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ラッキー7のちアンラッキー7、千秋楽は?

作者: 明石竜

〇〇〇〇〇〇〇

「東十両筆頭、野炎やび、 初日から7連勝、勝ち越しに王手です。

勝ち越せば新入幕確実ですね」

 大相撲初場所7日目、十両最後の一番にて、野炎という四股名の力士が

突き出しで圧勝し、実況アナウンサーは朗らかな声で伝えた。


 その日の晩、野炎の所属部屋にて、

「初日から七連勝、野炎関今場所絶好調ですね。さすがっす。明日も頑張って下さい!」

 同部屋の力士からそんなエールを送られ、

「七連勝かぁ。ラッキー7だし、8連勝はしたくないなぁ~」

 野炎は、にこやかな表情で反応した。

「こらっ! 縁起でもないこと言うんじゃない。おまえは大関、横綱も目指せる器なんだからストレートで勝ち越して、全勝優勝目指すんだ!」

 親方から注意をされてしまう。

「はいはーい、勝ち越してインタビュールームに呼ばれるように頑張りまーす」

 野炎はへらへらした余裕の表情であった。

 迎えた中日。

 野炎は幕内力士と当てられることに。

 取組結果は、

「気合が入りすぎてしまった」

 黒星である。ストレート勝ち越しならず。

 〇〇〇〇〇〇〇●

 取組後、

「足首ちょっと痛めたかも」

 そんな不安要素も抱えてしまい、九日目も負けてしまい、二連敗。

 さらに悪いことに、怪我も悪化させてしまい、十日目も以降も

連敗が続き優勝争いから脱落し、七連勝ののちなんと七連敗に。


 〇〇〇〇〇〇〇●●●●●●●


「アンラッキー7っすね。俺すげえって感じ♪」

 野炎はへらへらした表情で付け人たちにそんなことを言い張るも、

 マジヤバい。明日は絶対勝たないと。

 内心焦り。


 千秋楽。

 対戦力士も七勝七敗で、勝ち越しがかった大事な一番となってしまった。

「待ったなし! 手を下ろして」

 取組の結果は、

 相手力士に土俵外へ突き飛ばされそうになったが、野炎は足を気にしながらも横に逃げ、突き落としで逆転勝ちを収めることが出来た。

 連敗はアンラッキー7で止まったわけである。

 こうして、野炎は見事、新入幕を掴み取ることが出来た。


 〇〇〇〇〇〇〇●●●●●●●〇


 次の春場所直前。

 野炎は浮かれて調子に乗り過ぎてしまったのか、重大なガイドライン違反をやらかしてしまったことが発覚し、二場所出場停止処分。

 七月の名古屋場所で幕下七枚目から出直しとなってしまったのだった。

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