その10
9月21日 アナタが僕の!
「よく来たな、J・舌・・・いや、欲望の神・欲望erよ。」
僕と瓜二つの男性が玉座に座ってこちらを見ています。
あ、失礼。
若かったなら僕と瓜二つだったかもしれない男性が玉座に・・・・・・
「言い直すな。」
怒られました。わがままな奴だ!
「あ、アナタが僕の父さん?中野・T・上こと欲望の神なのですか!?」
僕の質問に些か困った顔をなさる。
「欲望の神はお前だろう?何だよ、中野・T・上って?まぁ、いいや。それにしても、俺の下の毛から育っただけはある。立派な欲望の神じゃないか!」
「ちょっと待ってください。カレンちゃんに聞いた話じゃ、アナタが欲望の神で僕はその跡取りの為に作られたと・・・・」
ちょっとイラついた顔になられる。
「誰だ、カレンって?」
「何言ってるんですか?アナタの側近の天使、僕の母親という設定の中野・H・上こと毒殺天使・ボークロウィスのクローンですよ。僕の愛しい妹です。」
愛しい妹・・・・なんて甘美な響き・・・・
「は?俺に側近なんていないぞ?ついでに言うと俺は絶望の神『絶望er』だ。」
なんですと!?じゃあ、カレンちゃんは僕に嘘ばかりを教えていたということナリか!?聞きたい!今すぐカレンちゃんに聞きたい!!君の本当の目的とは何かと!!
「ん?ちょっと待て、カレンってもしかして別世界からやってきた・・・・・」
空中にモニターのようなものが現れて台風レポートのような動画が映し出される。天上界であるのは間違いないのでしょうが、それを囲い込むように発生している台風のような暴風壁、ありとあらゆる所で暴れまわる竜巻といったように些か尋常でないことが伺えます。そして、その中心で泣きながら風を発生させているのは・・・・!
「カ、カレンちゃん!」
「この天上界大破壊の後、お前を地上に送った。その直後にこの女の消息も途絶えていた。まさかお前と一緒にいようとは・・・・父さん気が付かなんだ・・・・。」
僕は改めて映像を見ます。カレンちゃんが泣いている・・・・よく見ると、何か言っているようにも見えます。
「まあいい、とりあえず俺の目標を達成させてもらうぞ。」
そう言って父さんがファイティングポーズを!この人は何をする気なのか僕にはまったくもって分っていませんですのよ!?
「父さん!父さんは一体何をする気でありますかぁっ!?」
僕は必死に叫びます。すると父さんはせつせつと語りだしたではありませんか!
「俺は思ったんだ。求める心『欲望』と、求めることをやめた心『絶望』のどっちが強いのかってな。だからお前を生み出した。俺たちが戦って、勝った方が強い感情ということになる。俺はそう信じている!」
「信じるなよ!」
僕の必死の叫びも無視され、父さんは謎のポーズをとります。文字で表すと
ム人
こんな感じ。何がしたいんだこの人はっ!?
「絶望エネルギー・・・・・・半開!!」
しまった!気付いた時には「天人曰く、『遅し』」状態!この人は僕の父さんである。ということは、この人も僕と同じような技が使えるということ!
「絶望インジェクト!!」
シパッ!
何かが駆け抜けるように僕の頭部を通過しました。その瞬間、僕の意識はフェードアウト。
そして何かがぼんやりと見えてきます。
えっと・・・・これは・・・・・・
ウホッ、いい男!
「ぎゃあああああああああああああああああ!!!なんて物見せるんだこの親父はっ!」
「ああ、すまん。父さんはそっち系だから・・・・」
「うるせぇよ!何だよそっち系って!?」
「なんだ、知らないのか?ほら、男色・・・・・」
「言うな!信じたくない年頃なんだ!」
「一気に荒れたなぁ・・・・」
「誰のせいだよ!どんなに品行方正な息子でも、そんな事実に触れりゃあ、絶望だよ!しかも全然僕と同じような技じゃないし!」
「絶望インジェクト!」
またも、何かが駆け抜けるように僕の頭部を通過しました。その瞬間、僕の意識はフェードアウト。
僕の脳裏に、若かりし日の父さん(と思われる人物)の目覚めのシーンが映し出されました。
目を覚ます
起き上がるとトイレに立ち、おもむろにチャックを下げて・・・・・・省略しても許されますよね?
「あ~、下の毛って、何でこんなにチュルチュルしてるんだか・・・・」
知らねぇよそんなの。
「あ!・・・あ~あ、こんなに抜けちまって・・・・(ごそごそ)・・・よし。」
お願いですから集めないでください。
「そうだ!」
トイレットから全速力で出陣すると、プレートに「バイオプラント」と書かれた所に駆け込んでいく
「増殖er!これで俺のクローンを造ってくれ!」
ああ、これが僕になるわけですか?っていうか、増殖erってなんだよ・・・・増殖の神か?嫌な神ですね。まったく、何でも「er」を付ければ良いと思ってるんじゃないでしょうね?
「いいよ。」
あれ?僕を無視して話を進めてきましたね?いいですよもう。僕はそういう扱いなんだって思い込んで自己解決しときますから。
でも、少しだけ言わせてください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「『そうだ!』じゃねぇよ!何だよその思いつきは!しかも、また『er』付きの神が出やがったよ!そいつ、なんの迷いもなく!『僕製造』を!あっさりと!『いいよ』の一言で始めやがった!僕は・・・・・僕はぁっ・・・・」
ミニドラマ 絶れん望将軍 Ⅳ
(作者)「あ~、眠っ!眠いよ!何にもヤル気しないっての!・・・・・・・え?ミニドラマ?」
何これ?何で僕の必死の訴えをかき消すようにミニドラマってるの?題名変だよ!間に「れん」はいらないでしょう?しかも、何でⅣ?そして、(作者)はミニドラマが始まってるのを自覚してないということでファイナルアンサー?
