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宝の山の匠ドワーフ④ 洞窟の中に広がる近代的な世界

 アンジュと門番の子供たちと合流して、ペッシュがユミルエルデへ案内してくれることとなった。子供たちは私たちに素直に謝ったが、アンジュには謝らず威嚇している状態が続いている。ペッシュもアンジュに警戒をしているのか先頭を歩きながらチラチラと様子を見ている。


 私に飛びつこうとした男性は空中でエトワールに凍らせられて、溶けてきて意識が戻ったところでラルムに拳骨をくらって、半泣きで一番後ろを歩いている。彼の名前はシトロン。ペッシュと門番をしていたが戻ってこなかったため様子を見に来たらしい。


 そしてペッシュ同様に何故か私を妖精だと勘違いしたようだ。ペッシュの話だとペッシュとシトロンは妖精に会うのが夢の一つらしく、私というかノアの見た目が頭の中に描いていた妖精の外見らしくの妄想が暴走した行動だったようだが、その事情を知らない者からすればただの変質者に遭遇してしまっただけである。


 私が二人の行動を拒絶せずに受け入れるというか、実際はどう対応するか迷っていただけなんだけど。とにかく私を守ろうとしたラルム、エトワール、アンジュが行動した結果。ちょっとした騒動になってしまったとうことだ。私も反省しなくては。


 ペッシュに事情を話すと長に会えることとなった。まるで要塞のような岩山の中は別世界にきたような空間が広がっていた。岩山の中はほぼ空洞で岩の柱とデコボコな道が迷路のようなっており、壁や道には光る宝石が街頭のように並べられている。エレベーターのような上下を行き来する乗り物、ゴーカートのような乗り物、トロッコのような自動で走る乗り物などもあり、他の街と比べると未来的な感じがする。


 私たちはエレベーターに乗り地下深くまで下っていき、そこからは遊園地にある子供が乗るような電車のような乗り物を使って長のいる場所へと向かう。


 エレベーターの入り口は金属の蛇腹で開け閉めするのでそれぞれの階層の様子がみえていた。このエレベーターは居住区専用のようで地下マンションのような光景が広がっていた。そして今いる場所は居住区とは違い来訪客用なのだろう。壁も床も金銀や宝石で飾られている。煌びやかというより眩しいというのが正しいくらいにどこもかしこも輝いている。


 しばらく電車移動は続き一番奥の線路まで到着する。一際目立つドアが開くと一面金色の部屋が広がっていた。部屋の奥に王座があり、そこには長身で強靭な肉体を持ったドワーフの長と思われる人物が片肘を立て、足を組み座っていた。


「ラルムご一行殿、ようこそ。ドワーフの街『ユミルエルデ』へ。ワシはこのユミルエルデの長をしておる、グランだ」

「グラン殿、お久しぶりですね」


「久しいな、ラルム殿。何十年ぶりかのう」

「いやあ、ここまで発展すると別世界に来た気分ですね」


「ははは! ここを発展させたのはギムリのおかげだ。人というのは早死で寂しいものだな」

「そうだ、紹介が遅れましたね。彼もギムリと故郷が同じなんですよ」


 ラルムはそういって私の背中を叩く。故郷が同じということは転生者ということか。ギムリという名は聞いたことがあると思った。あの有名なファンファジー物語に出てくるドワーフの名前と一緒だ。


「はじめまして、ノアと申します」

「ほほう。ギムリと同郷なのか。ノア殿も小さな世界を変える一人になるかもしれんな。それでヴァンピールと……お前はアンジュか」


「お初にお目にかかります、グラン殿。ヴァンピール族のエトワールと申します。以後お見知りおきを」

「グラン様。お、お久しぶりでございます」


 アンジュが話し始めるとグランの顔つきが強張り、空気が凍り付く。

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