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黒英団【2】
15分後…
吉法師は滝裏に戻って来た。
「日吉丸ー‼︎咲ー‼︎…あれ?」
周りを見回してみるが、誰もいない。
「…ん?これは…?」
吉法師が見つけたのは、女の子用の小さな靴だった。
「これって…確か…咲が履いてた靴⁉︎」
吉法師はもう一度、辺りを見回してみる。
しかし、滝の音しか聴こえず誰かがいる気配もない。
「連れ去り…⁉︎」
吉法師は顔を青ざめる。
でも何とか2人を見つけ出すため、思考回路を働かせる。
その時…脳裏に浮かんだものがあった。
「黒英団…か⁉︎」
吉法師は怒りに震えた。
青ざめた顔から真っ赤に染まる。
吉法師は昔、黒英団に襲われ、逃げ遅れた母親が殺されてしまったのだ。
「恨みを…はらすっ‼︎」
背中に、咲と日吉丸と自分の刀を背負い、静岡へ向かった。