第一刻
これは、「天使と悪魔と使役者と」の第一話です。ですがここからではなく、ですが第零刻から読むことをお勧めします。
第一刻 境界の刻 「人はつまり人を騙すからして、時に人は人で無くなる」
「警部、司法解剖の結果が出ました。」
部下の資料を見ながら、(きっと今回の事件も旧友が犯人だな)と考える。私の名は通し番号一〇四、人界での名を伊新 今東と言う。現在は人界の警察?という組織で働いているのだが、それには目的がある。
「悪魔」と言われたらなにを思い浮かべるだろうか。やはり、トランプのジョーカーのような姿を思い浮かべるのではないか?あながちそれも間違ってはいないが、彼らは人として、人間という下等生物として、この劣悪な環境で悪事を働いているのである。
つまり、私の目的は悪魔を捕まえ天界へと送り返すことなのだがもう一つ目的、あるいは役割がある。
私には妹がいる。よくできた妹で、名を通し番号三四一、人界名を伊新 旧世といった。また、その驚きの能力から、通称「冷凍世界」と呼ばれていた。しかし、十数年前に忽然と私の前から姿を消したのだ。
そう、私のもう一つの目的は妹を探し出すことである。
そして、その生活は平和に続いていたのだ。あの日までは。
ここまで読んでくださりありがとうございます。私はまだ「物書き」にも満たない「物書きに似た何か」ですが、楽しんで読んで頂けたら幸いです。