎を発生させることなど。

おまけとして生命体の消化機能を操作する力もあるが、あくまでおまけ。

認識した対象を炎へと転化する。他者の干渉を薪木として自らの火にくべる力を得る、ファルファレナと似たようなことも可能だ。

加えて俺は炎熱そのもの。炎を炎にぶつけても通用せず、逆に俺の炎で焼き尽くされるだけ」


集「それで、もう一つの顕現はなんだったんだ?」


キラナ「死神(アグニ)()太陽(ムリトユ)。あれは派生型。

太陽は命を与えると同時に、命を刈り取る恵みと死の神。

いわば世界に偏在するアグニの一形態。

その太陽光線に触れれば、命の源である火を強制的に簒奪され、死を迎える。それは生命体の枠組みすら超えて、万物に腕を広げる。

そしてその星が落ちれば、彼岸と此岸の境界が崩れ、生も死も、万物概念が存在しない有耶無耶な世界になるだろう」


集「ふうん。つまりあれを食らってたら俺は終わりだったと。(エクシリアちゃんまじありがとう)」


キラナ「世界の原理・絶対者との神秘的合一――すなわち梵我一如の真理によって力を得る。それが俺の、俺たちの顕現のスタイル。

第二の時代で全盛を誇ったが、今では一顕現に変わった。

聞けば高天原でも、俺と同じ方法によって顕現を使用する者がいるとか・・・・」


集「高天原でも?」


キラナ「信仰も想念の一形態。ならば神々に仕えるあれらが、それを行使することも必然。

俺の顕現が開花した理由は信仰(まさにそれ)だ。

信仰によって顕現が開花した者の多くは、信仰する神に類似する力を行使する。

雷の神であれば雷を、火の神であれば火をな」


集「あんたは火神(アグニ)を崇拝しているから火なのか」




暗殺者リヤーフ「   、 。   !    !?       ?」


霞「あ~、本人が喋れないんで私が通訳しま~す。

ええと、顕現の名前は『無影無踪(アーセファ)()疾風(カーテル)

簡単に言えば周囲と同化する顕現だね。

上のキラナでもあったけど、対象と同化することで攻撃を避けるなんてことができる。

水に水をかけてもそれが水であることには変わらないからね。

いやでもあんたは反則だぜ~。何やっても同化して透化するなんて。

どれだけ強大な力で押し潰そうとしても、どれだけ理不尽な能力で倒そうとしても、全ての干渉を同一化して回避する。

なんとかなったからいいけど、あんたの顕現攻略すんのすっげぇめんどくさいんだからね~?」


リヤーフ「   !!! ?。  ―― 、 」

霞「あーはいはい。紹介しろってね。

本人はニライカナイのやべえ暗殺者コミュニティ『(マウト)()(カーノーン)』の第三席。

つまり堅洲国でも腕利きの暗殺者ってこと~。

今回、ガブリエルに依頼されてファルファレナの手伝いをしたってところか」



作者「実は作者を最も苦しめたやつ。

どうやったらこいつ倒せるんだって最後の最後まで悩んでました。

霞はなんとか勝てましたが、美羽、蛍、集が相手しても負けるくらいには強いです。

本編では自分自身の影と同化させて倒すという、作者自身もあまり理解できてない方法で倒しました」

全員「「「「「「「「おいっ!!!」」」」」」」」




アラディア「ミリアァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!

