WT7
声がする方を振り返るとラルムが雷撃を受けて倒れていた。ラルムの後ろには蒼褪め震えているローザがいる。どうやらローザが攻撃を受けたようだがそれを庇ったようだった。
「ラルムよ。貴様は何度も邪魔をするのだな。たかが劣等種である其奴のために自分を犠牲にするとは愚かだな。そうか赤だけでなく青も劣等種だったか、それは失礼した」とデュオスは優しく微笑む。
見た目だけでなく顔も声も穏やかでまるで天使のようだが真っ黒いオーラというか威圧感を感じる。近づきたくない今すぐここから逃げ出したくなるような恐怖のようなそんな感覚に襲われている。
「ノア、プラチナドラゴンが白いのは誰の色も受け入れるようにみえて、誰の色にも染まらない、もしくは白に染めてやるという意味もある。と僕はそう思っているよ。だから見た目に騙されないで、自分の正義という我儘を振りかざすのがプラチナドラゴンだ。腹の色は真っ黒だよ」とラルムはテレパシーで伝えてくる。
「ラルムよ。何か言いたいことはあるか?」
「それはどういう意味ですかね、ディオス様」
「お仲間ごっこの連中に最後のお別れはしなくていいのかと聞いている。それくらいは待ってやろう」
「というと、僕を殺すってことかな?」
ディオスは微笑むだけで言葉を発しない。言うまでもないとところだろうか。
私や他のメンバーはディオスの威圧感のせいなのか一歩も動けず声も出せずにその場に立ち尽くしている。
「WT7を希望する」
ラルムはそういうと身に着けていたブレスレットを外し、そのブレスレットを握った手を真っすぐにあげる。すると空から一筋の光が降り、ブレスレットが一瞬光り、すぐに光がはじける。
「これで僕にも誰にも手出しは出来ないよ」
ディオスは微笑んでいた表情から顔が歪み目が飛び出すかのように大きくし睨み殺すような形相を一瞬みせ、また穏やかな表情へと変わる。
「ブルードラゴンにドラゴン族の代表を任せていたのを失念していたよ。今すぐそのブレスレットを返してもらえるかな。元々はプラチナドラゴン族の物だ」
「プラチナドラゴン族が自由に生きるために僕らブルードラゴンが代わりに役割を果たしているのにやっぱ都合悪いわ~返してはないんじゃないかな」
「非を認めよう。やはりドラゴン族の頂点に立つプラチナドラゴンがその役目を担わなければいけない」
「それも含めWT7で議題にあげるよ。とりあえず今の代表は僕だからね。ご存じだとは思いますが、一度WT7がはじまると議題にあげたものが決まるまで同種多種族間との争いは一切禁止になります。もしこのルールを守らなければ一族全てが罰を受けます。メンバーの削除という名の一族の銷却になりますからね。ということで、今はお返しできませんよ。そして僕も殺せませんよ」とラルムはディオスの微笑みを真似て返す。
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