宝の山の匠ドワーフ③ コトバはココロを込めて伝えましょう
ドラゴンになったラルムは私たちを威嚇するかのように頭上で羽ばたいている。
「ラルム、なんでドラゴンになったの?」
「ノア、その言い方はひどいよ。僕はノアを助けようとしているのに」
「ボクを助ける?」
「あーもう! そういうところだよ!」とドラゴンのラルムは大きく羽をバタバタと広げながら強風を起こす。
「ラルム、落ち着いて! とりあえず、人の姿に戻ってくれないか」
「ノアよ、こういう時はだな。ラルム、いつもの美しい女性の姿をみせてくれないか? というのだ」とエトワールは声色をかえて甘く優しい声とキラキラした笑顔をラルムに向ける。
「え~エトワールにいわれてもな~。これっぽっちもささらないな」
「だそうだ」とエトワールは低音ボイスになりキラキラが消え半目で私の肩をポンと叩く。
「ラルムサン、ボクハ、イツモノ美シイ女性ノ、ラルムガスキダナ」と私はエトワールのように器用ではないのでセリフをカタコトで話す。
「ノアがそういうんじゃ仕方がないな!」
ラルムはそう言って、ドラゴンの姿から人の姿に変化する。ラルムは私にあまいらしくその感じでも言葉も思いも通じたらしい。なんだか罪悪感だけが残る気がするけど。
「先に言い訳させて。重い布から向けだそうとしたんだけど人の姿では力が足りなくて。仕方なく大きくなることで向けだしたという訳なんだよ。怖がらせるとかそういう意味ではなかったんだよ。ってそこのお嬢さん、そろそろノアから離れてくれないかな」
「女、オレのノアに触れるな」
「妖精さんのお名前は、ノア様というのね。なんてキレイな響きのお名前かしら。そうだわ! 自己紹介が遅れました。私はユミルエルデの門番を任されております、ドワーフ族のペッシュと申します」
ペッシュはラルムとエトワールの言葉が届かないのか私を見つめながら私の両手をギュッと握っている。
「はじめまして、ノアと申します。ボクは妖精ではなく人です。本日はユミルエルデの長に会いに来ました。先ほどまでここの出身であるアンジュも一緒にいたのですが……」
「(小声で)ゴリブタ魔女」
「え?」
「あ、いえなんでもありません。アンジュですね。彼女はここでは有名人ですので追っかけも存在しています。少年三人に門番を任せていたのですが、アンジュを見つけて追いかけていったのでしょうね。ここの入り口はドワーフ族しか知らない秘密の入り口でして、不審者が入ろうとしたと勘違いをして対処してしまったという訳かと思います。ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「ボクたちも誤解を招くような行動をしてしまっていたようなので、謝るのはボクらの方です」
「ノア様こそ、謝らないでください」
「ペッシュ、戻ってこないと思ったらここで何をしている!」
声が聞こえる方を向くと日焼けした肌に黄金に輝く短い髪、真っ白な海水パンツを着用した筋肉ムキムキの男性が白い歯をキラっと光らせて岩場の上に立っていた。
「貴方様は! 妖精!」
マッチョの男性はそういいながらジャンプをして私に飛びついてくる。
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