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ワールドオーダー  作者: 河和時久
旅立ち編
6/70

06:準備

 ギルドからしばらく歩いて今日の宿らしき場所に到着した。鉄の斧のマークの看板が付いてる。


「いらっしゃい」


 中に入ると女将さんらしき人が元気に挨拶をしてきた。


「おや、めずらしいね、ロキが人を連れてくるなんて」


「ああ、こいつはキッド。しばらく預かることになった今日ハンター成り立ての新人だ」


「はじめまして。キッドといいます」


「おやまぁご丁寧にどうも。私はこの宿の女将をやってるネリーだよ。よろしくキッド」


「こちらこそ、よろしくお願いします」


「とりあえず明日から依頼にでかけるんで2人で1泊分な」


「あいよ、いつもの部屋が空いてるからその隣も取っておくよ」


「わかった。それじゃ買い物にいってくる。夕食までには戻るよ」


「わかったわ、いってらっしゃい」


 そういって俺達は宿を後にした。


「武器はナイフ持ってるからいいだろ。まずは防具をそろえるか」


「まかせる」


 そういって防具屋へ向かった。どうやら武器と防具はお店が完全に分かれておりそれぞれの専門店になっている。


「いらっしゃい、ってロキじゃねえか! 久しぶりだな!元気にしてたか?」


「おう、おまえまだ店やってたのか、とっくに息子に店任してるかと思ってたぞ」


「倅は今リグザールにいってるよ。かみさんの実家がリグザールでな」


「そうかい、息子さん結婚してたのか、おめでとさん」


「ありがとよ。おまえさんの方はどうだい? 孫はできたかい?」


「うちはまだ上が16だからな。孫はまだだよ」


「そうか。孫はいいぞう、なんていうかもう見てるだけで癒される」


「じじバカだな」


「うるさいわ」


 ガハハと髭親父2人が笑い合う。


「で、今日はなんのようだ?」


「おう、実はこいつの防具を作ろうと思ってな」


「ん~……」


 じっくりと防具屋の親父がこちらを見てくる。


「このあんちゃん素人だろ? なんで防具なんているんだ?」


 人目で素人と見抜かれた。やはり筋肉の付き方なんかですぐわかるんだろうか。


「ああ、今日ハンターになりたてでな。明日から依頼ででるんでそのためだ」


「新人さんかい。ちょっとまってな」


 そういって奥へとひっこんでいく。そして手に持ってきたのは何かの皮でできたっぽい鎧というか袖のない肩当てのついたベストみたいなやつだった。


「これなら軽くて丈夫だから新人さんでも使えるだろ」


 どうやらこちらの体力を考慮しているようでわざわざ軽いのをもってきてくれたようだ。着てみるとサイズもぴったりのようだ。


「いいみたいだな。じゃあこれにするか」


「あとはナイフを下げるベルトみたいなのがほしいな」


「わかった」


 そういってもってきたのはナイフをいれるホルダーのようなものがついたベルトだった。俺にはちょっと大きめだがまぁなんとかなるだろう。


「なかなか似合ってるじゃねえか」


「どうも」


「それじゃ次は採取用の袋と食料だな」


「またきな」

 

 そういっておっちゃんは店を出て行く。もちろん金はおっちゃんが払った。



















 道具屋につくとそこは地球でいう雑貨屋のような所だった。なんかこういうところに来るとワクワクしてくるな。


「この水を作る魔道具と火を起こす魔道具はハンターだけじゃなく生活の必須アイテムだ」


 そういっておっちゃんは1辺20センチくらいの箱を持ってきた。箱にはネジが付いている。


「この箱の上の部分に魔法がかけてあってな。この下の部分に魔石を入れると魔力が流れて火が起きるんだ。このネジを回すと魔力が切断されて止まる仕掛けになってる」


「ほう、よくできてんな」


「こういうのは大抵リグザールの錬金ギルドがつくってるんだ」


「錬金ギルドなんてのもあるのか」


「ああ、ハンターだけじゃなくいろんなギルドがあるぞ」


「じゃあ俺別にハンターになる必要なかったんじゃ……」


「おまえなにができるんだ?」


「何にもできん!」


「自信満々にダメ発言しやがった!?」


 だってプログラムとかゲームとかこっちじゃなんの役にも立たないし。


「あとはこの魔法のバッグだな。これは見た目は小さいがかなりの容量が入るんだ。その分高いが持ってて損はないぞ」


 魔法の鞄だと!? なんだその心くすぐるアイテムは!


「高いっておっちゃん買えるのか?」


「なに、おまえはいずれでかいことやる感じがするからな。先行投資だ」


「ただの熊かとおもったらおっちゃん人を見る目があるんだな」


「おまえはどうしていつも一言余計なんだ……」


 その後2日分の食料を買い宿へと戻った。結構な荷物だったのにかさばらないし重さも変わらないし魔法の鞄すげえ!


 夕食後、部屋に戻ると俺はスキルを確認してみることにする。たしか1日6枚まで引けるっていってたな。ちなみにおっちゃんはとなりの部屋だ。


「ドロー!」


 光とともに目の前にカードが6枚現れる。なんかキラキラしたのが1枚あるぞ……いきなりレアきたああああああああああああ なにこれすげえ。レアでやすいのかそれとも俺のLUKが高いのか。そいえばガチャでも結構R運高かったな俺。これは大事にとっておこう。他のカードも確認しておこう。えーっと……


No048UC:単体即死 対象を死亡させる。


 うおおおおおい!! やばすぎんだろこれ!? しかもレアでもなくUCアンコモンで! なにこのエターナルフォースブリザード。セットっていったら相手死んじゃうとかなにそれこわい。これはおっかないけどモンスターが跋扈してるこの世界なら万が一もあり得るから一応だしてポケットにでも入れておくか… 後はとりあえず攻撃系っぽいスターターに入ってたやつもだして準備しておこう。


 さて、明日は初クエストだ、どうなることやら。期待と不安を胸に俺は夢の世界へと落ちてい…けなかった。遠足前日に寝れない子供か!なんて状況ではなくこの世界はどうやら枕というものがないらしくどうも寝心地が悪くてなかなか眠ることができなった。


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