潜入! 母乳ファクトリー
モクモクと煙を吐く怪しい工場。私の眼前には乳英雄ターベッタの母乳ファクトリーが見えていた。
「……ちょっと着くのが早過ぎないかな? ほら、もっとこう道中で色々あっても良いような気が……」
「大人の都合でカットじゃ。モタモタしてたら今年中に話が終わらんぞい?」
「私も早く戦いを終わらせてダンカン様と結ばれとう御座います♡」
「サヤカに至ってはキャラ変わりすぎてて、一体何があったのか教えて欲しいよ……」
「ダメじゃ。行くぞい」
ナツメは母乳ファクトリーの裏口へと近付くと、扉の横に備え付けられた謎の機械を指差した。
「ダンカン、出番ぞい」
「?」
機械へ近付くと、画面には『母乳認証をお願いします』と書かれており、画面の下には母乳を入れるための凹みがあった。
「母乳セキュリティじゃな。全くもって奴らしい……」
「えっ!? 大丈夫なのか、これ?」
「大丈夫じゃ。最悪壊せば良い」
私は半信半疑で母乳を凹みへと入れた。
―――ピピ……
母乳認証システムが働き母乳認証を開始した。
―――ビビー!!
『エラーです。ヤベぇ母乳を認証しました』
機械音声がエラーを告げる。当然と言えば当然だ。仕方ないので母乳レーザーで扉を破壊し中へと潜入した。
母乳ファクトリーの内部では各地から攫われた女性達が縛られ口には透明な管が着けられていた。そして時折母乳が管から注がれ、女性達は否応無しに母乳を飲まされていた。
「こ、これは……!?」
「母乳神を作り出す為の施設じゃな……ターベッタの母乳を飲まされた女達は母乳神へと変化し、やがてターベッタに吸収される……」
私は手当たり次第に施設を破壊し、繋がれていた女性達を解放した。
―――ビー!! ビー!!
『侵入者アリ! 侵入者アリ!』
「サヤカは囚われた人を!!」
「ダンカン様は!?」
「……ヤツを叩く」
私は怒りに震えていた。本来安らぎの象徴である母乳をこの様な乱暴な使い方をした乳英雄に憤りを感じているのだ……!!
「ダンカン……」
「ナツメ……乳英雄を全て離乳させると、一体どうなるんだ?」
私は念の為聞いてみた。もし大変なことになるとしたら、無力化に止めておかねばならないからだ。
「……かつて深海に沈んだ『母乳大陸』が浮上するのじゃ」
「……母乳大陸?」
「乳英雄結成時に居た最古参『母乳魔神』。一人野心を隠しきれず他の乳英雄によって深海に大陸ごと封印された。その力は乳英雄四人が束になっても封印するのがやっとじゃったそうだ……」
「……もしかして乳英雄は必要な存在だったのか……?」
「大なり小なり……どちらも悪じゃ、気にするでない」
「しかし、母乳魔神を倒せなかったら……」
「世界は母乳魔神の思いのままじゃ!」
私は、その話を聞いて目の前で行われている行為が些細な物に感じていた。そんな自分が情けなく、とても嫌だった…………