あの隠遁野郎、まさか解説全部俺に任せる気か!? ボケてんのか糞がァ!!!」


蛍「あ、アラディアさん。落ち着いてください」

美羽「けどびっくりしました。まさかアラディアさんと同レベルの超やばい魔術師がいるなんて。しかもご友人なんですね」


アラディア「同レベル? はっ、そうだな。

三つしか空いてない魔術王の椅子に座り損った馬鹿だがな」


美羽「あの、じゃあ魔術王ってどんな存在だとか、解説してもらってもいいですか?」


アラディア「魔術王? んなもん、『百王』の一つだよ。

『百王』ってのはこれまでも何回か話が出てきたが、まあ熾天使よりもやばい奴って考えでいい。

そのなかの魔術王。到達できる条件は明確に決まっているじゃないが、今のところ魔術を極めた魔女が至れる。あと周囲が勝手にそう決める。

つっても程度は知れてるけどな。精々全てを表現できる程度だと思えばいい」


蛍「・・・・・充分とんでもないと思うんですけど。

それって僕を殺すって表現すればそうなるってことですよね?」


アラディア「ああ、そうだ。

なんならてめえのその厄介な顕現ごと、不死性を潰して完全に消し去ることだってできるぞ」

蛍「ヒエッ」


アラディア「まあ、そんなわけだから実力も相応にある。

覚醒したファルファレナと同等かちょい上くらいにはな」


美羽「そういえば、ファルファレナと唯一対等に戦えてましたよねアラディアさん」

蛍「ていうか何気にノーダメージでしたね。攻撃一つも食らってませんでしたよ」

アラディア「当然だ。あんなひよっこ程度におくれをとるかよ」


霞「ファルファレナの儀式で熾天使レベルの霊格を奴に持ってかれたんだろ? 大丈夫なのあんたの友人~?」

アラディア「安心しろ。樹齢千年を超える巨木から一枚花弁が離れる程度だ。あいつにとって痛くも痒くもない。

あいつの顕現は披露してないから、ここで喋る必要はない」




焔「ふむ。次は儂の番じゃな!

ガブリエルの奴がおらんから、代わりに儂が説明するぞ」

美羽「お願いします焔君」


焔「ガブリエルの顕現は『神の福音(オラクル)

その能力は情報操作。現実でも度々目にする言葉じゃが、こいつの場合はその情報そのものを操るんじゃ。

情報の送受信を操ることで、五感や六感が無用のものとなる。

世界に存在する情報を操り、望みのままの現象を起こすことも可能じゃろう。

儂も美羽も蛍も世界も誰も情報の塊じゃ。それを操るということは、奴の危険度も察しがつくじゃろう」


美羽「ついでに、七大天使についても説明お願いしていい?」

焔「もちろんじゃ! 

