その2
7月1日 先生が来た日
僕、中野・J・舌は引きこもり高校三年生である。それは何故か?
それはさておき、幸せってなんですかね?
誰もがそんな考えを持ったことが一度はあるはずです!その答えが僕には分かった!!今の僕の状況がそうだと言わざるをえない!!!!!!!!なんと、なんと花蓮ちゃんが僕のために手作りケーキをぉぉぉぉううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!!
「お兄ちゃん、どうかな?」
不安そうな目で見つめて来る花蓮ちゃん。僕は君を食べたい・・・・けど、今はこのケーキを!ケーキを食すのが最優先事項!!!!!
「うん、もうぃふぃひょ(おいしいよ)。」
もぐもぐもぐもぐ
一口ワンホール。・・・・でも、作りすぎじゃない?食べる僕も僕だけどこのままじゃ・・・・・
「お兄ちゃん、あんまり食べ過ぎると、とうに」
「糖尿病なんて恐くないよ!花蓮ちゃんのケーキを食べてそうなるなら本望さ!!!」
「ゅうびょうになっちゃう・・・・・・・」
?
「豆乳病!?違うよ!なんか間違ってるよ!!っていうか豆乳病ってどんな病気なのかこの上 なく気になってきた・・・・・・・」
花蓮ちゃんの頬が赤く染まる。そして恥ずかしそうに視線を逸らしながら・・・・
「白くて生臭くてドロドロした液体によって対象を射撃し続ける病気・・・・」
「ちょっ!何それ?なんかいやらしいよ!!豆乳を噴き出し続ける病気だっていいたいの!?ダメだよそんな風に豆乳の説明したら!お兄ちゃんはそれだけで・・・・・・・・それだけで・・・・・・・・・・・・・・我慢できぬぅああああああいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!花蓮ちゃんぼくをうけいれてぼるきゃあ!!!!」
某辞苑が一閃。いつもの光景です。そうなのです。僕の愛は未だに花蓮ちゃんには届いていないのです!!
え?
そんなこと聞いてない?
「ねえ、花蓮ちゃん。さすがに僕でもこれ以上ケーキを食べ続けるのはちょっときついよ。下手したらホントにとうに」
「ゅ」
「うびょうになっちゃうよ・・・・・・・・・・ならないよ!!やだよ豆乳を噴出し続けるなんて!!!」
花蓮ちゃんは今にも泣き出しそうな表情で僕を見ます。
「お兄ちゃんは私(が作ったケーキ)のこと嫌いなの?」
注:カッコ内は口パクですので彼には聞こえていません
「そんなこと無いよ!!途中の口パクのところがなんか気になるけど嫌いな訳ないじゃないか!!」
「じゃあ・・・・私(の作ったケーキ)を・・・食べて・・・・・・・」
ぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいぎゃおおおおおおおおおおお!!!!!
「いっただきまーすぇれぼあぐれぼぉぉぉ!!!」
僕のルパンダイヴは失敗です。彼が成功したところも見たことないですけどね・・・・。
ガシャアアアアン!!
窓を突き破った音です。幸いにもケーキを食べていた所は一階だったのでそのまま庭を通り越して道路に飛び出し人に激突したところで止まりました・・・・・・・・・・・・・・・・・・幸いじゃねぇ!!!!
「元気そうで何よりだよ。」
激突したのは僕の担任の先生でした。
「そろそろ学校に来たらどうだ?皆、心配してるぞ?」
「かれんちゃんがいないのでいやです。」
死んでも行かねぇよそんなとこ!花蓮ちゃんがいないなんて耐えられないよ。そんなとこに行くくらいなら死んだ方がマシなのです。
「でも、このままじゃ卒業できないぞ。大体二年の時までは普通に来てたじゃないか。何がお前をそこまで変えたのか先生は知りたい。」
「かれんちゃんへのあいにきづいたからです」
「・・・・・・何でさっきから棒読みなんだ?」
貴様と話す舌は持たん!!!!と言ってやりたいです。
「まぁ、お前の愛の方向性はどうでもいいが、彼女は学校へは行ってるんだろう?その間は学校に来ても変わりは無いと思うぞ?」
先生は分からず屋です。仕方ないのでマジメに答えてやるですぅ。
「いつ帰ってくるか分からないじゃないですか!それにもしかしたら具合が悪くなって早退してくるかも!!そうなった時に先生はどう責任とってくれるんですか?家にいれば完全なのです。花蓮ちゃんは必ず帰ってきてくれるのです!!そう、僕の所へ、帰って来てくれるのです!!!!」
ふと、僕の頭上から殺気が・・・・・
「某辞苑・ヘル!!」
ごぱぁ!!
「某辞苑・ヘヴン!!!」
げぱぁ!!
「J・舌よ!光になれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
しゅぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
ああ、これは某ガガガのような某辞苑ヘル・アンド・ヘヴン!!僕は光になりそうです・・・・・・・・・・んが、しかぁし、僕は欲望の神・欲望er(の化身)なのです!そんなことでは消え去らないのです。
「花蓮ちゃん!!ツンデレもいい加減にしなすヴぇれぁ!!!」
僕はめげません。この愛が花蓮ちゃんに届くまで!!!
