その3
7月5日 ファミレスの『JOY!ふる』で同盟の皆と集会
僕にも友達はいます。
学校で知り合った(正確にはチャットで知り合った同じ学校の生徒らしい)素晴らしい友人です。
皆、引きこもりです。
週一で学校横のファミレス『JOY!ふる』に集まる僕等のことを学校の人間は蔑意を込めてこう呼びます
【JOY!ふる同盟】 と・・・・・・・・
「やぁ、皆久し振り。」
一週間ぶりの皆の顔に自然と笑みがこぼれる。
「おう、元気だったか!?」
引きこもりのクセに筋肉隆々(某・拳の王並み)の格闘家・土御門 轟人(どごもん ごう
と)。苗字の読みは『つちみかど』ではなく『どごもん』です。陰陽師とは何の関係もないのです!
「二人とも元気そうね。私も元気よ。」
引きこもりのクセに平安貴族・・・・・違うよ!中世ヨーロッパ貴族みたいな・・・・・・・・あれ?オス○ル?な格好の女性・真龍 星子(しんりゅう せいこ・ハンドルネーム、本名不詳)。
そして・・・・・・
「バカ兄の仲間は変態・・・・・」
引きこもりじゃないクセに僕の妹で剛殺百科事典「某辞苑」を持つ見目麗しゅうな素晴らしき女性・中野・J・花蓮・・・・・・・・
「って、何やってんの花蓮ちゃん!?ここに来ちゃダメだよ!!僕等の聖域なんだよ!!!」
僕が焦って追い返そうとすると花蓮ちゃんは涙目になりながら僕を見つめ・・・・・
「私 (はここに居るだけで邪魔するつもりなんて無いから気にしないでね。あ、のど渇いたからお兄ちゃんのおごりで何か頼ん) じゃダメ?」
「花蓮ちゃんじゃなきゃダメェェェェェ!!!!なんか口パクがかなり長かった気がしないでもないけど花蓮ちゃんを追い返したりなんかしないよぉ!!」
そんな僕を見ながら轟人と星子は・・・・
「全く、J・舌は妹にはこれだから困る!」
「しょうがないじゃない?だって変態なんだもの。」
「そうか、変態だものな!わっはっはっは!!」
「おっほっほっほ!!」
二人が物凄く酷い会話をしているように聞こえてならない・・・・。
「うん、お兄ちゃんは変態なんだよ。」
花蓮ちゃんがさらっと酷いことを言ったような気がしてならない・・・・。
そんな感じで週一で集まる僕等の集会も毎回何の収穫も無く終わっていくのですが、今日はちょっと様子が違いました。なんと、敵が来たのですぅ!!
「お前等!ここで何をしている!!!!」
突然BANGと開かれた入り口のドア(自動ドアなのに・・・・)、そこに佇む一人の男のシルエット。そう、その男とは!!!
「せ、先生!!」
僕等の担任の先生(名称不詳)ではありませんか!
「次回から場所変えないとね・・・・」
「うむ・・・・・・」
「最悪だわ・・・・」
「何だその反応は!?オレが悪者かよ!そうじゃなくて、学校サボってこんなところで何やってるんだ?」
「集会です。」
「ああ、そうか、何か良い意見は出たか?・・・・・・・・・・・・・・じゃない!お前等引きこもりだろ?引きこもりらしく家にいろよ!!」
教師とは思えない素晴らしい言動ですね?やっぱり先生、来年はいませんよね?
「じゃあ、先生は授業時間中なのに何でここにいるんですか?ちなみに花蓮ちゃんの学校は試験期間中なので早上がりです。」
「バカ野郎!花蓮ちゃんに会いに来たんだよ!さあ、そこをどけ!!オレに花蓮ちゃんの隣の席を明け渡せ!!!」
良い感じに変態具合が上昇しています。僕等の将来はこんな教師(似非兄)に委ねられているのかと思うと正直不安を通り越して絶望です。
「そうはいかん!」
と、轟人が叫べば、
「花蓮ちゃんは私たちにとっても大事な妹、危険に晒すわけにはいかないわ!」
星子がそれに続く。
「皆・・・・・」
僕は感激に咽びながら二人を見、そのまま花蓮ちゃんを見ました。その時の花蓮ちゃんの表情は忘れられません。・・・・あんなに露骨に嫌そうな顔をするなんて・・・・・
「まずは俺が行く!!」
轟人が前に出る。
「いくぞ!俺のこの手が (自粛) ぁぁぁぁく熱、轟人フィンガァァァァァァァァァアアア アアアアアアアアアア!!!!」
轟人の手が真っ赤に燃えている!!これが噂に聞く溶断破砕マニ○ピレータなのかぁぁぁぁ!!????