七大天使は堅洲国に存在する、天使の名を冠する咎人たち。

元ネタはもちろんキリスト教の天使たちじゃな。

どいつも熾天使でも上位の実力を持ち、堅洲国で暗躍している。

儂らも奴らの足跡を追っているんじゃが、なかなか足取りが掴めんのじゃ」


蛍「主に、七大天使はどんなことをしてるのかな?」

焔「そうじゃな。

主に研究とか、粛正者との戦闘とか、堅洲国内の顕現者の管理とか、そんなもんじゃな」


集「・・・・・・その七大天使の中に、ウリエルって奴はいますか?」

焔「おるな。

確認されている範囲なら、奴はニライカナイで研究を主に担当している。

たびたび堅洲国にも訪れて、そこで粛正者と交戦するとか。

陰鬱で、何を考えているのかよう分からん」

集「そう、ですか」




ファルファレナ「ようやく私か」

美羽「はい。本編でも説明ありましたけど、本人の口からもう一度お願いします」


ファルファレナ「顕現名は『死へと翅ばたけ(ジーリガジーンゾフト)()空飛ぶ魂華(フィファルター)』。

ドイツ語で、ジーリガジーンゾフトが至福への憧れ。フィファルターが蝶、あるいは蛾の意味だ。

ドイツ語では蝶と蛾には区別がなくてね」


蛍「お父様の思想と、自分の元来の思想が混じって生まれた顕現ですか」


ファルファレナ「その効果は上昇。やや意味が異なるが、自己強化の類だと思えばいい。

規模、質量、規格、濃度、密度、自由度、存在領域、霊格・・・・。それらが永遠に、止まることなく上昇し続ける。

堅洲国には無限に強くなる咎人など腐るほどいるが、私とそれらとの違いは上昇速度、かつ上昇領域を増やすことだね。

本編でも説明されている通り、私が光だとすれば彼らは亀だ。

加えて、彼らの自己強化とは限られた領域内であることが多い。無限という枠の中に捕らわれているんだよ。

つまり階段を永遠に上っているということ。反対に私は、階段を上りきった階層を新たに用意する。それの繰り返しだ。

加えて、『アキレスと亀のパラドックス』を使うことで常に私が先にいる状態を作り出している。

上昇の比べ合いで私に勝てるとは思わないことだ。生涯を費やしてきた私の努力と自負が、これに集大成されている」


美羽「説明量の多さが強さを証明してますね」


ファルファレナ「この顕現の真価は試練に対して発動する点。

私が殺された、あるいは私に不都合な事実が生じた場合、その死因や敗因を乗り越え上昇する。

より正確にいうなれば、『私を客体・受動体とする全てに対して働く、自動的な復活と上昇、克服。すなわち超克』だがね」


蛍「うっわぁ、絶対やばい」

美羽「ええと、具体例を挙げてみますと。

ファルファレナを殺す→殺した力を上回って復活。二度と同じ方法で死なない。

ファルファレナを壊す→壊した力を上回って復活。二度と同じ方法で死なない。

ファルファレナを呪う→呪った力を上回って復活。二度と(ry

ファルファレナを倒す→倒した力を上回って(ry


このように、ファルファレナを受け身にする全てに発動するやばい顕現です。

ぶっちゃけこれまで出てきた顕現の中でもトップレベルにやばいです(語彙力崩壊)」


蛍「ええと、つまり一言で言うとどんな顕現なんですか?」

ファルファレナ「一言で言うとだな・・・・・・・・・『蛹を破り蝶は舞う』としか」

蛍「全画面攻撃かましそう」

美羽「K〇Fに謝ってください」


作者「追加で言うと、ファルファレナにとって脅威的で危機的で、絶望的な状況に陥った場合さらに飛躍して自らを上昇させます。

だから追い詰めれば追い詰めるほど危険な顕現だったりします」


美羽「では、その顕現が開花した理由は?」


ファルファレナ「無論、天の国だ。

全ての存在は幸福を望む。

より高い地位に、より幸福な状態に、自らが望む処へ。

例外はいない。生命体ならその願望は生まれながらに持っている。切り離すことなどできない」

美羽「確かに、その通りですね」


ファルファレナ「しかし、当然のことだが誰もがそうなれるわけではない。

生まれか、環境か、要因は多々あるだろうが、自分の理想に到達できず、苦しむ者は多いだろう。

だから導いてあげたいと思った。私が彼等を押し上げ、天の国へと到達するための道標となればいい。そう想った」


蛍「そう、ですか。

では次に簡易的な自己紹介をお願いします」


ファルファレナ「いいだろう。堅洲国の熾天使、という情報は今さらだから、私が堅洲国に来る前のことを語ろうか。

元はイタリア軍カラビニエリ憲兵隊少尉。

主な役職は、軍警と言ったら分かるだろう?

