その9
9月21日 同じ日付は何回目なのでしょう?
そういえば何故僕は天上界の上のほうへと向かっているのでしょう?カレンちゃんが行こうと言ったから・・・・・は間違いないのですが、理由を聞いていないのです。
「ねえ、カレンちゃん、そろそろ僕が天上界に来た理由を教えて欲しいんだけど・・・・」
「お兄ちゃん、今はそれどころじゃないみたい。」
そういって歩を止めると何やら神妙な面持ちで周囲を警戒し始めます。その凛々しい顔もまた・・・・・・・・・はぁはぁ・・・・・・堪りません!!もぉそのまま抱きしめてしまいたいほどにぃっ!!
「カレンちゅぐらべるぁっ!!」
「少し黙ってて!」
カレンちゃんのローリング裏拳が僕の顔を!白とか赤いのが混ざったマーブル模様の固体とか液体が飛び散っていくよ?撒き散らせ僕ブラスター!
「復活、欲望er!カレンちゃん、いくら僕でも堪忍袋の尾というものが切れないですよ!!ホントだって!!信じてくださいごめんなさいぃ~(ひくんひくん)!!」
カレンちゃんが怒りました。その顔まさに憤怒の霊帝!!僕には謝るしかありません。
「お兄ちゃん、来るよ!」
何が?という間もなく目の前の空間が歪み一人の女性が姿を現します。
「カレンちゃん、この世界に居たんだね。やっと見つけたよ。君だけは生きていることがはっきりしていたから捜してたんだよ?」
紫色の長い髪、ナイスバディーな大人びた女性が、その姿とは打って変わって子供っぽい声で話し始める。
「で、ここで何して遊んでいるのかな?」
「新たなる神の創造・・・・・っていう実験。」
え?それってつまり・・・・・・
「そのためにもお兄ちゃんと一緒に天上界の最上階まで行かないといけないの!」
つまり僕が・・・・カレンちゃんに利用されているとか?
「お兄ちゃんは神に成るの!っていうかもうほぼ成ってるの!!」
利用・・・・・モルモット最高だゴルァ!!良い!非常に(ディモールト)イイぞっ!!世の皆さん喜んでください!!僕はカレンちゃんのために神様になれるのです!!え?利用されてるんだから普通は落ち込むだろうって?バカですか?よくよく考えてみてください。カレンちゃんは僕を愛してくれているのです!!そうです!きっとそうに違いありません!!だってキスまでしてくれたんですもの!!そしてゆくゆくは一緒に『おとなのかいだん』を・・・・・ふおおおおおおおおおおおっ!!!!堪らん!!これはもう今すぐカレンちゃんをぉっ!!
「カレンちゃん、今すぐ僕と『おとなのかいだん』をのぼるぉぐべらべるぁはぅぁっ!!!!」
「今私はこのカレー娘(かれーこ)と話してるんだから邪魔しないで!」
カレンちゃんは発した文字数と同じ数だけ僕をボコボコにぃっ!!
「カレンちゃん・・・・・今何て言ったのかな・・・?」
「カレー娘。フルネームは『殲滅 カレー娘』。」
そのときであった。我等の周りを取り巻く空気が一気に冷えたのを感じたのは!私は悟った。きっとカレン殿がまた口にしてはいけないことを口走ったのだ、と・・・・・カレー娘なる者の逆鱗に触れてしまったのだと!!そして・・・・・・うわっ!やっべぇ!!!何あれ!?あんなの反則だって!!身の丈およそカレー娘の2.5倍の巨大ハンマーなんて!!
「カレンちゃんのばかぁっ!!それじゃあ私がカレー粉みたいじゃんかぁっ!!」
カレー娘が泣き叫びながらハンマーを振り下ろしてきます!!しかも片手だって!?
「カレンちゃん危ない!そして僕も巻き込まれること必死!!こ、こうなったら!!(ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)って何これ!僕が言っちゃいけないこと言ったみたいじゃん!!止めてよ!!!(注:止めてよ!まで全部呪文です)・改!!魔人ちゃん、僕らを守って!!って、ああっ!!よく考えたらこういうのはデカイ『ッ帝』の方が適材適所!ごめん魔人ちゃん!潰れちゃっても僕を恨まないで!」
僕の後悔もむなしく旧式某辞苑が光り輝き魔人ちゃんの登場です・・・・が・・・・
「呼ばれて飛び出てズババババァーン!!裁きのウサミミ、魔人ちゃんの登場だぴょン!!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃああああああああああああああ!!!!!!」
僕もその件についてはなんじゃこりゃです。魔人ちゃんが生々しいウサミミを着けて登場するなんて・・・・・その・・・・・ぷふぅっ!・・語尾にぴょンとか・・・・ぐふふっ!・・・失礼、予想外だったのですもの!
