唄の魔法編⑧ ~女神ミネルヴァ様が仲間に⁈~
「ミネルヴァ様?」
「やあ! ラルム、久しいな」
ミネルヴァはプレートアーマーを身に纏った人でモンスターではなさそうだ。そもそもさっきのモンスターの中には人はいなかったはず。全身銀色のプレートアーマーとなると目立つし、視界に入っていたら覚えているはず。いつからそこにいたのだろう。
「ところでミネルヴァ様はどうしてここにいらっしゃるのですか?」
「うむ。ラルムとこの者に用があったのだ」
「僕とノアにですか? ああ、僕がWT7を開催してしまったことですかね? えっと、ノアには何用ですか?」
「うむ。WT7はとても大きな問題だが今となってはどうでもよい。私は君たちの仲間になりたくてここにやってきた。都合のいいことに私に名前を与えてくれたことで私は今、君たちの仲間になれたし、ここに留まれるのだ。感謝する」
ミネルヴァは感謝するといってグリコポーズをしているが、こちらでは? そのポーズが感謝のポーズなのだろうか?
ん? それより、仲間になれたし、ここに留まれる?
名前を与えたというのは私のことだよね?
あれ? スライムに名前をつけたんじゃなかったの?
「何から説明すればいいんだろう、ノア」
「逆に何から聞くのがいいのだろうか」と私とラルムが会話につまっていると。
「うむ。私の自己紹介をさせてもらおうか。私の名前はサニー。ついさっきまでは皆にミネルヴァと呼ばれていた。ラルムがWT7を開催する前は私を崇拝する国で戦争の女神として存在していた。WT7の開催時は同種多種族間との争いは一切禁止となってしまうので私は暇……じゃなくて役割がなくなってしまったのだ。とは言え、戦争の女神だから戦争が好きという訳でも勿論ないが、正直戦うことは嫌いではないので私の居場所を探していたのだ。そこで今、争い事を起こすきっかけとなる人物、ラルムの近くにいるのがよいのではと思いここに来た次第だ」
「ラルムが戦争を起こすきっかけになるんですか?」
「うむ。WT7を希望したものが消えればWT7の開催はなくなるだろう」
「そうかもしれないですけど、WT7の開催時は同種多種族間との争いは一切禁止なんですよね?」
「うむ。それは表向きの話だ。暗殺という形でラルムを消すことが禁止されている訳ではない。というか事故や自死にみせかけてしまえばよいだけの話だからな。今、この世界で一番危険と隣り合わせな存在がラルムだ。そこで私の登場となると、この話は少し変わる。私たち神族は地上の者たちとはかかわることをしないが、私が傍にいることで大抵の者は近付かなくなる。神族に手を出すとなるとその種族そのものが存在しなくなる可能性があるからな。と真面目に言ってみたが私の目的はそれより、人の生活に触れたいというところのあるのだ。守護神みたいな役割をするので一緒に旅をさせろということだ」
「ミネルヴァ様、僕は素直に喜んでいいんですか?」とラルムは苦笑いをしている。
「ラルム、私が来たのだ。安心して今までのように過ごすがよい」
「はい、ありがとうございます」
「ちなみに私は女神なので地上に留まることが出来なかったのだが、ノアとの契約で留まれることになったのだ。どうすれば留まることが出来るか考えたが、これが手っ取り早いからな。ということでよれからよろしく頼む、マスター。戦闘時はどんな武器より役に立つ自信があるぞ。それにリラを別人にした人物にも興味があったのだ。とにかく、よろしく頼むぞ」
女神様のマスター? 私が? これは一体どういうことなの?
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