第六話 明香親衛隊
「上狼ばかりずるいぞ!」
「そうだそうだ!」
「俺たちの天使を」
「独り占めする気か!!」
「俺たち親衛隊の目が黒いうちはイチャイチャなんてさせんぞ!」
一人目は片桐という名前で眼鏡をかけている男子で明香親衛隊リーダーと豪語する男だ。
もう一人は木村という名前でちいさいのが特徴といえるのと明香の親衛隊。
次に羽洲村→マッチョな肉体が特徴でこいつも明香の親衛隊だ。
その次に発言したのは堂山という男で→天パーが特徴でもちろんこいつも明香の親衛隊である。
「ちょ、お前ら落ち着け!?」
と、言いながら慌てて逃げ出す秀久。
明香はきょとんと顔をしながら不思議そうに見送る。
「あらら、大変だね。 秀久」
「タイヘンなンでスか?」
リコが苦笑しながら言うと不思議そうに首をかしげる明香。
こんな少女が誰が戦争兵器だと思うだろうか。
誰も気づかないのだろうが……。
「うん、まあそれくらいあなたがかわいいからかもだけどね」
「う?」
と、リコが明香を見て言うとコテン、と首をかしげるのであった。
くす、と笑いよしよしと頭を撫でられる明香。
それは前にもしてもらったようなそんな不思議な感覚が彼女におきた。
とても懐かしいでも、彼女とは初対面のはず。
いや、記憶回路の故障もあるので自信はないというのもある。
「ふふ、犬みたいね」
「それ、ヒデにもイワレマシタ」
くすくすと笑うリコによくわからない様子でそのまま身をゆだねる。
とても気持ちよさそうに目を細める明香。
追いかけられる秀久と癒されている明香の一日がはじまる。
夕べのようなことがまるで嘘のようである。
学園の帰りに秀久と買い物をする明香はとてもご機嫌である。
「兵器になる前は普通に過ごしていたのか?」
「ハイ。 買い物モしテまシた!」
秀久の問いに明香は懐かしそうに眼を細めるのだが、ちょっと悲しそうに眼を細める。
それに気づいてぽんぽんと彼女の頭を撫でる秀久。
「あー、そのなんだ。 今は俺が一緒にいるから買い物楽しもうぜ」
「ハイ!」
秀久に言われて嬉しそうに笑顔でうなずく明香。
腕を組んで嬉しそうに歩く。
銀色の長い髪が風により、たなびく陽光に照らされてとても綺麗に秀久には見えた。
そしてそのまま買い物をして、帰りを歩いていると…………。
「お、誰だ? 明香、知ってるか?」
「ン? すミまセん、不調ガあリまスのデよクは」
公園のベンチで絵を書いてる金色の長い髪の雰囲気はどこかおどおどした様子の少女がいた。
だが、明香にはなんとなくだが同じ戦争兵器ではないかとなんとなくだが思った。
でも、自信はもてないので困った顔をする。
視線に気づいた少女はぺこりと笑顔で頭をさげる。
同時に二人も頭をさげるのであった。
「なんの絵を書いてるんだ?」
「風景とか動物とかですね。 見ていてあたたかい気分になるんです」
秀久の問いに彼女はふんわりと笑いながらそう答えた。
手にはスケブと隣には鉛筆や絵筆などがずらっと並んでいるようだ。
「フーケイ、素敵でスね!」
「そうですね、ずっとずっと見ていた景色です」
明香は笑顔で言うと彼女も笑顔で答えた。
「俺、上狼秀久。こっちは」
「吉川明香デス!」
「私は涼宮みなもです」
と、夕暮れの中で自己紹介をして、いろいろな話をして別れたのであった。