「引きこもり!貴様私に何をした!?」
ハンマーを片手で受け止めながら(魔人ちゃんすごい!)さっきのカレンちゃんに引き続き憤怒の霊帝よろしく僕を睨みます。でも僕は知らないのですぅ!そしてカレンちゃんは何故笑っておられるのですか?
「カレン!さては君が・・・・」
カレンちゃんはでってれーという効果音と共に『大成功』と書かれたプラカードを片手に笑っています。皆さん、これが嘲笑というヤツですよ!!もしやと思って僕が旧式某辞苑の魔人召喚の項を見るとカレンちゃんの字で『ウサミミぴょン魔人』と書いてあるのですぅ!!!君はまた余計なことをするもんだ!
「むぅ、その娘を呼べるなんて聞いてないよ!大体」
「魔人ちゃん」
「は私を置いて何処に行って何をしてたの!?私一人でカレンちゃん捜すの大変だったんだから!!」
何気に魔人ちゃんの本名を隠すようにさりげなく魔人ちゃんと呟くカレンちゃん。それと、どうやらこの三人はお知り合いのようで・・・・僕は黙って事の成り行きを見守るのが正しいことだと思い込んで会話を聞くことにします。
「カレンの策略で某辞苑の中に閉じ込められていたんだ。」
「策略って?」
「この引きこもりが神に成る為の障害を取り除く為に、手駒として力を持った者達を某辞苑に閉じ込めていつでも召喚可能に・・・・・・って、そうだ。カレン!さっさと私を某辞苑の呪縛から解き放て!もう魔人ちゃんなんて呼ばれるのは懲り懲りだ!!」
「やだ。魔人ちゃんは・・・・・・・ここで・・・・・・カレー娘と・・・・・・・戦って私たちが上に登るのを手伝うの!!」
「魔人ちゃんっていうな!!」
「カレー娘っていうな!!」
「お兄ちゃん、この一文を読み上げて!」
カレンちゃんが旧式某辞苑になにやら新しい呪文を書き加え僕に読むことを強要!強要!!カレンちゃんの命令なら僕は読むしかないじゃないかッ!!
「(ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー)って何これ!ホントにヤバイよ!こんなの載せたら発禁だよ!!しかもこれを僕が読み上げるということは僕が有害指定!?名づけて有害僕!!ダメだよこんなの・・・・・・・・・・・・止めてよ!!!(注:止めてよ!まで全部呪文です)」
「ぴょンぴょン、魔人ちゃんはカレー娘ちゃんをにゃンにゃンするワン。・・・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
一言で言いますと、大変気持ち悪い事になっております。魔人ちゃんから・・・・・その・・・・生々しいウサミミと・・・・・・・・・・・・生々しいネコミミと・・・・・・・・・・生々しいイヌミミと・・・・・・・・・・・生々しいウサ・ネコ・イヌ尾が然るべき所から生えてきてしまったのでする!!!
「ぎゃあ!しかも体が勝手にジェ・・・ダメだこれ以上言えない・・・からだが勝手にカレー娘の方にぃっ!!」
「いやぁっ!キモイ!キモイって!!こっちに来るなぁッ!!それからカレー娘っていうな!!」
魔人ちゃんとカレー娘がもつれ合いながら僕らの視界から遠ざかって行きます。正直あんなにまでふさふさした魔人ちゃんを見ていられなかったので一安心です。
「こっち来んなって!このぉ、ミミ、耳、みみぃっ!!」
「ぎゃあ!やめろ!!意外とセンシティヴなんだ!!」
「知らないよそんなの!」
言い争いながら二人は遥か彼方へと消えて行きました・・・・。
「お兄ちゃん!急がないとここの守護者が来ちゃう!!早く次に行こう!!」
ということは、さっきのカレー娘はカレンちゃんを捜して現れただけの人というわけですな。カレンちゃんに手を引かれていきながら僕は思います。(カレンちゃんの柔らかい手が僕の手をっ!・・・・ハフハフ、僕は・・・・・僕はもうッ!!!)カレンちゃんは僕に何か重大な秘密を隠しているんじゃなかろうか、と・・・。
「カレンちゃん、僕は一体何のために・・・・・」
「お兄ちゃんは神様になるの。私はそれを手伝うだけ。」
「ホントにそれだけ?」
「うん・・・・・・」
カレンちゃんは僕の目を見てくれません。何か重大なことを隠しているのか?否!そうに違いなひ!!
