唄の魔法編⑤ ~モンスターに唄は届くのか~
今度は街の外にいるモンスターに唄の効果を試してみることになった。いつものメンバーと共に向かうが、あくまで何かあった時のフォロー役としているので私一人で色々と試してみることになるわけです。そもそも音楽って星の数ほどあるので何がいいかなんて見つけるのは難しいと思う。とはいえ、何事もやってみないとわからない。そこで考えたのは。
一つ目、テンポの違い。
二つ目、音の高さの違い。
三つ目、音楽のジャンルの違い。
専門家でもないので私が考えたこのパターンでとりあえず試してみることにした。私の魅力は人間同様、モンスターも呼びやすいようでモンスターたちは一定の距離を取りながら、良くいえば見守られている。悪くいえば、見張られている感じになっている。
「ノアの誰でも寄せちゃうその能力は自在に制御出来たら便利なんだけどね」
「それが出来たら嬉しいんだけど、ラルムは何か方法を知らないか」
「そうだね、魔法では見えるけど存在を消す感じとか、見えなくなるけど存在はそのままとかならあるけど、人を寄せるという生まれ持ったモノを隠すまでは出来ないんじゃないかなと。いいながら試してみよっか?」
そういってラルムに「見えるけど存在を消す」魔法をかけてもらうがモンスターたちの様子に変化はない。
「どう?」
「うーん。見えるけどそこにはいない感じがするのにノアの残り香があるからわかる感じ」
「それってどういう意味だろう」
「ノアたんは見えるけど違う人なんかな? でもノアたんっぽい、やっぱノアたん! って感じなんよ」
「ノアがいるようでいない? でもノアのぬくもりを感じる」
「ノアさまが零体となって私の傍にいてくれる感じですわ」
「それぞれ少し違うようだけど、要するにボクがいるのはわかるってことだね」
「普通は見えていてもその人と認識しないはずなんだけど、ノアにはそうならないようだね。じゃあ次ね」
そういって今度は「見えなくなるけど存在」の魔法をかけてもらうがモンスターたちの様子に変化はない。
「これは見えていると同じということかな」
「うーん。実際には見えてはいないんだけどね。魔法をかけた僕には見えているけど」
「師匠、ここにいるっすか」
「うむ。ノアはここだな」
ロゼは腰に抱き着いてきて、エトワールは私の頭を優しくなでる。うん、まるで見えているようですね。二人を避ける形で移動してみるがすぐに見つかり両腕を掴まれる。
「ラルム?」
「え? 皆にはみえていないよね?」
皆、同時にみえていないと答えるが私が何度か移動するが見えているかのように同時に目線が向く。
「よし、ノアの魔法を試してみようか」
ラルムは何事もなかったように魔法を解き、笑顔を向ける。ラルムは心を読むだろうと思い、これは魔法が失敗したの? それとも私自身のステータスが問題ってこと?
「すていたす? って何?」
それは転生者だけの機能? 能力ってこと? 私にもそこはよくわからないから気にしないで! じゃあ、とりあえず唄ってみます!
ラルムから話があった時から『Let's hold hands♪』という子供向けの曲にしようと思っていた。理由は『それぞれの個性は素晴らしい、お互いのいい所を見て、手を繋いで仲良くしましょう』という世界観の曲だから。モンスターたちに攻撃する意思はないよという意味を込めて選んだわけです。それでは唄います!
唄いはじめるとモンスターたちが一斉に向かってきた。
お読みいただきありがとうございました!
次回もよろしくお願い致します!




