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プロローグ

 西暦2023年4月8日。


 太平洋の広大な地域に正体不明の青い霧が発生した。


 ハワイ島を中心に小笠原からパスクア島までの広大な地域が突如として霧に包まれ、巻き込まれた地域との通信が遮断された。同地域を航行していた艦船および航空機とも連絡が取れなくなり各国政府は対応に追われる事になる。

 領土を巻き込まれたアメリカ、日本などは即座に情報収集と住民救出に乗り出し、国連も調査隊の派遣を決定するがそのことごとくが失敗。そのほとんどが全滅し何が起きているかわからないまま、わずかな生存者から得られた情報も絶望的なものであった。

 霧の中に入ったとたん電子機器のほとんどは動作しなくなる。航空機は揚力を失いそのまま墜落。艦艇のほとんどは海中から正体不明の巨大生物に襲われ沈没したらしい。銃火器の類も役に立たず銃を撃とうとしてもポンと軽い音が鳴るだけで弾がほとんど飛ばない、ということであった。

 衛星写真にも霧しか写らず巻き込まれた地域の住人の安否は不明。しかしながら捜索隊を送り込んでも二次被害が増えるばかりであり一時中断せざるをえなくなる。

 幸いにも霧が周辺に広がることはなく、逆に消えることも無いために事態は次第に膠着し、関係国と国連による周辺海域の哨戒と霧の調査は行われるものの内部調査はできずに時間だけが過ぎていった……


 事態が動くのは約2ヵ月後となる6月10日。日本の海上保安庁の巡視船が海上を航行する漁船を発見保護する。漁船には8人の船員が乗っており小笠原の住民であった彼らから多くの情報が得られ再び世界が動き始める。


 彼らの話で霧の中の状況が始めて世界に伝えられたのだが、内容は以下のものであった。


 住民は無事なのか?

 被害は甚大で多くの人が亡くなったと思うが生存者はまだ1000人程度はいる。島は陸地の一部になりどの程度の広さかはわからないが北の海岸に集落を新たに作って救助を待っている。


 あの日、霧の中では何があったのか?

 深夜に霧につつまれ何も見えなくなった。朝には霧は晴れたが周りの海は樹海になっていた。見渡す限りの森の中大きな化け物が街中に侵入。街はパニックになり多くの人は散り散りに逃げたようだった。化け物たちが去ったあと町に戻ると被害は意外と小さく、何かを狙って襲ってきたのではないかと思われたがそのときはよく判らなかった。その後戻ってきた人たちで町にバリケードを作ったりして生活していたが町に残る派と町を離れる派で対立。有志を募り30人ほどで自分たちは町を出た。北に向かって10日ほど進むと集落があった。同じく町から逃げた人の多くが北の海岸線にたどり着き集落を作っていたらしい。見慣れない金髪の人を多く見かけたので聞いてみると、森の中に住んでいる原住民?らしい。彼らの助けで集落ができたともいっていた。


 どうやって、霧の中から無事に出てこられたのか?

 ほぼ無傷で打ち上げられていた漁船があったのだが、それを海に戻して乗ってきた。自分たちは決死隊として状況を伝えるために出てきたのだが、道中は電子機器に頼らなければ問題なかった。方位磁石などは問題なく使用できた。


 海上で巨大生物に襲われなかったのはなぜか?

 最初の襲撃以降小笠原の町でも化け物の襲撃は無く、海岸の集落も無事だったので不思議ではあったのだが、原住民?の人たちから話を聞いた結果、化け物達はどうも火薬の匂いに敏感らしいと思われる。理由は町で襲われていたのが猟師の家や雑貨店、などであったから。銃器の火薬や花火に反応したのではないかと推測している。実際自分たちは無事に霧を抜けてきた。


 決死隊の8人からの情報を元に海上保安庁と自衛隊による救出隊が組織された。まず、銃器を持たずにいけば霧の内部に入って出てこれるのか? 情報が正確であるか確認するために自衛隊から偵察隊が派遣された。一切の武装を外し念入りに洗浄された艦艇で問題なく往復できたことから本格的な救助隊が編成された。また、この情報はアメリカにも伝えられた。


 自衛隊の救助部隊が編成され、八丈島に避難所を設置。救助が開始された。

 ところが、移動時に化け物に襲われるリスクがあり、原住民の助けで集落ができ、生活も問題なくなっている一部住民はそのまま残ることを希望しそのまま住み着くことになった。


 救助隊はそのまま南下、原住民の助けを借りて小笠原に向かい数日で到着する。途中化け物との遭遇も何度かあったもののこれらを撃退することに成功していた。

 小笠原でも原住民の方々の助けで人々は生活していた。安全も確保され生活も安定し始めた人々の多くはそのまま残ることを選び。危険を冒して避難する人は稀であった。

 

 救助隊はそのまま避難を希望する人たちを連れて日本に戻ることとなる。

 多くの情報と、期せずして探索拠点が存在し原住民の協力が得られていることを伝えるために……

初めての公開作品になります。

仕事の都合上更新は不定期になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。

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