「カレンちゃん!僕を実験体にして何かしようとするのは僕としてはとてつもなく喜ばしきことかな!!しかし、それをいつまでも僕に隠しておくことはさすがに僕であっても我慢ならぬぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!カレンちゃん!らめらって!そげなとこを引き絞りつつ筋弛緩剤打っちゃだめでござろうっ!!!!」
「今は・・・・言いたくないの・・・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・・・・・・・」
カレンちゃんが潤んだ目で僕を見上げ・・・・・み、見上げて・・・・・・・・みぃあぁげぇてぇえええええええええええええええええええ!!!!!(歌舞伎っぽく)
「カレンちゃん、僕はっ!!行くぞ必殺!ルパニングダイヴ!!カレンちゃん、僕は君のスターになるうぃよるぅあぁっ!!!」
ぐかちゅっ!
カレンちゃんが某辞苑で僕のアゴを下から上に、鬼が金棒でたたき上げるが如くアッパーカット!僕は舌を噛み千切りながら星になりました。
☆
「お兄ちゃん!バカやってないでさっさと復活してよ!守護者が来ちゃった!」
復活しながらカレンちゃんの指差す方向を見ると剣を持った戦士が二人立っています。一人が僕に斬りかかろうとするのをもう一人が制止しています。ヒーローが決めポーズをとっている間は攻撃しないというのはなかなか分別のある方です。
「復活、欲望er!君たちは一体!?」
すると、待ってましたと言わんばかりに二人の戦士が自己紹介を始める。
「私は『心が敏感な戦士』ティベ。」
「私は『心に分別のある戦士』ブレ。」
『二人揃って【英単語の「敏感な」と「分別のある」の分りやすい覚え方】!!』
どうだと言わんばかりに二人が胸を反り返らせます。・・・えっと・・・・これはどういうことなのですか?
ミニドラマ 高校生日誌 懐かしきかな青春編
(作者)「やべっ!次の授業英単語テストやん!」
(友人H)「急いで覚えようぜ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(作者)「敏感な・・・・・sensitive・・・・・センシティヴ・・・・・・・センシティベ?戦士ティベ!」
(友人H)「敏感な戦士ティベ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(作者)「分別のある・・・・sensible・・・・・センシブル・・・・・・・・・センシブレ?戦士ブレ!」
(友人H)「分別のある戦士ブレ!」
(作者)「ちょっ!すごくねぇ?オレ等すごくねぇ!?」
(友人H)「すげぇ!天才やん!!絶対満点やけん!!」
注:会話の内容に若干の間違いがありますが内容的には変わりありませんはずです。
なるほど、そんな昔から設定が・・・・・・
(作者)「ちなみに、今日、電車の駅に向かう途中で思い出して出すことを決めました。」
「なんだよそれ!今日っていつだよ!思い出したから出すのか?元々ここの守護者ってどんなヤツにするつもりだったんだよ!?」
(作者)「なにもかんがえていませんでした☆」
「ああ、まただ。アンタそういう人だよ!!後付けバンザイだよ!!もう好きにしてくれよ!!ほら、カレンちゃんと僕を結婚させるとかさぁ!?」
(作者)「はははは、面白い冗談ですね。」
もう、無視しよう。そうしよう。それが一番良いんだ。僕にとっても(作者)にとっても・・・・・とっても良い事なんだ。(お、良いシャレ言った)こんなに嬉しいことはない・・・・
「僕にとっても(作者)にとっても、とっても良い事なんだ、じゃねぇっ!!」
げむうぇいっ!!
カレンちゃんのボディーブローが僕に炸裂ボルト。柔らかくて嫌な音が周囲に響き渡りました。もう、僕は復活と唱えなくても復活できるほどに能力が高まってきましたようですわ!
「ときにセンシティヴさん。」
「戦士ティベだ。」
「アナタが敏感なのは心だけですか?」
「そうだ。」
僕の頭の中でとある想像が始まります。・・・・・・・・・・妄想?
