Stage1 始まりのコンビニ
うわーやらかした、先週借りたアニメ、昨日までやん、返却期間。
まーでも行くしかないな。
「990円になりますぅ。」
きゅっ、990円だぁ?ほぼ1000円やないか。
ふざけとんのか、そう思いながら、千円札を出し、延滞料金を支払った。
お釣りは令和元年の10円玉だった。
少しラッキー
なんか目がしぱしぱするな。
コンビニって目薬売ってるっけ?
俺は考え事をしながら、コンビニに入った。
うーんここでは売ってねぇな他のところ回るか、それか、ドラッグストア行って買おうかな。
ん?あれ?
疑問に思ったのは、コンビニのドアが開かない事。
どーなったんだこりゃ。
そんな疑問を抱えると同時に、俺は急にきた睡魔にやられコンビニの床に倒れこんだ。
目がさめるとそこは、自分の知らない場所。
そんなことはなく、コンビニだった。
急に倒れることあるか?そう思ってポケットに手を突っ込むとそこにはしっかりと令和元年の10円玉があった。でもなんで起きれた?
店員さんが起こしてくれたのかな。
でも、周りを見渡す限り店員はいなかった。
「俺が叩き起こしたんだよ。」
そう言って、奥のカウンターから出てきたのは、自分より少し一回りガタイのいいお兄さんだった。
「あ、ありがとうございます」
「お礼はいいからそこのドアを開けてかんねぇかな」
「え?」
ドアってこの自動ドアのことだよな。
「お兄さんみたいに筋肉があったら、こんなガラス割れるでしょ」
「いや、割れない。どんな加工してあるかわからないけどな」
どうやら厄介ごとに巻き込まれたらしい。
「ここにいるのは俺とお前だけだ。」
「店員もいないんですか?」
「あぁ、いない。あっ、あと隅に陰キャがいたな」
「なんかおかしいですよね」
「おかしいに決まってんだろ、この状況」
そう二人で話していると、急にレジのモニターがついた。
「ん、なんだこれ?」
お兄さんは少し動揺している様子だ。
(あなたたちはプレイヤーに選ばれました)
(プレイヤーはゲームをクリアする義務があります。)
(ゲームをクリアすることでこの世界にいた住人たちが元の世界に戻ります。)
(プレイヤーはゲームクリアを目指して、頑張ってください。)
そういうとモニターはまた真っ黒の画面に戻ってしまった。
「これ、漫画で読んだことのある、デスゲームみたいな感じなのかな」
お兄さんはひどく動揺しているように見えた。
「きっとそうですね」
パッパララー
またモニターが光る。
(ゲームモード:宝探し)
(ルールは簡単です。このコンビニの中からお宝が指名されるので、それをこのレジに持ってくるだけ!ただし処刑人が見回りとして一人いるので、見つからないように注意!)
愉快な音楽とともに紹介されるゲームの内容は、とてもデスゲームものとは思えないくらい簡単な内容だった。
(では3分後ゲームスタート!)
「とりあえず周りを探索しようぜ」
「はい、そうしましょう」
僕達は三分間の猶予をたっぷりと使い、コンビニにある物がどこにあるかをできるだけ、暗記した。
その間にお兄さんは、
「おい、ガリ、ゲームが始まっちまうどうすんだ。」
とガリ君にも手伝ってもらおうとしてたが、ガリ君は
「もうだめだ、僕は死ぬんだ、だめだもう。」
とずっと繰り返していた。
「おい、こりゃもうだめだな」
そういうとお兄さんはガリ君に背を向けてまた、暗記に戻った。
「そういや名前聞いてなかったな、お前の名前は?」
「僕は夜名屋 蛍。よろしく」
僕は簡単な紹介をした。
「よ、よなやぁ?ヘンテコリンな名前だな、俺は素野 勝だよろしくな」
そやって名前もヘンテコリンだと思うけどな。そう思いながらも不満をぐっとこらえた。
「あとは肝心な初期位置だが、どうする?」
そのことに関しては全然考えてなかった。一人でやっていたら、急に出てきた処刑人にやられていただろう。
「そことかはどうだ?」
僕が指したのは、レジや出入り口に遠い、お菓子の陳列棚とジュースの置いてある棚に挟まっているところだった。
「いいじゃん」
そういって二人は陳列棚の後ろに隠れた。こっからなら、レジの後ろにある店員の出入り口からも遠い。
チャッチャララーン
愉快な音とともにゲームが始まった。
すると、店員の出入り口から、何かが出てきた。
俺たちの顔は真っ青になっていく。
そこにいたのは、工場からパクってきたのかというほど汚くて、明らかに錆だらけのロボットの劣化版みたいなのに、頭は日本人形を無理やりでかくしました。みたいなつぎはぎの、異生物が出てきたのである。首からぶら下げていたのは、幼稚園児が書いたかのような、処刑人という文字。
それとそのロボットは一人でに軋み音と一緒に勝手に動いていた。
処刑人の確認の後にレジを見てみる。それはもう処刑人をみるついでのように。
(TARGET:しゃけおにぎり)