(作者)「うん・・・・・・てへっ☆」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぬううううううううううううううああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
キモイ!キモ過ぎるよっ!なんだよ「てへっ☆」って?てめぇ、男だろうが!そういうのは可愛い女の子がやって初めて萌えれるってものなのに!そう、例えばぁ、カレンちゃんとかぁ!!例えなくてもぉ、カレンちゃんとかぁ!誰が何と言おうとぉ、カレンちゃんとかぁ!もう、カレンちゃんとかぁ!
「僕は!カレンちゃんが大好きです!!」
パキュウウウン!!!
「何!?俺の絶望インジェクトを破っただと!」
「これが、欲望の力だっ!」
(作者)「威張れる代物かよ・・・」
無視しますよ。ええ、無視しますとも!こんな作者の戯言などにぃぃぃ、ぁ付き合ってられるかてんでいぃぃぃぃぃぃぃ!!
「父さん、これで終わりだ!」
よくぼ~ぅ!!!(僕の正面に『欲』の一字が浮かび、それと同時に天から聞こえるバリトンヴォイス)
「うおおおおおおおおおお!!!」
ぜつぼ~ぅ!!!(父さんの正面に『絶』の一字が浮かび、それと同時に天から聞こえるウィーン少年合唱団)
僕と父さんの間で、お互いが発したエネルギーが衝突しあう。そう、まるで超武○伝の必殺技の撃ち合いの様!皆さん、Aボタン連打で僕を応援してください!
「ぬぅ!互角だと!?そんなバカな!」
「互角なんかじゃないですよ!見よ、父さん!これぞ欲望erの極意!」
『欲望・ザ・ワールド! だ・れ・か 欲チック 止・め・て♪』
僕が叫ぶ(歌う)と同時に、周囲がピンク色の空間へと変化していく。
「な、なんだ!こ、これはぁっ!!・・・・き、気持ちぃい・・・・これが、欲望の力か・・・・俺の負けだよ・・・・しかし、その力がいつかお前自身を苦しめることになるのだ!」
「ならないよね?」
「うん、言ってみたかっただけ。」
あっさり答える父さん。さすがは僕の父さんだ!
「まあ、あれだ。何事も程ほどにしとけってことだ。」
「肝に銘じておきますよ。」
不意に父さんが後ろを向きます。
「今日からお前はここの最高責任者だ。頑張れよ、欲望er。」
「父さん・・・・」
何故か現れた夕日を背に、悲壮感たっぷりに立ち尽くす父さん。なんてカッコいいんだ!今、この瞬間が永遠になると叫びたい!!
と、感傷に浸っている時に、僕の脳裏に「俺そっち系だから」という言葉がよぎりました。もう、何て言いますかね、さっきから父さんが背中で語っているんですのよ。そしてついに口で語り始めちゃい申した・・・。
「何をしているんだ!早く父さんのしり」
「あいを紹介してやるからよ!今回は勘弁してくれよ!な!?」
・・・・・・・・・・・・・・
「早く父さんのこう」
「しえんの季節がやってきました!さあ、今年はどんなドラマがあるのでしょうか!?」
・・・・・・・・・・・・・・
「早く父さんのケツ」
「ァールコアトル!ケツァールコアトル!!」
・・・・・・・・・・・・・・
「早く父さんのアス」
「は雲ひとつ無い快晴でしょう!絶好のピクニック日和ですね!おやつは300円まで!バナナはデザートです!弁当箱に入れてくるといいでしょう!」
・・・・・・・・・・・・・・
「早く父さんのアナ」
「グマの親子を撮影することに成功しました!近々ホームページの方でもお見せしたいと思います。楽しみにしていてくださいね!!・・・・それが最後の更新となった!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「遠慮するんじゃない!仕方ない、父さんからいくぞ!」
「いや!来なくていいです!」
「いいや、我慢できん!父さん今『ウホッ!』なんだ!フンッ!」
ビリビリビリビリッ!(筋肉が盛り上がって服が破れていく音)
ズバァァァァァァァンッ!(服が弾け飛び全裸の・・・!)
と、父さんがケン○ロウみたい・・・。雨風の力が強いほどハッスルしそうな感じです!
「お、落ち着いて父さん!そうだ!この人なんてどうかなっ!?」
僕は何故か持っていた一枚の写真を取り出します。父さんはその写真をじっと見つめます。
そして・・・・・・・
『ウホッ、いい男!』
かかった!ここは一気に捲くし立てるのみ!
「もう、このメガネとか萌え所だと思いませんこと?」
「うむ。」
「でしょう?しかもこの人高校教師なんですのよ。・・・なんかこう、グッと、きますわよね?」
「うむ、実に・・・・・・・・・・ウホッ!すまん、紹介してくれ!」
「まあまあ、焦りなさんな。きっと、まだメガネの間にいるはず・・・・」
僕が言い終わるよりも早く、父さんの姿は消えてしまいました。全裸でメガネの間に向かったのでしょう。これで僕は助かりました。
・・・・・・・さよなら先生・・・・・・