僕会議
「これはあれだよ」
「やっちゃうしかないよ」
「さあ、日本語に訳するんだ!」
「臆することはない」
「僕にはカレンちゃんがいる」
「恐れるものなんて」
「なにもないぃぃぃぃ!!!」
僕会議終了
「敏感さん!アナタは今日から敏感さんだ!!」
僕は叫びました。心の底から叫びました。世界の中心で叫びたかったくらい叫びました。
「ダメだ!それだけはいかん!!」
センシブルが叫びます。
「戦士ブレだ!いいか、いくらなんでもそれだけはいかん。そもそも著作権・・・・・」
「よく考えるのはアナタの方ですぅ!よく考えてみやがれですぅ!!」
センシブルが考え始めます。
「戦士ブレだ。」
戦士ブレが考え始めます。
戦士ブレ会議
「センシティヴ・・・・・・」
「敏感な・・・・・」
「名詞として敏感な人・・・・」
「それはつまり・・・・・」
「心だけに使われるわけではない!!」
戦士ブレ会議終了
「いかん!それはいかんぞ!戦士ティベ!貴様恥ずかしくないのか!?」
センシブルが謎の質問を始めます。
「戦士ブレだ!良いか?中途半端はいかん!心が敏感?体はどうした!?そこはけじめをつけんといかん!」
センシティヴがそれに答えます。
「戦士ティベだ!お前、分別のある戦士なら善悪の判断ぐらいしろよ!しかもけじめ付けろって・・・それは『分別』だろうが!お前はわいだめの戦士か?わいはもうだめやってか!?」
そんな二人の様子を見て僕は物凄く悪どい表情を浮かべていることでしょう。そして心の中でこう言うのです。
「計画通りッ!」
ミニドラマ 眠くなってきた頃に もういいよ編
(作者)「設定がめんどくさいので心も体も敏感な戦士になってください。」
ああ、まただ。この人はこういう人だって分ってるけど・・・・なんだろう、この沸々と湧き上がってくる感情は・・・・?
「お兄ちゃん、怒ってるの?」
そう、怒っているのです!これはもう八つ当たりするしかありません!!
「きらめけ某辞苑!取り出だしたるは・・・・・・これだぁ!」
ぴこぴこぴ~ん
「しゅーるすとれみんぐ~(未開封缶詰)」
世界一異臭騒ぎな食べ物シュールストレミングの缶詰(臭さ:くさや比6倍以上!)を穴一つ空いていない状態で戦士ティベに突きつけます。
「ヴるぅぁっ!!」
激しい反応を示した戦士ティベはそのまま白目を剥き、口から泡を吹き、耳と鼻から血を噴き出しながら倒れていきます(スローモーション)。しかし、これは強烈だ。間違っても敏感な一郎さんには使わないようにしよう。
「ティベ!しっかりするんだ!!本当に全身余すことなく敏感になってしまったというのか!?」
意識の無い状態でもビクンビクンと跳ね回る戦士ティベの体・・・・可哀想に・・・・戦士ブレ、わざわざ揺すって確認するなよ・・・・
そよそよそよ・・・・・
カレンちゃんがそよ風を発生させて戦士ティベに向かわせます。
「がっ・・・・うぐっ・・・・・・かはぁっ!!!」
むごい・・・むごすぎる!!そんなにまで敏感にせんでも良かろうに・・・・
「さあ、次はアナタの番です。」
キコキコキコキコキコ・・・・・・・・・・・・・
僕は残った戦士ブレを攻撃するために缶切りで缶に亀裂を・・・・・・・・・・くさっ!臭いよ、これ!
「もう!お兄ちゃんのバカ者!!」
カレンちゃんが、かざした右手から物凄く強い風を吹き出して異臭を散らしていきます。
あ、いえ、ちょっと違いました。どういう原理か知りませんが渦巻く風の中に臭いを閉じ込めて凝縮し、そのまま戦士ブレの方に!!
「ヴるぅぁっ!!」
異臭の直撃を食らった戦士ブレも戦士ティベ同様の叫び声を上げて気絶します。楽勝です!しかし、カレンちゃんってばこんなものまで某辞苑に封じ込めているなんて・・・・そこまでして僕を神様にしようだなんて・・・・・・・・・・感動したっ!!
「お兄ちゃん、次の部屋で最後のはずだよ。でも、階段が無いから・・・・」
「じゃ、じゃあ、もしかして・・・・?」
「うん、私が・・・・・私が飛ばしてあげる!風の力でね!!」
「ええっ!ちょっと待って!手をこっちにかざさないで!!ここはカレンちゃんが僕を抱えて飛んで、僕は背中にカレンちゃんのほにゃららを感じながら幸せ気分で・・・・!」
「オラァッ!」
カレンちゃんの後ろに「傍に立つもの」が見えた気がしますが・・・・気のせいでしょう。そしてカレンちゃん、君は何気に風を操る技ばかり使っていませんか?