「私も続くわ!天に (自粛) せるは最終奥義!! 真龍 星子・長剣!!!!」
うおおおお!これは前フリは長かったけどただの長剣!!!何の変哲も無い長い剣だぁぁぁぁぁぁ!!!!
「僕も負けないぞ!!J・舌ビットォォォォォォォォォ!!!!!」
何で僕だけ前フリが無いんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!でも何かが飛んでいる!!??僕は何かを飛ばせるんだ!!!!!!!!!
「甘い!!テェェェェェブル・クロォォォォォォォス!!!!」
先生はカッコよくテーブル・クロスと叫びながらテーブルクロスを引き抜くと(上に乗っていた食器類は無事)、鋼のように硬化した布切れで僕等の攻撃を簡単に防いでしまうのです!!
「どうした!?もっと足を踏ん張り腰を入れんか!!そんなことではオレから花蓮ちゃんを守ることも出来んぞ!!!!」
「まだだ!皆アレをやるよ!!!」
僕が叫んでポケットに手を突っ込むと残りの二人も無言でポケットに手を突っ込む。
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!喰らえ!!!!!!!」
ここで画面の左から轟人がスライドイン。画面の右でストップしながら叫ぶ!!
「JOY!!」
つづいて画面右から星子がスライドイン。画面の左でストップしながら叫ぶ!!
「ふる!」
そして最後に僕が画面後方から二人の間へズームイン!!!
「同盟券!!!!」
僕たちの後ろで爆発が起こると同時に先生を激しい光が襲う!
「こ、これはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!????????」
そしてその光が先生の手の中へと舞い降りる。
「先生、今日のところはそれで一つ・・・・・」
「ドリンクサービス券・・・・・・なるほど、良いだろう。ついでだ、今日はオレのおごりにしてやろう。ただし花蓮ちゃんの隣は譲らん!!」
「それについては(ごにょごにょ)ということでどうですか!?」
先生の目が光り輝きだす!すごく眩しくて目を逸らしたいくらいです。っていうか逸らしちゃった。てへっ☆
「轟人と星子は定位置に!僕が先に行きます!先せ・・・・いや、お兄ちゃんは通路側で!」
「おう!」
「わかったわ!」
「了解!いくぞ弟よ!!」
作戦は花蓮ちゃんを真ん中に、僕が奥に、先生が通路側に座るというとてもシンプルな作戦です。ですが一つ問題があるのです。花蓮ちゃんは窓側に座らないととてつもなく機嫌が悪くなるのです。(今は誰も座っていないので座席の真ん中でゆったりと窓の外を見ながらいつの間にか頼んだジュースをすすっていらっしゃる)しかし、その問題も愛する兄が目の前に現れることで何の争いも起きずに解決するはずなのです!!そうに違いないのです!!!だって僕は花蓮ちゃんを愛しているから!!!!!ほら、いつの間にか僕等の後方に花蓮ちゃんが・・・・・・・あれ?
「貫け!ドリルブースト某辞苑!!!」
ギュイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
某辞苑が激しく回転しながら僕等を襲う!
「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ読みづらい!!!」
「弟よ!漢字で言えば読みやすいぞ!!ほら、痛い痛い痛い痛い!!!!!」
「さすがはお兄ちゃんだ!でもなんか僕等だけ削れていってませんか?」
「成程、やるな花蓮ちゃん。愛するお兄ちゃん達だけをいぢめているんだね!!」
「そうだったのかぁ。あはははははははは・・・・・・・・・・・・・・・・」
ファアアアアアアアアアアア・・・・・・・(僕と先生の断末魔の叫び)
その日、僕等は粉になりました。(でも神の力で復活しました)