表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後日談・つないでいるもの  作者: ぽんこつ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/31

きするもの

*『つないでゆくもの』の後日談の作品になります。ですので『つないでゆくもの』を読んでから、こちらに目を通される事をお勧めします。_(._.)_

*使用している画像・AIの人物画像は作者が作成したものです(商用利用可能な物です)

*「この作品はフィクションです。実在の人物、団体、事件などには一切関係ありません」

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


まなちゃんからのお願いはちゃんとこなしたし。冴はベッドに寝転んでSNSのツブヤキーのタイムラインを見る。さすがに昨日配信をし忘れて、沢山のリスナーが心配してくれているようだった。今日も無理だから…みんなにはありがとうだし、申し訳ないけど……風邪を引いたから数日配信を休むことをツブヤキーにて呟く。瞬く間に沢山のリプ(返信)が来て、溢れてきそうな思いが目に溜まっていく。

ガチャ、ドアが開く。

「ただいまじゃ」

冴はベッドから飛び起きてリビングでまなを迎えた。

まなちゃん、ありがと、お帰り……」

え?誰?紫のキャミソールにデニムの短パン姿の女性が《まな》の後に着いて来ていた。あっ、そっか、この人が巫女の一人か…

「冴…こちらは帰雲紅きくも こうさんじゃ、通称べにちゃんじゃ」

「あ、もう、べにでもなんでもいいけど…まなっちさ、本当にこんな所に磐座さんいるの?」

「んにゃ、ここではないのは、べにちゃんさも知っとるだで」

「へへ…マジバレてる、まなっちスゲー、あ、冴っち、あのVTuberなんだって、私見てるよ」

こうは、短パンのポケットから棒付きの飴を出すと差し出してきた。というよりまなちゃん人の事喋り過ぎじゃない…美樹さんにも喋っていたし…

「ありがと」

ビニール袋を取って飴を舐める。イチゴ味で甘い。

「べにちゃん、おいしい」

「でしょ?ていうかさ、こんなにスゴイ部屋に泊ってるって事は、二人ともお金持なんだー」

「そんな事よりじゃ…」

まなっちせっかち、マジウケる。面白くない?まなっちせっかち…」

こうは両手で銃を撃つようなポーズを取って身をくねらせて笑い、まなが真顔なのに気付いて少し不貞腐れた素振りを見せている。

「もう分かった…磐座さんはね、今日島に帰って来た」

「それで…」

コンコン、部屋がノックされ、まなが対応しに行く。

「冴っちさ、まなっちせっかちだよね」

こうが耳元で囁く。

「うん、それはあるかも…」

「だよねー」

せっかちという訳ではないけど、持っている力のせいで先へ先へと会話を読むところがある。ただ、今回に限ってはそうではなくて、計画の為に気がせってるところがあるのかなとも思う。

まなの後について入って来たのは、鈴と執事のおじさん。今日の鈴は真っ赤なワンピースを着ている。鈴はどんな色でも似合うし服に負けない感じがする。ああ、確かにすずよりりんと名乗っているのが分かる。すずちゃんより、りんちゃんのがしっくりくる。

「皆様ごきげんよう…あら、新しいお友達?」

「んだ、鈴さに、べにちゃんじゃ」

こうは鈴にも飴をあげている。

「うわ、美味しいじゃない!この飴、べにちゃんどこで売ってるの?」

「でしょ?でしょ?島のスーパーだよ、りんりんの香水いい匂い」

「そう?ありがと」

凄いな…この飴…美味しいだけじゃなくて、誰とでも仲良くなれる秘密道具みたい。口から出して飴を眺めても、何の変哲もない鮮やかなピンク色をしている。

「あら、冴さん髪染めたの?」

「えへへ、まあね」

「黒髪も可愛いわ」

「ありがと」

スゴイ、良く気が付く。昨日会っただけなのに…

「んだば、みんなソファに座ってさ」

まなの号令にみんな従って、それぞれ席に着く。冴はまなの隣に腰かける。テーブルを挟んだ目の前にこう、その隣に鈴。何かのケースを持った執事のおじさんは後ろに控えている。

「んなら、本当さ、もう一人おるんじゃけど、とりあえずここに集まった皆さ巫女の仲間じゃ…本来の世界線であれば、私達さ集まるのはもう少し先であったんじゃが、あの不可思議な記事のお陰でこうして一堂に会しておる。記事の因果はさておきじゃ、説明さ各々にした通りじゃで…これから、力を合わせて私達さの使命さ果たす。まずは、黒い石を取り戻すため古の罪人に会いに行くとする」

執事のおじさん以外、みんなニヤニヤしている。

「加賀美」

鈴が指をパチンと鳴らす。

「はい、ただいま」

執事のおじさんは素早い身のこなしでテーブルの脇に来て、一礼をすると持っていた大きなケースを床に置き、グラスを四つ取り出し、さらに瓶に入ったジュースを手際よくグラスに注ぐと、それを四人の前に置いて回る。

「さあ、みなさん、ワタクシからの景気づけよ」

鈴はグラスを手に持ち掲げ皆を見る。手に取ったグラスを顔に近づけるとリンゴのいい匂いがする。

「それでは、ワタクシ達の出会いと、計画の成功を祈って、チアーズ!」

「え?りんりん何それ?」

「んだ、たぶん乾杯じゃろ」

まなは、すでに一口飲んでいる。

「もう、みなさん、もう一度ね…よろしい?」

「チアーズ!」

みんなでグラスを掲げ、口したジュースは濃厚だが口当たりが良く、冷えていて美味しい。

「鈴さんおいしい」

「旨い…おかわり欲しいじょ」

「りんりん、マジおいしい、これどこで売ってんの?」

「オホホ、ありがと。長野よ」

「ふーん、りんりん長野ってスーパーどこにあるの?」

一瞬、時が止まったようだったが。

「べにちゃんさ、スーパーじゃない長野県じゃ」

「え?ウケるんですけど私」

手を叩いて笑うこうを見て皆も笑う。

「そうしましたら、ぼちぼち行きますの?」

「あっ、磐座さんは、映画村にいると思う」

「んだども、その前に、おかわりじゃ…その後は腹ごしらえじゃ…」

執事のおじさんがまなのグラスにジュースを注ぐのを黙って見つめる。まなは舌なめずりをして、ゴクゴクと一気に飲み干す。

「ん…旨いじょ…もう一杯じゃ」

まなちゃん」

まなさん」

まなっち」


お読みくださりありがとうございます_(._.)_

適宜、誤字や表現等変更する場合がございます。予めご了承の程を。

まだまだ文才未熟ですが、もし面白い!と少しでも感じてい頂けましたら、いいねや評価をポチッと押して下さったら、嬉しいですし、喜びます(^^;。モチベーションにも繋がります。よろしくお願いしまし_(._.)_

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