表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/38

招かれざる客

 キャンプが終わると、生徒会委員の引越しだ。天使組が使ったログハウスは九人で使うには広すぎる。どうしたものかと考えあぐねていると、

「会長、こうとうぶのめずらしい方がお見えです。」


 秘書として採用した金狼法師がやってきた。

「後頭部の珍しいって誰だ?」

 部屋にやってきたのは一体の女鬼だった。

「高等部の馬頭で~す。」


 元上司の馬頭家のやつだ。鬼の中でも牛頭馬頭と言えば、閻魔の側近だ。力持ちの牛頭家は建設業を、足の速い馬頭家は通信業を担っている。

「馬娘が何のようだ。」

 普通の悪魔なら格上の鬼に気後れするところだが、九頭家にも元鬼としての意地がある。


「クズのくせに。」

 やつは小声でつぶやいたが、こちらも地獄耳。しっかり聞こえている。

「九頭ちゃん。部屋余ってんでしょ。高等部でも使わせてよ。」

 なるほど、連中はここを狙っているわけだ。

「悪いが、そんな余裕はない。必要なら、自分達で建てれば。」


 悪魔や天使はきれい好きだ。神は知らないが、鬼は部屋を片付けない。うちは悪魔になってからは、いやいやながらも片付けをするようになった。どうせ連中のことだ。天使や悪魔をこき使うつもりだろう。鬼の考えそうなことは手に取るようにわかる。

「神組の連中もか?」

 僕は、断る理由を探した。

「あいつらが、他の種族にものを頼むわけないじゃない。気に入ったものは横取りし、気に入らなければ押し付ける。鬼よりたちが悪いんだから。」

 立場が変われば味方も変わる。こいつらも気まぐれな神組に手を焼いているのか。


「そんな要件で来たのか?」

 こいつとは幼馴染だ。うちが悪魔に鞍替えしても、のんびり屋の牛頭・せっかちな馬頭・優柔不断な九頭の三頭家でおんぶとかしてよく遊んだものだ。なので本題は別にあるにことは解る。


「許嫁に冷たいのね。」

「昔、上司命令で押し付けてきたんだ。それにうちはもう鬼じゃないから、自然消滅だろ。」

 いつまで上司風を吹かせてくるんだ。

「で、本題は?」

 僕はしびれを切らせ尋ねた。

「中等部で楽しそうな事をしてるって聞いてね。今度、高等部でもイベントを催すことになったというわけ。だけど、神と鬼じゃつまらないじゃない。だから、中等部の連中にも参加してもらうことにしたの。」

 なんだか、持って回ったような言い方だ。こういう時には、ろくなことがない。

「そっちだけでやってよ。」

「もう、中等部の校長の許可が降りてるから。」

 そういって、羊皮紙の契約書を見せてきた。


「中高合同のダービーを許可する。」

 ダービーって競馬か?

「天界の天馬と、有名な競走馬だった霊馬がでるのよ。ジョッキーを中等部から出してもらう。」

 てことは、天使と魔導師が乗るのか?鬼と悪魔はどうすんだ。

「無論、鬼代表で馬頭も参加するわよ。まあ、うちの優勝で決まりだけどね。」


 随分の自身だ。

「で、誰が乗るの?」

 馬頭は、うなだれた。

「ははあ、いないんだ。」


「違わい。初めてのやつなんてお断りだよ。」

「残念だったね。これで鬼組の優勝は無くなったわけだ。」

 僕は、お引取り願おうと立ち上がった。

「いるじゃない。ここに。」

 馬頭は、僕を指差した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