第十三話 これからどうしよう?
「行ってきまーす」
「じゃあ、行ってくる」
「はい、気を付けてくださいね♪ さて、掃除でもしましょう!」
バイクで登校する裕樹と裕香を見送り、笑顔でそう言いながら家に戻るみなも。
こうなったのはさすがに部外者がはいるのもよくないだろうという結論である。
ふと、テーブルに視線を向けると……とある物が。
「あ、これは早く届けないと!!」
慌ててふたつの包みをもって家の上に乗ると目を閉じて小さくつぶやいた。
その瞬間に赤い灼熱の炎の翼が舞い上がり、それを上下に動かしてジャンプしてから空を飛ぶ。
まさか、これが騒動になるとはこのときは誰も知らないのである……。
まず、みなもは裕香のいる初等部の屋上に降り立つと、赤い灼熱の炎をたたみ、消す。
そしてスカートを払いながら、急いで歩き出すのであった。
「ゆーちゃんのお弁当、美味しそうだね」
「うん、すごく豪華だよ! パティシエさんでもやとったの?」
「ううん、家族になる人に作ってもらったの♪」
お昼の時間でそんなふうににぎやかに会話しているようであった。
と、ここで扉が開かれる音が聞こえてきて、振り向くとみなもがそこにはいた。
「みなも姉ちゃん、どうしたの?」
「いえ、デザートを忘れていまして、持ってきたんです!」
近寄る裕香にみなもは笑顔で答えて、デザートを手渡すとそれを受け取る裕香。
「ありがとう! すごく嬉しい♪」
「いえいえ、じゃあ、裕樹さんのところに行ってまいりますね」
みなもと裕香は周りの空気など気にせずに笑顔で会話をし、みなもは教室から去っていく。
このようなことが裕樹の学校でも起きたことはいうまでもなく。
なぜ、そこまでねたまれないといけないのか不思議でしょうがない裕樹なのであった。