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風の母乳三剣士

「吾輩達は争うつもりは無いぞ! コヌビの一件だって向こうから襲ってきたから成り行きでああなってしまっただけなのじゃ!」


 ナツメが戦闘の意志が無い事を伝えると、赤髪の青年は後ろへと下がり再び無理矢理横並びになろうとした。


「兄ちゃん痛い……」

「兄ちゃんキツい……」


 ギュウギュウに潰れた三人は苦痛に顔を歪めながら、何とか姿勢を保っている。


「我々の目的は3つ。一つは『銀の乳首』の捜索。一つはコヌビを『離乳』させた貴殿をチュベビ様の前へと連れて行く事。そしてもう一つはその前に貴殿を殺す事だ!!」


 3人の目つきが変わり横並びからスルリと縦並びに隊列を組み直すと各々サーベルを抜きダンカンへと突っ込んできた!


「いかんぞ! ダンカン母乳を放て!」


「えっ!? 今回は母乳ワードの説明は無しかい!?」


「説明している間にお主の乳首が飛ぶぞい!!」


「ええええええ!?」


 ダンカンは慌てて乳を曝け出し、下から上へと薙ぎ払う様に母乳を噴射した!!


「おっと!」


 一番前の赤髪の青年は素早く横に反れ母乳を回避するが、後ろに居た緑髪の青年は咄嗟に現れた母乳に反応が遅れ、母乳で顔が激しく濡れた!


「弟よ!」

「兄ちゃん……!」


 倒れ込む緑髪の青年。その後ろに居た青髪の青年はまだ無傷だ。


「ダンカン! 十字噴射!」

「ええ~!?」


 ダンカンは右乳で横へ薙ぎ払い、左乳で上から下へと薙ぎ払う様に母乳を噴射した! 狭い路地で逃げ場の無い二人。青髪の青年は咄嗟に赤髪の青年の盾になるように前へと出た!


「うわーーーー!!」

「弟よ!!」


 母乳をモロに浴び浄化させられた青髪の青年はその場へと倒れ込んだ。


「ナツメ、多分コイツらアホだ」


「うむ。吾輩も今思った所じゃ」


 倒れた2人を見つめワナワナと怒りが込み上げてきた青年は、更にサーベルを強く握り締め振りかざした!



「―――コラー! そこで何をしている!」


 突然白い制服に身を包んだ何やら良く分からない人物が2人棒を持って慌てた様子で走ってきた。


「ちっ、『母乳ポリス』め。この借りは必ず帰すぞ!」


 そう吐き捨てると赤髪の青年は煙の様にその場から消えてしまった……。


「コラおっさん! そこで何をしている! 貴様母乳一族だな!」


 白い制服を身に纏った『母乳ポリス』はダンカンを捕まえる勢いで迫ってきた!


「ナツメ! ナツメ! 何アレ何アレ!?」


「吾輩が知るものか!? 面倒じゃから大人しくしておれい!」


 ダンカンは後ろを振り返ると、後ろからも母乳ポリスが続々と現れ、ダンカンは狭い路地で『母乳ポリス』に包囲されてしまった……。

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