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魔族になろうよ

 式場を後にした馬頭と僕は、地獄の果て目指した。九頭は多糖類に分類される。ほかにはケルベロスや聖書に出てくる獣などもそうだ。牛頭や馬頭は獣頭類である。多くの多頭類は獣頭類に属している。九頭は昔は蛇だった。やがて尻尾は無くなり、人型へと進化した。それに伴って、亀のように普段は頭を体内に隠し、必要はいずれか1つを外に出して暮らすようになった。多頭類の特徴は、頭の数だけ命があることだ。幼馴染の牛頭や馬頭はそのことを知っている。牛頭は僕の首を跳ねた後、闘技場を出るまで笑いをこらえるのに必死だった。


「これでボクも鬼から除籍されて、晴れて悪魔だ。さて、どこへ行く?」

「新天地。そこで国を造ろう。種族や身分の違いを気にすることもなく誰もが思い思いに暮らすんだ。」

「しかし指名手配になれば逃げられないぞ。」

「やつらとは頭の出来が違うんでね。」

 そう言いながら僕は自分の頭を指差した。

「悪運は無くなったが、まだ八つある。防虫剤として期限切れだが、お守りにはなるさ。」


「名前はどうする。八頭でヤツガシラなんてどうだ。」

「馬頭明王とでも名乗るか。」

「国の名だ。」

「そうだな。互という名前にしよう。五つの種族が互いに助け合うんだ。」

「極楽・現世・地獄の次だからG4だな。」

「いや、ジーゼロだ。GOだからな。」

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