治安の維持やテロ等の防犯を主に担っていた。

好きな食べ物はピザ。特にクアトロ・フォルマッジ。4種類ものチーズが乗っていて、行きつけの店では大盛りで乗せてくれるから最高だったよ。エスプレッソは欠かせないね」


蛍「カラビニエリ・・・・・。その軍服もどこかで見たことがあると思ったら、イタリアに住んでいたんですね」

ファルファレナ「ああ。カッコイイマントだろう? 祖国イタリアのファッションセンスを感じさせる、見事な作りだ。

元の世界との繋がりは捨てた身だが、これだけは捨てられなかった」



作者「実は父親が死んだあの時から彼女の時は止まっています。

この世に救いはなく、誰も彼もが苦界の中。

例え幸福な人生を得ようとも、そんなものは輪廻という巨大な輪の中で見れば、たった一つの生、たった一つの幸福でしかない。

総合的に見れば怒り苦しみ悲しみ嘆きの頻度が多く、大多数を占める。

今ある幸福など、死によって容易く崩れ去る脆いもの。時の濁流の中で、いともあっさりと滅びる儚いもの。

つまり偽物。

大切なものを無くす、そのたびに絶望を繰り返すのか。そのたびに嘆き悲しむのか。

悲劇を繰り返すのなら、この世に救いがないのなら、私が永遠楽土の天国に導いてやろう。



・・・・・・・・という建前がありますが、本人の根幹にあるのは父との約束。及び父親の救済です。

あまりにも広大な葦の国。そのどこかで今も苦しんでいる彼女の父親。

その彼を救いたい。だが見つけられない。なにしろ海の砂を一粒一粒手に取って、「これは違う、あれも違う」と泣きじゃくりながら探すようなもの。

当然その間に父親は輪廻を幾たびも廻って、苦界の中で苦しむだけ。

だから世界の全てを救うことで、父親を救おうとしたんです。

極度のファザコンと言ってもいいです」




霞「は~い、つーわけで今回はここまで~。

いや~、振り返ってみると今回はほんとに戦闘回が多かったよ」

蛍「そうですね。多かったです」

美羽「なんていうか、これまでの集大成って感じでしたね。

桃花の皆で咎人と戦ったり、蛍が今まで戦った咎人の顕現使ったり。

自分の全てを発揮できた気がしました」


蛍「次回からは平和な日々を送りたい」

霞「作者からの情報だと、日常回多めだからきっとそうなるぜ~」

美羽&蛍「「やったー!」」

霞「二人はいっぱい頑張ったからね。めいっぱい休みな」


霞「それで~、スペシャルゲストからなんか言いたいことはある~?」

ファルファレナ「なにも。

平凡で、揺れて、傷ついて、傷つけて、脆弱で、有限で、死に溢れて、盤石とはほど遠い。

精々そんな不安定な日々を楽しめばいい」

霞「おいおいふて腐れんなよ~ファルちゃん」

ファルファレナ「ふて腐れてない」


霞「ファルちゃんの可愛い面も見れたところで、そろそろ終わりにしましょうか」

というわけで~、読んでくださった皆さん」



全員「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」












自灯籠 天蝶乱舞を振り返って。



詠唱って一つ作るのにも結構労力が必要なんですね。たくさんの翻訳サイトを参照させていただきました。

ファルファレナの詠唱の元ネタは、ゲーテの『Selige Sehnsucht』

ジーリガジーンゾフトって呼ぶらしいです。日本語訳にすると『至福の憧れ』

ちなみに、なぜ自灯籠が途中から顕現を使う前に詠唱し始めたかというと、単に作者の厨二的なあれです。だってかっこいいじゃないですか。



今回の章、反省点があるとしたら15話ですね。

文量だけでいうなら4000字ですし、なんなら前半部分は14話に結合しても問題ないし、もうちょっと帰ってきた後の描写増やせただろうし、最後の最後で爪が甘かったな~と後悔してます。


それにしてもかなりインフレしました。次回から大丈夫かな。

基本バトル物って、敵を倒したら次は強い敵、強い敵を倒したらさらに強い敵って感じで続いていくんですよね。そしてラスボスまで辿り着いてフィナーレって感じで。

だからこの筋道に沿うのなら、次はファルファレナよりも強い敵を用意しないといけないという。どうしよう・・・・・・。


なにはともあれ、これにて因縁は終了。美羽と蛍は大事なものを守り切り、再び光溢れる日常へ。

次回、夏休み編に突入。短い話が何回も続くと思います。




to be next stage



次回、千紫万紅の夏休み

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