「・・・・・なぁ、中野。どうしたら学校に来てくれるんだ?このままだと先生の先生による先生の為の評価が下がっていって教師生命が危ないんだよ。お前のせいで。教育委員会から冷たい目で見られるんだよ。お前のせいで。」
生徒の前でお前のせいでとか言いますか?しかも2回も。
「先生、12妹姫が欲しいです。」
「は?」
「12人のお兄ちゃん大好きな妹が出来ちゃった。しかもそれが血の繋がりがあるのか無いのかはクリアするまで分からないあのゲームです。先生が12妹姫を買ってきてくれたら学校に行くことに対して限りなく善処してみようと思います。」
先生が苦悩してます。それもそのはず。先生はゲームのゲの字も触れたことのないような現実主義者として有名です。絶対ゲームなんてした事ねぇだろこの野郎。パソコンすら使ってたところを見た事が無い。テスト用紙も手書きなのです!!そんな先生に12人の妹でウハウハなゲームを買えと言っているのです。僕は鬼・・・・いえ萌鬼(もに)です!!
「ぬううううううう・・・・・・・・・・・・・」
先生呻く。やはり初心者には高いハードルでございますかな?
「仕方ない。あまりしたくはないことだが・・・・・・・・・」
おお!さすが先生、男、漢、WOTOKOです!!さぁ、買うと仰いなさい。誰にも言わないでいてあげますから!!!
「しょうがない、先生の持ってる初回限定版(予約特典付き)をやろう。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「な、なんですと・・・・・・・?」
思わず立ち上がってしまいました!これは由々しき事態です!!先生が!先生が!!!!!
がらがらがら(僕の中の先生像が崩れていく音)
「先生はなぁ、妹が欲しかったんだ・・・・だからせめてゲームの中だけでもと思ってだな・・・・」
僕絶句。
「が、お前が学校に来てくれるのならフルクリアしてしまった俺には必要ないと割り切ってお前にやるよ。」
先生は速攻で家に帰ると光の速さで12妹姫を手に帰ってきました。奥歯には加速装置がきらめいていましたね?
「ほら、受け取れ。」
先生の手から12妹姫をひったくります。これでもう僕の物です。
「じゃあ、明日からちゃんと来るんだぞ?」
「何を言ってるんですか先生?僕は花蓮ちゃんが学校に行っている間の寂しさを埋める為にこれをプレイしなければなりませぬ。」
僕は12妹姫を抱きしめます。
「な!?話が違う!!」
「何言ってるんですか!僕は善処すると言いましたよ?少なくとも学校に行きたいのに行けない生徒くらいは演じてあげますよ!!」
そういって連絡網を取り出します。
「僕の次は・・・・中村!」
ピポペパポ・・・・・・
「ちょっ!まて!!何する気だ!!??」
今すぐに 先生の趣味 伝へます
「川柳!?何うまいことやってんだ!!いいからそれだけは止めろ!!!」
「先生、『彩り接吻』って知ってますか?」
先生が固まります。どうやら知っているようです。12妹姫に則ったような義妹おとなのゲームのことを!!12コの胸キュンのことを!!!!!
「な、なんのことかなぁ・・・・」
もう遅い FAX用紙が 流れます
「いつの間にそんな紙書きやがった!!あああ!いかん、紙が流れていく!!!オレの築いてきた威厳ある教師像が!!!教師像がぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
先生が真っ白になって逝きます。
「先生、妹っていいですよね・・・・・」
「・・・・・ああ、そうだな・・・・・・お前がうらやましいよ・・・・・」
投げやりです。ちなみにさっきのFAX用紙には先生の趣味がきっちり書かれています。これで明日から先生もある意味人気者ですね。
あのままではあまりにもひどいので、特別に晩御飯に先生を招待することにしました。もちろん花蓮ちゃんの手作りです!
「先生、この家にいる間は僕等は兄弟です!そして花蓮ちゃんは僕等の妹です!!」
「嗚呼ありがとう中野。お前の欠席は先生が命をかけて出席にしておくよ!」
先生、来年にはもういませんね?
テーブルの上に三人分の食事が並びます。今日は・・・・・・何か魚のテンプラです。
「花蓮ちゃん、今日のおかずって何?|(テンプラを指差しながら)」
花蓮ちゃんは人差し指を唇に当て上目遣いで僕等を見ながら。
「私の|(作った)キス(のテンプラ)よ・・・・・・」
ボギャアアアアアアアアアアアアアアアアンンンンンンンン!!!!!!!
「せ、先生!僕は耐えられません!!!」
「中野、いや、弟よ。無理してはいけない!!私が手本を見せてやろう!!さぁ、今すぐに我等が妹の唇をうびゅるるヴァー!!!!」
「せ、先生!!!!花蓮ちゃん!やっぱり僕に先にしてほしいのかい!??だったら遠慮せずにそう言えばいうぃぐヴぉろろろ!!!!!」
なんの、復活!!
「お兄ちゃん・・・・先生が死んじゃうよ・・・・・?」
「せ、先生!!!!!!!!!まだ死んじゃダメだよ!!・・・・・・・・・・・・・・そうだ!!先生、先生はお兄ちゃんの神なんです!全国の夢一杯の少年~大きなお友達まで様々な人に妹の素晴らしさを伝える為に誕生したお兄ちゃんの神の生まれ変わりなのです!!!!!」
「そうだったぁああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
先生が見る見るうちに再生していきます。
「何で今まで忘れていたんだ!?オレはお前と同じ神族じゃないか!!こんなことで死ぬわけがなぁい!!!!」
注:二人ともただの人間・・・・・・のはずです
その日の花蓮ちゃんの日記にはこう書かれていたといいます。
「アホが増えた」
と・・・・