第一話 事情の説明
秀久の家に到着して、ソファーに座り秀久も座ると。
「ゴめンなサい。 あナたヲしナせテしマいマしタ」
「へ? でも、俺ここにいるし」
正座して謝る明香に困惑する秀久。
「イいエ、あナたハあノとキにシにマしタ」
申し訳なさそうに目を伏せて説明する。
確かにあんな大きな風穴をあけられて生きていられるとはとうてい思えないのだ。
「な、なら、なんで生きているんだよ!!」
「ワたシの魂をわケまシた。 ソれヲ契約トいイまシて」
正座したまま明香はまっすぐに秀久を見つめて話す。
「ソの首輪が契約のショーコでス」
「こ、これが」
指でしめすと慌てて鏡を見て呆然とする秀久。
彼の首には赤い首輪とドックタッグがあった。
「すミまセん。 あノ時はソうスるシかアりマせンでシた」
悲しそうに眼を伏せる明香。
「それより、あんたはなんで追われていたんだ?」
「わタしハもとモと属しテいル部がアりマしタ。 そコかラ離脱すルこトで追わレるコとに……
なンの罪モなイあナたマで巻き込んデ」
憔悴はありつつも、尋ねるあたりは優しい彼らしい。
それについても彼女は説明する。
「で、でもさ! 生き返らせてくれたじゃんか!」
「半分わケあタえルこトで、デすけド。 そレに、こレで当分離れルこトもデきなクなリまシたシ」
秀久が振り向いていうと困った顔をする明香。
「ま、マジか」
「ハイ」
秀久に問われてうなずく。
「追いかけてきたやつらはなんなんだ?」
「記憶回路が損傷しているんでカいつマんデの説明ニなリまスけど。
対戦争兵器のエネミーズ(失敗作)が集団の方でマコは対戦争兵器の風切マコトといいますヨ」
と、説明を彼女はして秀久を見つめる。
「え、じゃあアンタも?」
「ハイ、イチオーそうナります」
秀久の問いに彼女はこくりと頷いた。
ふと、思い出したように救急箱を取り出して、明香に近寄る秀久。
「とりあえず、手当しよう」
「?はい」
服をおもむろに脱ぐ。
ゴスロリぽい服装にカチューシャにしゃらんとなる髪留めをすべてとる明香。
豊満なバストとスタイルに顔が赤くなるがなるべく見ないように手当をしていく。
機械部分も生身の部分もあるし、血もオイルではなく人と同じだ。
「なんかもー、いろいろありすぎて疲れたし。 明日また話し合おう」
そういうと空いてる部屋に明香を案内し、自分はベッドにはいり、着替える。
血がついていることから現実なのだと恐怖が彼に沸き起こる。
「ヒデー、お風呂オカリしマした」
「ぬわあああああ!!?」
部屋をあけられてもんどりうつ秀久。
裸でタオルで髪をふきながら現れた彼女に驚いたのもあるのだろう。
こんな感じで夜がふけていき、秀久はいつもよりくたくたになったのはいうまでもない。
まあ、彼女自身は不思議でならないわけだが……。