あとがきと持論
読了ありがとうございました。少しでも楽しんで頂けたのならば幸いです。
まずこの小説を書こうと思ったきっかけとしては、テンプレから外れた物語を書いてみたいという事からでした。簡潔に言いますと…「ゲーム転生物」は何で死んだらゲームの世界に行くの?「追放物」はなんで追放した側が揃いも揃って無能で、主人公は急に覚醒するの?って事です。
当然そんなテンプレを使っても面白い作品は山ほどありますし、弱小の自分が言えた事では無いのですが、やはり一読者として見てみると同じような展開ばかりで食傷気味なんですよね。因果関係がハッキリしないと、どうしても「なんで?」という感情が先に来てしまうような気がするんです。
という訳で、先駆者が居ない…もしくは少数であろう展開で自分なりの「ゲーム転生物」と「追放物」を書いてみました。コンセプトとしては例え追放されても、そのままの自分を受け入れてくれる場所はきっとある。曲がりなりにも生きて来たのならば、その積み重ねてきた何かはどこかで役に立つといった事でしょう。
まぁ、疲れた現代人にとっては「本当は有能な俺を追放してざまぁ!」とか「死んだけど転生してチート!」といった方がスッキリするのは分かるんですけどね。自分が持っている物でなんとか頑張る物語も、ある意味では夢を与える事になるんじゃないかと思います。
また神様についてはオカンをイメージして貰えると分かりやすいです。母親なのだから子供を守ろうとするのは当然で、子供の事を基本的に肯定して許してくれます。物語で「人間が出来る事が増えるにつれて神様が出来る事が少なくなっていく」というのは、子供が成長して親が助けなくても良くなっていくというのを神様っぽく書いたものです。
神様なんだからモンスターくらい何とかしろといった所ですが、一応狩りが出来る程強くなった人間には手を貸す事が出来ないのです。なので人間ではどうしようもないモンスターが出現したとしても、助ける事が出来ませんでした。だからといって諦めきれずに他に助けを求め続けた神様は、まさに子供の危機を必死で助けようとする母親そのものだと思います。
ちなみに、この小説のモデルになったMMORPGは30代後半の人なら聞いた事があるあのMMORPGです。あの頃は黎明期という事もあったのか、野良の人との交流が本当に盛んでしたね。この小説を読んでくれた人で知っている人は居るのでしょうか?
書こうと思えば「器用極振りの生産職」とか「仕様変更に嘆く魔法使い」とかのネタもあったのですが。それはもし加筆修正をする時が来た場合に取っておきます。
改めて、こんな駄文にも目を通して頂いてありがとうございました。また別の作品で。




