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無断外泊は覚悟が必要〜例えそれが実家だとしても〜







「ふ〜ん、それで女の子に拉致・誘拐されてお食事をいただいてそのままお風呂でそこのお父様とご一緒してきて、一晩泊めていただいたと。




携帯は電源が堕ちていて連絡できなかったと。」






はいその通りです、と正座して人差し指と親指で三角形を作って土下座をしております。






お風呂から出たあと醍醐さんは仕事があるらしくてそのまま会社に向かって行きました。






その後は三人で雑談をして日付が変わってしまったので客間という名のスイートルームでフカフカのベットでゴロゴロしているうちに寝ていた。






気が付いたら午前6時39分、慌てて仕度をして置手紙をメイドさんに渡してから送っていくとの申し出を丁重にお断りして走って家に着いたのが7時17分。






鍵をゆっくりと開けるとニッコリ素敵な笑顔の姉さんがお出迎え。





そのまま冷たいリビングの床でおでこを擦りつけながら謝っているわけです。







冷えるなぁ〜






「そうですね、一応反省していなくもないので今回は罰ゲーム一つで手を打ちましょう。」






それって許してもらえてるのか?






「もちろんです。純ちゃんじゃなかったら流刑か死刑か私刑か打ち首ものですよ、まったく。」





ため息をつきながらやれやれ、と手のひらを上に向けて首を左右に動かしながら言ってるけど何気に読心術使ってるよな、由真姉さん。






「お姉さんスキルです〜」といってキッチンに向かう由真姉さん。





左の二の腕を軽く二回擦るとフライパンが出てきた。





僕も試しに軽く二の腕を擦るけど何も出てこない。






まぁ、当たり前なんだけどさ、兄弟だからできそうな気がするんだよな。





もう一度擦ってみてもフライパンは愚か卵の一つすら出てこない。






由真姉さんに






「朝ごはんでできるからきなさい。早く来ないとベーコンの代わりに純ちゃんを焼くわよ〜」






と暢気な声で人体提供、悪くて殺人予告を言われてしまったのでロールスロイスも真っ青の音速でダイニングキッチンに向かった。






「ちなみにロールスロイスは車、というか無機物の塊だから顔なんてないよ。」






へ〜そうなんだ。




知らなかった。




さすが学年七位だね。






「ありがとうね、純ちゃん。でも早く食べないと冷めちゃうよ。」






雑談も程々にしながら俺の身体から取り出されていたかもしれないベーコンを食べた。






神様、ありがとう。






柄にもなく神様にお礼を言ってみたりする今日の僕だった。












「おはようございます。今日も絶好の学校日和ですね。で・・・・・・」







きいぃぃぃーーー。




パタン。






僕は何も見ていない。






無駄に長い車体の車の窓から顔を覗かせながら手を振っているキレイな女の人なんか知らないよ。






きっと白昼夢に違いない。






うん、きっとそうだ。ていうかそうであって欲しい。






「由真姉さん、僕なんか頭の調子が悪いみたいだから病院に予約入れるね。





ねぇ見えていないはずのものが見えるのって眼科?どれとも神経外科?」






今日は病欠しないとな〜







とりあえず、仁喜トキにからいのメールでも送ってみるかな。







「そう、とうとう自分の病気と向き合う勇気が湧いたのね。安心してね、お姉ちゃんネットワークで優秀な病院を捜してあげるからね。」





「病院をお探しなら私にお任せください。外科から内科まで優秀な医療スタッフを世界中から24時間以内に連れて参りますわ。」






「マリアさんありがとう。よし、今日は大人しく過ごすことにしようかな。よかったらマリアさんも一緒にサボタージュする?」






隣に座ってのんびりと紅茶の香りを楽しんでいるマリアさんにサボタージュのお誘いをした。






「マリアさん!!!???」







外にいるであろうはずのマリアさんを呼んだ。





「どうしてうちの中にいるの??」






優雅にティーカップを置いてから一息。






「厚かましいと思ったのですけどチェーンもかかっていたようなので僭越ながらあちらで開けさせていただきました。」






そういって指差したのはガガガガガガ、と不気味な音を立てながら回転している13日の金曜日にお宅訪問するJさんもびっくりのチェーンソーでした。







チェーンソーで玄関の扉開けるとかありえなくないか?







「鳳凰院家の辞書に不可能と譲渡、妥協、犯罪という文字はございませんわ。」






銀髪を煌めかせながら高らかにそういった。






一言言わせてくれ








「そんな役立たずな辞書なんて即刻処分してくれ!!そして新しく公辞典をインプットしてくれ!!」







とはいえない力弱い僕。







「時間を圧していますので詳しくはお車の中でお話しましょう。どうぞお姉さまもお乗りくださいませ。」






由真姉さんと目が合った。







「さて純ちゃん今日は車での登校ですから新鮮ですね。」













「・・・はい、そういうことです。」






「特典というか契約での利点はこうなっております。」






「もしこういう場合だとどうなりますか。」






「そのようなことですと第七項が適用されますわね。ほかに・・・」






由真姉さんとマリアさんはさっきから意味不明な会話を続けている。







前を見ると運転手さんと目が合った。






ニッコリと微笑みを交わすと契約成立、と由真姉さんが言ったので用紙を見ると実印が押されていた。







それから、アリアさんが僕を見て







「これからよろしくお願いしますね。」






と微笑んでくれたけど意味がわかりません。






由真姉さんは別次元に吹っ飛んでしまっているし・・・







とりあえず僕には姉さんとマリアさんとの間で契約が交わされたことしかわからなかった。








はぁ








乙.






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