希-83449
それに 負い目もない。 そもそも夢も希望もなかったんだ‥。
「よかったね〜」
「んだよ っ おまえだけ〜」
お祝いと称した飲み会で 言いたい放題。
ただ、スグに決まってしまった事に 戸惑いもあった。
みんなが 投げつける言葉に 笑って頷く。
大した事じゃない。
みんなが言っている事も僕が頷く事も。下から 伺う彼らも、作っているだろう彼女達の笑顔も。
ただ 少し 滑稽に 見えただけ。
僕の就職先は しがないと言っていいくらいの コピー機を売る小さな会社だ。
毎日は 何となく過ぎ 当たり前の文句を言い 当たり前の笑顔で 頭を 下げる。
疑いよりも、流れる毎日に汗を流した。 戸惑いより その 揺れる毎日に
気づくと 指を小さく擦る癖がついていた。
問いかけも、疑問もない毎日。
それは もしかしたら 実は居心地のいい 毎日だったのかもしれない。
そして、
僕は、
拾ったんだ。
「ノラ猫」を。
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