転移先は……
少し体を壊して療養しておりました。
お待たせしてすみませんが、不定期とはいえのんびり書いていきますので今後ともよろしくお願いいたします。
地下神殿から転移した俺達は、崩れた遺跡の真ん中にいる様だった。
俺達は地面より一段高い所に立っていて、周りには俺達を取り囲むように、柱が立っていた。
屋根は無く、壁もなく。周囲には森が広がっていた。
俺達がいるところは祭壇のようで目の前には下りの階段が見えた。
「ここは何処なんだ?」
「さぁ、どこなんだろうね」
どこに出たのかはわからないが、どこかの遺跡に出たらしいことはわかった。
空を見ると星が瞬いており夜なのは解ったのだが……
とりあえず俺達は近くに見える階段のある方へと向かい外に出る事にした。
階段を下りていると目の前から松明を持った人たちが走ってくるのが見えた。
一列になってすごい速さで走ってくる人たちの手には槍が見える。
「止まれ! お前たちここで何をしている」
先頭の人が大声で叫ぶ。
「えーっと、ただの迷子で何もしていませんが……」
答えている間に周りを取り囲まれた。
大体10人くらいだろうか、全員が槍を構えいつでも攻撃できるように構えている。
揃いの胸当てをつけている様子から兵士っぽいがどう見ても自衛隊ではない。
しかもよく見ると耳が長い。全員エルフの様だ。
「嘘をつけ! 大体どうして人間がこんな所にいる。怪しすぎるだろう?」
「怪しいと言われても、本当に俺達は飛ばされてきただけでここがどこかも解らないんですが?」
「ここはエルフォード王国にある東の祭殿だ、人間が入れるはずのない所のはずだが、入っていい場所でもない。人間達とは争いたくは無いが、ここにどうしてお前たちがいるのか確認が必要だ。悪いがいったん拘束させてもらう。そちらの言い分はあとでじっくり聞かせてもらう」
そう言うと俺達は丈夫な縄であっという間に拘束された。
さらに槍を向けられたままで神殿から町まで歩かされた。
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エルフォード王国とは、小笠原の東にあると言われているエルフ達の国で、その規模や内情はほとんどわかっていない。学園都市との境にあたる森にエルワラという町が作られており人が入れるのはそこまでだからである。外に出てきているエルフの数も少なく国の事を話すものも殆どいない為、正確な場所や人口なども全くわからないというのが本当の所である。日本側でも大陸が現れた際に助けてもらった事もあり友好を保つ為に深入りせず、基本的にエルワラとエルフのいる森には立ち入らないように制限されていた。
俺達は、兵士たちに連れられ森の中を歩いていた。
槍で威嚇されながらなのでただ歩くよりも疲れる。
しばらく歩くと森が開けて真っ白な石畳と石造りの家が見えてくる。
町自体には門もなければ壁もなく、森を抜けたらいきなり街に出た感じであった。
町並みは整然と整えられておりまっすぐ正面には巨大な樹が立っている。町に入るまでは全く見えなかったので結界か何かで隠されていたのだろう。まだ距離があるはずなのにその樹の幹は壁の様に目の前にそびえたっており町の中央にあるようだった。というよりむしろこの樹を中心にして町が出来ているような感じである。上を見るとすぐ真上にまで木の枝が迫っており、樹の巨大さを伺わせた。
そんな街の中をまっすぐ樹の幹の方に向かって俺達は連行されていく。
町の人達が家から顔を出して俺達を覗いていたりして少し恥ずかしかった。
そんな中を無言で歩かされる俺達だったが、不意に先頭の兵士が止まる。
「お前たちにはここで一晩過ごしてもらう。拘束は解いてやるが見張りはつけておくから逃げたり騒いだりするんじゃないぞ。万が一、逃げ出したりすれば問答無用で殺すからな」
「解った」
「明日の朝、迎えに来るからそれまではこの家の中でなら自由にしてもいい。何かあれば見張りの兵士に声を掛けろ。できるだけの事はしてやる」
「助かります」
「では、中に入れ。アルン見張りの指揮はお前に任せる逃がすなよ」
「はい!」
「俺はこれから王に報告に行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
「では、お二人は中にお入りください。中の物は自由に使って頂いて結構です。一応食事と水は後程お持ちしますので、ごゆっくりしていてください」
「はい、ありがとうございます。所で一つ聞いてもいいですか?」
「なんでしょう?」
「ここはエルフォード王国でいいのですか?」
「そうですよ、見てわかりませんか?」
「私たちの所にはこの国の情報は殆どありませんから、多分ここに入った人間は僕たちが初めてじゃないですかね」
「そうでしたか、ここがエルフォード王国ですよ」
「エルフォード王国ならサラの故郷がここなのか、今度会ったら色々聞いてみよう」
「サラ? エルフのお知り合いがいるのですか?」
「ああ、一緒に旅をしてる仲間なんだがはぐれてしまったんだ。サラ=アルフレッド=エルフォードって言ってたけど、まさかな」
「サラ様のお知り合いなのですか? なんという事!」
兵士は驚いた顔をすると近くの兵士に小声で何か話しかける。
兵士はうなずくとすぐにどこかへ走り去ってしまった。
「お二人ともお疲れでしょう。中でごゆっくりくつろいでください」
「あ、そうですね。ありがとうございます」
俺達はそういって家に入る。
中は小さいとはいえベッドやテーブル、椅子などは揃えられていた。
が、椅子は二脚あるがベッドは一つしかない。
ここで一晩過ごすのか……
さすがに一緒に寝るわけにもいかないし遥香をベッドに寝かせて俺は壁に寄りかかって寝るかな、などと考えて遥香に提案しようとすると
「どうせまた、一人で床で寝るからとか言うんでしょ? ダメだからね」
と、先に言われてしまう。
「そういえばさっきの兵士の反応からして、サラはほんとにこの国の王族だったりするのだろうか?」
「まさか? さすがに王族が外に出てきてたりはしないと思うんだけど……」
「エルフの事は解らないからな……」
「だねぇ」
「まぁ、王族だろうとなんだろうとサラはサラだし、何も変わらないけどな」
「うん」
“コンコン”
「はい」
「お食事をお持ちしました」
そういうとドアが開かれる。
「失礼いたします」
メイドさんらしいエルフが三人、食事を持って入ってくる。
なぜメイドさんとわかるのかって? 何故かはわからないがメイド服を着ていたからです。
メイド服は万国共通なのだろうか? そんな事は無いと思うのだが……
てきぱきと食事の準備を整えメイドさんたちは去っていった。
残された俺達はテーブルの上を見て驚く。
「すごい料理だな……」
「うん、おいしそうだけど……」
「魚や、海老、蟹まであるぞ」
「海産物も獲れるのかな?」
「いや、それは無いだろう、おそらく川か湖だと思うが……」
「見た目ですでに豪華だとわかるよね、エルフはこれが標準なのかしら」
「ありえないだろ、さすがに……」
「とりあえず、食べてみない? 毒はなさそうだし」
「そうだな」
二人はそういって食事に手を付ける。
「まさかな……」
一抹の不安を感じながらも、豪華すぎる料理を前に、すぐに頭の片隅から消えてしまっていた。
不定期更新申し訳ありません。
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